●昨日は、十二月の個展のDMに使う作品を撮影してもらうために新橋のスタジオまで絵を抱えて行った。慣れない早起き、慣れないラッシュ電車だったが、ちょうど、通勤特快があったおかげで約束の時間に遅れずに済んだ。
フィルムではなく、デジカメでの撮影をはじめて見たのだが、撮影の段取りやライティングなどはフィルムで撮るのとまったく変わらないみたいだったけど、撮ったそばから、すぐ眼の前のモニターに画像があらわれ、カメラマンはマウスを操作してそれを拡大したりしてチェックし、すぐに画像を加工して、その場でデザイナーにメールで送信する、という、その後のいろいろの手早さに驚いた。フィルムで撮ると、何日かしてから現像されたフィルムが送られてくるのだが、その場でCDに焼いたデータを渡される。カメラマンがカチャカチャとパソコンを操作しているのを、ぼーっと後ろから見ているという経験ははじめてだった。とはいえ、デジカメになっても、三脚の脚の長さをくるくる回して調整したり、ライトの前に丸めたパラフィン紙を垂らしたり、立てたレフ板を引っかけて倒してしまったり、露出計で何カ所もしつこく測ったり、そういう「撮影する」という行為そのものの変わらなさの方が印象に残った。それは、カメラという機械の原理の変わらなさであり、それが人に強いる段取りの変わらなさなのだろう。関係ないけど、スタジオには何故か「現代農業」という雑誌のバックナンバーがたくさん並んでいた。
その後、新橋駅近くのコーヒー店の二階で『組立』を読んでいたのだった。
で、すっかり、デザイナーに写真のテータは届いていると思っていたのだが、今日になってからのメールのやり取りで、届いていないことが判明した。あの時、送信していたデータは、一体どこに行ってしまったのか。うちにあるパソコンおよび通信環境では、大容量のデータを送信することが出来ないので(そもそもCDドライブが壊れている)、これから、CDを持ってデザインをしてくれる人のいるギャラリーまで行く。