●先週末からずっと立て込んでいて、それがちょっと一息ついてホッとしたら、映画が観たいなあという気持ちになったのだけど、もう夜も遅くて、これから出かけても地元のシネコンの上映には間に合わない時間だったので、近所のツタヤに行って『よく知りもしないくせに』(ホン・サンス)のDVDを借りてきて、深夜に観ていたらやたらと心に沁みるという感じになって、これはもう細部の一つ一つのすべてがすばらしいのではないかと感激して、ホン・サンスの作品は唯一無二のものだと思い、それに比べて自分のやっていることは何かが決定的にズレているのではないかという気持ちになり、しかし、このようなほくの思いや迷いも既にこの映画の一部に含まれているんだよなあと思い、今、自分が感じているのと同じような感覚を持った人が今までにも無数にいて、今もいて、これからもいるのだろうと思い、そして、こんな感じの夜が一生のうちに何回訪れるのだろうかと思った。