昨日の深夜、というか今日の早朝、久しぶりにネットに繋げっぽなしにして、長時間、あちこちのページをのぞいたり、書き込みをしたりしていた。こんなことをしたのは二ヶ月ちょっと前に、初めてプロバイダーと契約したばかりの時以来。電話料金がかなり心配。で、そんなことしてたら覿面、眼の奥から頭の奥にかけての、ひどい頭痛に襲われる。やっぱ、コンピューターって、確実に人間の身体を蝕んでるなあ、と感じる。もともと眼は弱いし、頭痛は日常的なものではあるのだけど、この痛みは尋常じゃない。
痛み止めを飲んで、多少痛みはやわらいだものの、今度はすっかり眼が冴えてしまって、眠れなくなる。眠れそうな気配すら感じられない。しょうがないから、すっかり明るくなる朝の八時過ぎまで、ずっとCD聴いてる。
矢野顕子の「 スーパーフォークソング 」というアルバムの「 夏が終わる 」という曲の、
 なぞのような ひとの裏切り
 白いよろい戸が 閉じられる
 あげは くわがた くまんばち
 おけら あしなが きりぎりす
という部分を聴いていて思ったのだけど、最近、くまんばちって、あまり見ないなあ。
まあ、今は冬なんだから当然だけど、最近、というのはここ十年くらい、ということ。ぼくが子供の頃なんかは、かなりポピュラーにそこここにいて、たびたび、ぼくらを恐怖に陥れてたんだけど。すずめばちっていうのは、最近でもいろいろ話題になってたりして、巣なんかもちらほらと見かけたりするのだけど。くまんばち、絶滅の危機か・・・。
八時過ぎに、ようやくうとうとと眠ることが出来て、昼過ぎに目覚めると、すっかり風邪ひいていた。何故、こう、二、三日ゆっくりできる時間が出来た時にかぎって、風邪をひいてしまうのか。って、ただ、単に気が緩むからなんだけど。
ゴホゴホ咳をしたり、鼻水たらしたりしながら、軽く部屋を整理してたら、三年くらい前、制作にすっかり行き詰まって、自分のやりたい事が全くみえなくなってしまっていた時に、毎日林檎のデッサンばかり描いていたスケッチブックがみつかる。この頃は、とにかく何をやったら良いのか分らなくて、何でもいいから手がかりになる対象がほしくて、スーパーの果物・野菜売り場で、一際、面白い形態と良い色をしていた林檎が目について、それを馬鹿みたいに毎日、何枚も何枚も描いていたのだった。
こういうものは恥ずかしいので絶対人には見せないからこそ、こんなことが言えるのだけど、これが凄く良いんだ。ぼくはいつの間にこんなにデッサンが上手になったんだろうか。いやあ、気合いもビシビシ伝わってくるし。凄い、凄い。って、文字通り「 自画自賛 」。
これは、墨汁とジェッソを使って割り箸で描いたのだった。ぼくには、こういう「 描きづらい 」描画材料が必要なんだ、と気づいたのも、この時だったんだなあ、と思い出した。
いやあ、やっぱ、林檎は、近代絵画の基本でしょう。
あ、昨日につづいての、林檎の話だ。
今日は、午後十時からNHKの教育テレビで、カール・ドライヤー(ドライエル)の「 奇跡 」が放送されるから、日記はさっさと片付けて、それを観ることに集中しよう。目を休めとかなきゃ。
追伸。「 奇跡 」を録画するために、テープを買いに外に出たら、昨日までのバカ騒ぎぶりとはうって変わって、やけに静かだった。風邪で耳がツーンとしているせいかもしれないけど、何か変にシーンとしていて、自分の足音がよく響くくらい。こんなに静かな夕方は珍しい。