07/12/01

●『肝心の子供』で文藝賞になった磯崎憲一郎さんの友人たちによる、受賞おめでとう会みたいなのがあって、(ぼくは磯崎さんとはいままで二度ほどお目にかかっただけなのだが)お誘いいただいたので出掛けた。一人一人についてくわしくは分からないけど、年齢も普段やっていることにもかなり幅がありそうな二十人くらいの人(著名人含む)が集まっていて、濃厚な場が形成されていてとても面白かった(というか目眩がした)。でも、せっかく誘って頂いたのに、磯崎さんとはあまりちゃんと話ができなかったのは、場の雰囲気に圧倒されたからというだけでなく、午前中に改めて読み返した『肝心の子供』の凄さに圧倒されていたからで、今回読んだのは四回目なのだけど、最初に読んだ時は、なんとか感想のようなものをひねり出せたのだが、繰り返し読んでゆくにつれて、うーんと唸るばかりで、そう易々と何かを言わせてはくれないような小説なのだった。
●ある人からは『バンジージャンプする』という韓国映画が凄いと言われ(というか、話を聞いてそれはさぞ凄いことだろうと思った)、別の人からは、ゴンブロヴィッチの『コスモス』という小説が凄いから読めといわれ、また、シュヴァンクマイエルを観ろ、とも言われた。こういう風に人から直接すすめられるのは、何かをするいいきっかけになり、刺激になる。(とはいえ、ずっと前から数人に薦められているキム・ギドクは、観てないのに絶対に好きではないだろうという予感による抵抗が強くて、どうしても手が出ないのだけど。)
●帰ったら、夏に書いた長い作家論の掲載の予定が決まったというメールがきていて、ほっとする。