●小説を書いていた。少し進んだ。少ししか進まない。先を急ぐわけにはいかないが、あまりいつまでもだらだらやっているのも良くないと思うので、四月いっぱいでなんとかいったん最後まで行きたい。
書くことは、自分の頭のなかを覗いているような感じでもあるけど、それはたまに意外な発見があっても、大概は自分で思っているよりも貧しくて常識的で動きが硬い。そこからおもろい事を見つけ出してくるのには骨が折れる。いや、頭の中味という確定された何かがあるのではなくて、そこからおもしろい事を探そうとするときのやり方やフィルターの方が貧しくて常識的ということのなだから、そのやり方やフィルターそのものを揺るがしてやるということが、「書く」というときにやっていることだ、ということなのだろう。