●日が短い。遅く起きて、しばらくぼーっとしていて、だらだらと支度して出かけると午後三時をまわっていて、すると外はもうかなり日が傾いていて、光がすっかり夕方で、感覚的にまだ夏が抜け切っていないぼくは、えーっ、もう夕方なのか、と思ってしまう。
菅野美穂がインドへ行ってヨガをする、というDVDをぼんやりと観ていたら、公園のような場所で、輪になって、一斉に声をあげて笑っているおっさんたち(全員が男性だった)の集団が出て来て、そのおっさんたちの笑いを観て、それが移ったかのように、ぼくも大笑いしてしまった。大笑いして、何かすごく感動してしまった。
もし日本でそんな集団を見たら、絶対ヤバいからまず近寄らないようにしようと思うはずなのだが、そのインドのおっさんたちの笑いには、あやしいとかヤバいとかいう警戒心をこちらに起こさせないような開放的ななにかがあり、すっごいベタでバカみたいで、下手すると自己啓発系みたいになってしまうけど、「ただ笑う」ってすげえなあと思った。面白いから笑うとか、笑うことによって良い運気が得られますとか、笑うことは全ての基本ですみたいな信仰とか、そういうのとまったく関係なく、ただ「笑う」という感じ。笑いたいから面白いことをしてくれとかではなく、笑ってしまえば何でも面白い、みたいな。今、その場面を思い出すだけでも笑えて来る。
まあそれは、感情や内面を表情から読み取るときのコードが、日本で作動しているものとインドで作動しているものが違うから、インドの人の顔から内面的なものや社会的な関係性を読み取れないせいで「危うい」部分が見えないだけかもしれないけど。しかしそうだとしても、それは素晴らしい笑いで、「肯定する」ってこういうことなんだと思った。