08/06/07(土)
●お知らせ。「群像」7月号(http://shop.kodansha.jp/bc/books/bungei/gunzo/)のReview Artというコーナーに、「重力と恩寵/横尾忠則マティス」という文章を書いています。なお三ヶ月つづいたReview Artの担当は今月で終わります。
●本の、再校ゲラのチェック、約330ページ分を、今日一日でダーッとやる。本当はもっとじっくりとやりたいのだが、他にもやるべきことが多々あって、なかなかそうはいかない。
本を出すということは、自分で書いた文章を何度も繰り返し読み直すということなのだなあ、と思った。ぼくは昔から、テストの「見直し」というのがどうしても出来ない子供だった。一度解いてしまった問題を辿り直すということが、面倒で仕方ないのだ。テストの時は、出来るだけはやくダーッと問題を解いてしまい、余った時間はずっと、問題用紙の裏に落書きをしていた。そんなだから、ケアレスミスが多く、多分、満点をとったことは一度もない(まあそれは、まったく勉強をしない子供だったせいもあるけど)。
だから、自分の書いたものを何度も読み返すのは、とてもうんざりする仕事だ。とはいえ、今回、自分の書いたものを読み返していて、読むのが面倒だとは思っても、読むことに飽きたり、退屈したりすることはなかった。(読んでいて退屈だと思ったところは、初校ゲラでかなり削った。)だからおそらく、この本は、少なくとも読んで退屈はしない程度に面白いものにはなっているはず。(そのかわり、ケアレスミス的なものはけっこうあるかもしれないのだが....。)
明日、ゲラを送り返せば、その後はもう編集者と印刷所の仕事になり、ぼくは見本が刷り上がって来るのを待つだけとなる。
●今、手近にある本で、330ページ前後くらいの本を探してみると、『戦争が終わり、世界の終わりが始まった』(フィリップ・K・ディック)、『存在論的、郵便的』(東浩紀)、青土社の本では、『全体主義/観念の(誤)使用について』(スラヴォイ・ジジェク)がみつかった。だいたいこのくらいの厚さの本になるのか、と。分厚いという程ではないけど。けっこうボリューム感がある。