2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

●新しいのを買ったから、使うならあげるよ、と、古いICレコーダーをもらった。そういえば、はじめてパソコンを手にしたのも、こういう形でだった。パソコンをはじめて触ってから一ヶ月か二ヶ月くらいで、もう偽日記をはじめていた。とはいえ、もらったICレコ…

●台形を逆さにしたような形の赤い箱の上に、黄色いMがのっかっている巨大なドライブスルーの看板が、そのファストフード店とボウリング場がテナントとして入っているビルの屋上でくるくる回転している。ピッポ、ピッポ、ピッポと聴こえる、信号の歩行者側が…

●嘴がオレンジ色で、基本的に白と黒とが混じる羽根に、一部、茶色い色が加えられている。雀よりもほんの一回りくらい大きい。多分、ムクドリってことで良いのだと思う。川原の、芝生が広がっているところに、無数のムクドリが、ひらひらと羽根を動かして、ほ…

●昨日の興奮がまだからだのなかに残っている。ネットカフェに行って、もう一度「sygyzy」の予告編映像(http://www.youtube.com/watch?v=FqItxjDi7Nc)を観てみたのだが、24日には、あれほど面白そうに見えた映像が、なんだか気が抜けたもののように見えてしま…

●吾妻橋のアサヒ・アートスクエアで、振付・捩子ぴじん、出演・神村恵、福留麻里「sygyzy」(「グロウ・アップ・ダンス・プロジェクト」)。素晴らしかった。無理してでも観に行って本当によかった。何がなんだかよく分からないが、とにかく面白い。面白いって…

●ノックの音で起こされる。青土社から「ユリイカ」、福永さんからミトゲーの雑誌「WALK」の日記特集号(雑誌の全てがいろんな人の日記で埋められている)、学燈社から校正刷り、が届く。早速、それを持って、喫茶店へ行って延々とゲラの直し。外は強い雨。小説…

●お知らせ。もうそろそろ発売されるであろう「ユリイカ」5月号(特集/クリント・イーストウッド)に、「自作自演の身体と眼差し/『許されざる者』以降の自作自演」という文章を書いています。約25枚。正直にいえば、今は、出来ればイーストウッドについてはス…

●駒場アゴラ劇場で、神里雄大・作、演出『グァラニー〜時間がいっぱい』(「キレなかった14才りたーんず」)。会場の受付で、偶然、福永信さんとお会いした。こういうのを、凄い偶然と言うのか、この世界は狭い(どの世界?、演劇?、アート?、サブカル?、それら…

●「ちい散歩」。地井武男が道を歩いていると、どっかのおばちゃんが声をかけて、近くに是非見てほしい庭園があるとかなんとか言って案内するというか半ば無理矢理にひっぱってゆくのだが、そこは別に何と言うこともない普通の庭で、また、その庭の持ち主のお…

●昨日書いたことは、大江健三郎の『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』を読みながら感じたことを書こうとしたものだった。連載中にわりとさらっと読んだものを、改めてじっくり読み返している。本を買うお金がないので、「新潮」のバックナンバー…

●例えば、A、B、C、D、と配置された物が目の前にある時、目は、その配置を一挙に捉えるのではない。視線は、A→D→B→Cと動くかもしれないし、D→C→B→Aと動くかもしれない。あるいは、「AB」の関係をまず掴み、その後「CD」の関係を掴んで、そこから「ABCD」とい…

●お金がないと、都心がどんどん遠くなる。例えば、気軽に新幹線に乗れるだけの経済力があれば、東京-大阪や東京-宮城なども、たいした距離ではないはずなのだが、中央線に乗るだけのお金もあやしいと、八王子-新宿どころか、八王子-吉祥寺の距離すら、はてし…

●万リー「舌打ちしっこの左膝のお母さん」(「文學界」5月号)。これは一体何?、とひるんでしまうような、面白くてかつ気持ちの悪い小説。自分の身体や異性の身体に対する感覚というか接触感のようなものが、ぼくなどにはちょっと想像も出来ないような感じで描…

●何かが動いている時、あるいは、何かが今、生まれようとしている時、その過程-行為のただ中に居る者は、その途中でそれを外側から捉えようとしてはいけない。内側にいることの盲目によってしか、何かを動かし、何かを生むことは出来ない。これは決して大そ…

●何故か、ここ何日か、酸っぱいものが欲しくて仕方がない。酢の物とか、柑橘類とか、ヨーグルトとか、梅酒とか、スーパーでそういうものを見ると我慢できなくて買ってしまう。普段は、特にそういうものが好きだということはないのだが。梅酒なんて、確実にこ…

