●いろいろと差し迫ってきていて、そのためか、ちょっと浮き足立っている感じ。淡々とこなすしかない用事と、二十枚程度の原稿の締め切りとが、年末のほぼ同じ時期に重なっていて、こなす用事をする頭と、原稿を書く頭との切り替えがなかなか難しい。こなす用事をするために喫茶店に向かったのだが、今日はどうしてもそれをする気にならなくて、喫茶店の向かいにある文房具屋でスケッチブックとクレヨンを買って、喫茶店ではずっと落書き-お絵描きをしていた(楽しかった!)。散歩の途中でいつも見る牛とかを、ピカソみたいにガンガン描いた(描きながら「モーッ」とか言ってたかもしれない)。そんななか、新国立美術館のピカソ展が14日(日)で終わってしまうのだが、これは絶対に観ておきたい。余裕がないのは、時間の問題ではなくて、頭の(気持ちの)問題なのだ。
●人の言うことを簡単に要約するなよ、という苛立ちはどこからくるのだろうか。本来、要約とは、そこで言われていることの(言っている人さえ分かっていないかもしれない)ポイントを、発見し、的確に掴み出すということであるはずだ。しかし、多くの(ぼく自身もしばしばそういうことをしてしまうのだが)「要約する人」のしていることは、あらかじめその人の頭のなかに存在している枠組みのなかに、発言された内容を勝手に押し込んで、その内部で配置して整理するということになってしまう(自分の頭のなかでの落としどころをみつけているだけ)。そこには、人の話を聞く気ははじめからない。おそらく、そのことに苛立つのだ。人の言うことを本気で聞こうという気があるのなら、人が真剣に言うことは基本的に奇妙だったり不可解だったりするものとして響くはずで、そんなに簡単には「分かる」わけがない。
●「面白いと思う」というのはたぶん、それを完全には掴めていないのだが、そこに何か良いものがありそうだという予感があり、その予感にかき立てられている(だから必至に聞き耳をたてている)、という状態のことなのだと思う。