2025-12-30

⚫︎笠井潔の矢吹駆シリーズの最新刊『夜と霧の誘拐』の電子書籍版が紙の本の半額になっていたので思わず買ってしまったが、750ページあるという長い小説を電子書籍で読める気がしない。今まで、電子書籍で最後まで読み通せたのは漫画と新書だけで、たとえばウィリアム・ギブスンの、今では紙の本で手に入りにくくなってしまっている小説を何冊か電子版を買ったが、最初の数ページくらいしか読んでない。特に小説は電子版だと読みにくい。

(外国語の本は、電書をOCRでテキスト化してから、AIに翻訳してもらって、それを紙にプリントアウトして読む。紙の本だと、ページを写真に撮るか、スキャンしてPDF化してからOCRにかけることになるので、一手間増える。なので電書のほうが便利だ。)

⚫︎事件を解決するだけでなく、探偵が実在の哲学者をモデルとする人物と思想対決する矢吹賭シリーズは、断続的にだが割りと読んでいる。最初の三冊、『バイバイ、エンジェル』、『サマー・アポカリプス(アポカリプス殺人事件)』、『薔薇の女』は、83、4年くらいの近い時期に続けて角川文庫から出て、高校から浪人時代に読んだ(当時、栗本慎一郎笠井潔を推していた)。それから、『哲学者の密室』(1992年)、『オイディプス症候群』(2002年)、『吸血鬼と精神分析』(2011年)までは、つどつど、読んでいるが、『吸血鬼と精神分析』になって、ラカンの読みにかんしてあまり納得できないし(というか、ラカンらしい人物も出てくるが、主にジュリア・クリステヴァと対決するのだが)、ミステリとしてもあまり冴えない感じで、作者の「矢吹駆シリーズ」に対するモチベーションの低下が明らかにみてとれるような小説だったので、それ以来関心が離れた。それから十年近く間をあけて発表された『煉獄の時』(2022年)にかんしては、出版されたことすら知らなかった。だが、2025年に出た『夜と霧の誘拐』は、ミステリ好きの人たちの評判もかなり良いようで、再び気になってきて(このシリーズを最初に読んでからもう40年だ)、でも、まあ図書館にあったら読もう、というくらいの関心度だった。ただ、最近の笠井潔のミステリ小説は地元の図書館にほぼ入らない。

(『夜と霧の誘拐』は、ハイデカーと対決した『哲学者の密室』の続編的な位置付けで、ハンナ・アレントと対決するようだ。アレントは、VECTIONの活動においても重要な参照者だ。)

⚫︎12月の半ば以降に少し時間の余裕ができたので、肩慣らし的に分厚いミステリの本を読み始めたが、50ページくらいで、なんか面白くない、と思ってしまい、じゃあと思ってまた別の分厚いミステリに移ったが、それも三分の一もいかないでイマイチな感じで、今はミステリという感じじゃないのかな、と思い始めたタイミングだったので、買ったはいいがしばらく放置、なのか、それでもズルズル読み始めてしまうのかは、まだわからない。

⚫︎図書館で借りて読んでいる本。