●晴れていて風はなく、日光が直接当たる所はぽかぽかと暖かい。ビルの隙間にある小さな公園で、コンビニで買った昼食をとる。公園の前には墓地があり、何本かの巨木が伸びている。それぞれに形も大きさも違う葉が、それぞれに異なった色に色づき、日の光を撥ね返している。墓地のなかにまで入って、近くにまで寄ると、相当に大きな木々なのだが(実際、食後に墓地のなかに入ってみた)、背景に高層ビル群が見えるので、公園からだとそんなに大きな木には見えない。空は真っ青で、白くてふわふわした大きな雲がひとつ浮かんでいる。太陽が直接目に入り、ギラギラと眩しく、顔が熱いくらいなのだが、それが「光を浴びている」という感覚を生む。食事が終わり、あまりに気持ちがよいので眠気がさしてくる。眠気覚ましに、高層ビル群に取り残されたような狭い路地を歩く。(ここは西新宿なのだった。)道が狭く、小さな建物が建て込んだこの一帯を歩いても、少しも狭苦しい圧迫感はなく、むしろ開放的に思うのは、(良く晴れた抜けるような空のせいだけでなく)風景の端に常に高層ビルの頭が見えていて、だから常に上からの視線(俯瞰された風景)が無意識のうちに想起されているからなのかもしれない。