●浅い眠り。昨日あまり寝てなかったので、少し眠っておこうと午後から横になった。でも、意識の表面だけがどんよりとして、芯が堅く残り、その芯までは眠りに溶けてゆかない。目を閉じて横になっている、という意識はある。眠ろうとしているのだ、という意識もある。しかしそのように把握されている(今、自分が置かれている)状況とは別に、それと同時に、夢のなかに入るきっかけとなるような、切れ切れの風景の断片の映像が浮かび、夢の場面の端っこに引き込まれてゆくのも感じている。これは夢で、眠りに入り込もうとしているのだなあ、という意識がある。だが、現実に外から聞こえてくる音(子供のはしゃぐ声や、車の通る音、部屋の前のバラストを踏みしめて人の歩く音、など)も意識している。眠りの水面を軽くかすりはするのだけど、深くまでは入り込めない。深くまで沈み込もうとしても、弾き返される。弾き返されはするが、意識の表面はどんよりとした不活性の状態なので、目が覚めてしまうわけではない。そんなこんなのうちに、思いのほか、時間が過ぎてしまっている。だから、ただ目を閉じて横になっていただけではなく、眠ってはいるのだろう。でも、眠ったという手応えはほとんどなく、頭は重く、目はしばしばして、首の後ろに凝りがわだかまっている。これから出かけるのが億劫だ。(とは言っても、この文章は、出かけて帰ってきてから書いているのだけど。)