●昼間から夜中、朝方までかかって、本のための初稿ゲラの直しを終える。ほとんど手を入れなかった原稿と、かなりしつこく手を入れた原稿とが、はっきり別れた。とはいえ、自分で自分が書いたものを読んでいて退屈することがあまりなかったので(というか、退屈だと感じたところはばっさり削ったので)、まあ、面白い本になるのではないかと思う。
明日じゅうに、書評の原稿とあとがきを書いて、それでもう、頭を完全に「書くモード」から「読むモード」に切り替えたい(書くのは楽しいけど、読むのはきつい)。
●ゲラの直しをやっていて行き詰まると、展覧会の案内状の宛名書きを少しする。案内状発送リストみたいなのをちゃんと整理してつくっているわけではなく、人からもらった名刺やハガキ、住所を書いたメモの切れ端、そして展覧会の時に書いてもらった芳名帳などが、かまわず一つの袋のなかに無秩序に放り込まれていて、その中味をどさっとひろげて、その山を崩すようにして端から記入してゆくことになる。忙しくて纏めて書くことが出来ないから、案内状は、少しずつまばらに発送されることになる。
トビー・フーパー『災厄の街』をDVDで。カットの繋ぎ方とか、構図とか、けっこう変で、凝っていて、ちょっとアートっぽい感じ。『スポンティニアス・コンパッション』に、似た感じの感触。フーパーの作家としての資質は、奇跡的な傑作であるデビュー作『悪魔のいけにえ』よりも、むしろこっちにあるのだなあと思った。