●「スペック」をもう一度はじめから観直している。演出上の細かいネタとかを、いろいろ発見する。それはそうとして、この作品の加瀬亮は、演技としてとかキャラとしてというより、「形態」としてとても面白い。ジャコメッティの彫刻のようであり、サルのようでもあり、キートンのようでもある。
「サカナ顔」の戸田恵梨香の顔が、眼、鼻、口、歯、髪というパーツの集合としてあるのに対し、加瀬亮の顔は頭部としてあり、あるいは、戸田恵梨香の身体が、赤いカートや包帯を巻かれた左腕、白いソックス、ワカメのように顔にまとわりつく髪などを合成したキャラクター(イメージの合成)としてあるのに対し、加瀬亮の身体はほとんど体型、姿勢、動き、あるいは線としてある感じ。
「スペック」の加瀬亮の頭部は、イメージとしてはこんな感じ。