散歩した

●散歩した。近所にあった銭湯の建物がいつの間にか解体されていて、「富士山の絵」が(斑状に塗料が剥離した状態で)外に露出していた。解体は何故か建物の一部を残したままで(富士山の絵が露出したままで)中断されていて、更地になったところには砂利が敷かれて、黄色と黒の二色で編み込まれたトラ・ロープで地面に仕切り線が引かれ、駐車場のようになっていた。
●電車に乗って、普段降りない駅で降りて、ぶらぶら歩いた。駅前にはでかいマンションが建っている。遠くに見える、巨木が生える緑地の方向を目安に歩く。近くまで行くと、その近所のどの建物よりも高いけやきの巨木が何本も生えているかなり広いその一帯は、公園でも、神社や寺でもなく、個人の所有地みたいで、看板も仕切りもなくて、入っていこうと思えば入っていけるのだけど、奥の方に物置小屋のようなものが見え、車が停まっているのも見えるし、さらに奥には、母屋のような建物もちらっと見えるので、なかに入るのははばかられた。それにしても、街中にいきりあるにしてはあまりにも立派な巨木(これだけでかくなるには一体どのくらいの時間がかかるのだろうか)が道路に沿ったところにも生えていて、それを見上げていたのだが、狭い道路で、自動車や自転車とかも普通に通るので避けたりしなければならず、あんまりぽかんと見上げているわけにもいかないのだった。
●暑いくらいの陽気だけど、風が割と強く吹いていて、木々の葉がうねるようにざわざわ動いて擦れる音がたち、マンションの洗濯物が揺れ、商店街ののぼりがはためいていた。