●深夜アニメ。
『スペース・ダンディ シーズン2』第三話。「スペース・ダンディ」をはじめて面白いと思えたし、湯浅政明をはじめて面白いと思えた。よかった。
ただ、途中の細部で、その俗っぽさがちょっといやだと思うところがあった。魚が自分の惑星に帰ることができた後の、惑星の様子と魚の扱われかたが中途半端に生臭いところ(最後までシュールにクールに行き切るのではなく、中途半端に俗っぽいドラマ的要素を絡めてくるのだけど、そのドラマ要素がすごく浅い、というか、ドラマ的要素の混入のさせ方が不用意過ぎる、みたいな感じ)に、「なんで、ここで、それなのか」と思ってしまった。そこにハメるパズルのピースはそれじゃないはず、みたいな感じ。これは、その音はこの曲にそぐわないよね、という微妙なトーンの調整みたいな問題で、重箱の隅をつつくようなことを言っているだけかもしれないし、それは「お前の感覚でしかないだろ」ということかもしれないけど、ぼくにとって重箱の「その部分」はけっこう重要なことなのだ。おそらく、ぼくが湯浅政明を苦手なのはこういうところなんだなあということを、発見した(全体として面白かったからこそ、発見できた)。
『ALDNOAH ZERO』第三話。ちょっと、面白そうな雰囲気にはなってきた。二話目が面白くなかったのは、「敵」が愚か過ぎて、主人公たちはたんに敵失によって助かっただけ、みたいな話になっていたからだと思う。地球側に比べて火星側は軍事力において圧倒的に優位で、そのような火星側が攻撃してきたらそれとどう戦うのか、という設定のなかで、技術力はすごいけど敵がバカなので助かりました、では、ちょっと話にならないのではないか、と。それに対し、第三話では、「知恵」によって圧倒的な力の差をひっくり返すという話に、一応はなっていた。とはいえ、敵が愚かなおかげで助かったというニュアンスはまだまだあるのだけど。まあ、最初からそんなにすごい敵は襲ってこなくて、まずはザコキャラから、ということなのだろうけど、それにしても、あまりに敵側がバカ過ぎる。
あと、三話で面白そうな雰囲気になってきたのは、物語を動かす関係の配置の複雑さが多少見えはじめてきたということもある。「敵陣に乗り込むお姫様」というのは「ガンダムUC」みたいだし、「エヴァ」の加地くんみたいな「謎の過去」を匂わせるキャラがいたり、父が火星側に殺されるのを目の当たりにした火星側のスパイの娘とか、元地球人だけど何故か火星の側にいる少年とか、なかなか複雑な配置になっている。