人体クロッキー

●相変わらず人体クロッキー(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/d070518.html)はつづけている。ようやく、少しは線がこなれてきつつあるように思う。幸か不幸か(って、不幸なんだけど)、今のところ次の発表の予定が決まっていないので、今やっていることを、中途半端に「作品化」しようとか、作品と無理矢理に繋げようとかいう下心抜きでやれている。自分がやっていることがどこに向っているのか、どんな作品を目指しているのか分からないまま、まったくの手探りでやっているのだが、でも、一定の手応えを感じてもいる。
去年あたりから、タブローも多少は制作しているものの、実質的には「線」の仕事ばかりやっている。これまでのぼくの作品には、線の要素が全くなかったというわけではないにしろ、積極的に「線」によって作品が動いて行くということはほとんどなくて、そういう意味で去年は、自分の作品として「線」を発見した、ぼくとしてはかなり画期的な年なのだった。線をひくというのは、色彩(絵の具)を使うということよりも、より直接的に身体的な「動き」と関わっているように思う。確か前田英樹マティスのドローイングの線について、「こんなに大きなスイカ(だったかメロンだったか)があってね」と、人に身振り手振りで示す時の「身振り」のようなものだ、と書いていて、その感じが、自分が感じている「線」というものの感じに近い。だからぼくにとって、「線」の発見と、(それまで嫌いだった)ダンスや演劇という直接人間の身体を使ってなされる表現への興味は、繋がっているのだと思う。