●書くっていうことは、恐ろしいことだと思った。
7月31日の日記に、十日くらいつづけてずっと、毎日の買い物の計算がほぼ正確に百円ズレるということを書いたのだが、それを書いた次の日から計算を間違うことがなくなった。
毎日、決まって百円分ズレるというのも気持ち悪いけど、そう「書いた(言葉にした)」途端にそれがなくなる(気づいてはいたし、注意してもいたのだけど、ただ意識していただけでは直らなかったのに)というのはもっと気持ちが悪い。
人が、意識できないものに大きく規定されてあること、そして、その意識できないものに対して言葉が確実にある効果を及ぼすこと、しかし、意識できないものに対して言葉とがどのような関係をもち、どのようなやり方によってアプローチするのか(どのように振る舞うのか)はよくわからないこと。
言葉に気をつけろっていうのは、決して対他的(対人的)の場面のことだけではなく、なにより言葉は、それを発した人のところへ、大きな効果を返してくる。恐ろしい。