●喫茶店で原稿のゲラの直し。それを近くのコンビニからファックスで送って、別の喫茶店に入って、『秋季限定栗きんとん事件』(米澤穂信)を半分だけ(上巻だけ)読む。 新たな登場人物である、野心的な若者を加え、その男の子と「小市民」小鳩くんとの、「おれ…

●『溶岩の家』(ペドロ・コスタ)をDVDで。今までに観たペドロ・コスタの映画(他には『骨』『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』)では、ぼくには一番面白かった。そして、この映画の面白さの多くは、珍しい風景や建物、そしてうつくしい光が見られるとい…

●昨日、モンゴル料理屋で、誘ってくれた人が、「羊の肉は食べるとよく眠れるそうですよ」と言っていたのだが、そのせいなのか、今日は一日中ひたすら眠っていた。まあ、約束していた原稿が、とりあえず締め切りまでにすべて書けて、ほっとして気が抜けたせい…

●磯崎憲一郎「絵画」(「群像」五月号)。ものすごい密度とめまぐるしい飛躍。冒頭から延々とつづけられる川辺の風景(しかしこれを「風景」と言ってしまってよいのか、「風景」とは別の何かなのではないか)の描写には、この作家がいままで書いてきた小説のすべ…

●原稿のことを考えながら、散歩に出る。表は予想以上にあたたかく、部屋を出てすぐ上着を脱いで手に持った。しばらく歩いて、普段と様子が違っていることで、今日が土曜だと気づく。まっすぐ続くゆるやかな坂道を上ってゆくと線路を見下ろす橋に出て、それを…

●年度末になるとあちこちで道路工事がはじまるというのはよく聞く話だが、散歩している時の印象では、今年は新年度になっても相変わらずあちこちで工事をしているという感じで、通ろうと思っていた道筋から迂回させられることも多くて、これも緊急的な雇用対…

●電車に乗ったら冷房が効いていた。 空いている車内から、座席、窓枠、窓の外(そして窓から座席に射す光)が同時にフレームに入った写真を撮ってみる。ちょうど高架の上を走っている区間で、窓の外は、ギラギラ光る低い住宅の屋根ばかりがつづき、青い空が三…

●映画作家についての原稿と小説家の新作についての原稿を、もう一度見直してからメールで送り、書評を書くために、分厚い上下二冊ある小説をひたすら読んで、ようやくその上巻を読み終えた。 ●今月の文芸誌には読みたい小説がいくつか載っているし、米澤穂信…

●お知らせ。今日発売の「新潮」五月号に、ぼくの書いた「中学生以上と小学生以下、現世と冥界/福永信論」が載っています。原稿用紙で約54枚。「新潮」に発表した作家論は、青木淳悟論、岡田利規論についで三つめになります。 最近になってたまたま福永さんの…

(もうちょっと、昨日のつづき) ●筆触を、「筆触」として対象化して取り出した時には既に、筆触において重要な何かは失われてしまうのかもしれない。完成された作品から事後的に見出される筆触と、それが描かれる時に(あるいは、今、まさに画面に筆が触れよう…

●昨日の、「組立」対話企画(上田和彦×林道郎)を聞きながら、なんとなく考えていたことを書いてみる。以下は、昨日の話の紹介でもないし、直接的な言及でもないが、しかしその話に刺激されたもので、それに多くを追ってはいる。 ●「筆触」というのは複数のも…

●昨日、寝る前にゴダールの『ウイークエンド』を観たせいか、夢のなかでとても面白い映画を観ていた。出来上がった作品としての映画を観ているのと同時に、その映画は撮影中で、そこにスタッフとして参加もしていて(確か、雨を降らしたりしていた)、また同時…

●以前にまとまった作家論を書いたことのある小説家Aのあたらしい作品についての原稿の、最後の追い込み。今日は散歩にも行かず、ひたすらそれだけに没入していた。なんとか書けた。ちゃんと書けたと思う。面白かった。ぼくの原稿が面白いかどうかはともかく…

●なかなか体調がよくならない。散歩で微妙に汗ばむのがよくないのだろうか。桜の時期には、あっ、この木も桜だったのか、ということがよくある。デジカメのピクチャーカードのメモリーが随分前から一杯で、一枚消去しては一枚撮るということをずっと繰り返し…

●昨日、まる一日寝込んでいたので、一日分延滞になってしまった(しかもけっきょく観る時間がなかった)DVDを返しに隣りの駅のツタヤまで歩く。雨になるかと思って傘を持って出たのだが、運良く降られることはなかった。 途中で野球場や陸上競技場もある大きな…