●U-NEXTに、観たいと思う映画が次々と追加されるのだけど、マイリストが増えるばかりで、それを観ている余裕がない。
●U-NEXTで『さらざんまい』、第五話。大きな展開があった回と言える。しかし、一話から四話までで既に与えられている様々なモチーフを検討すれば、この展開はある程度は予測可能であり、いわば想定内の展開であると言える。
(一稀が、偽装と役割の転換、取り替え、という役割をもつ人物であること、弟の春河との関係にならかしらの「しこり」があることが、より明確に、より詳細に示されたと言える。)
おそらく、この回は「展開」の開始を告げる(モチーフの提示部分から展開部分へと物語が移行したこと告げる)もので、さらに予想を超える展開がこの後につづくものと考えられる。五話の展開はこれまでの提示部分を受けての展開であり、提示部分から展開部分へのブリッジとなるような役割をもち、故に四話から五話への展開はある程度「読める」ものだったが、五話から次の六話への展開は、現時点では「読めない」。それは、一話から五話までで与えられているものとは別の「新たな要素(飛躍)」が、次の六話では与えられるのではないか、ということだ。
つまり、次の一手をどの方向に進めるのかということによって、この作品が進もうとしている方向性(あるいは、この作品に秘められた潜在的なもの)が、かなり明らかになるのではないか。
(現時点で、主人公の三人のうちで最もその性質や属性が明確になっていないのが燕太であり、つながりを媒介する役割をもつと思われる彼が、今後どのような活躍をみせるのかは興味深い。)
(この回で生じた大きな謎として、春河がなぜ、一稀の「本当の母親」と同じ匂いをもつ匂い袋を持っていたのか、ということがある。「春河の内面」に関しては、ここまでまったく触れられていないのだが、春河の内面なり行動なりが、今後の展開に大きな影響を与えることはあるのかもしれない。)
●第五話で新たに明らかになったこと。
一つは、今まで明らかではなかった吾妻サラというキャラクターの存在の位相がある程度確定されたこと。彼女は、バーチャルな存在ではなく、この物語世界に実在し、その様式はケッピと同様の怪異的なものであるようだ、ということ。
(吾妻サラは、朝の情報番組の「ラッキー自撮り占い」において、その夜に出現するカパゾンビの「欲望の対象」を予言する。ここでは、ゾンビをゾンビ化する呪いの対象が「ラッキーアイテム」として反転的に示されるのだが、見かけ=形態的にはあきらかにカッパの側にいる彼女が、なぜカワウソ側のゾンビ化の企てを予言できるのか。また、カッパ対カワウソの対立において、彼女はどのような立ち位置にいるのだろうか。)
もう一つは、今までほとんど一心同体で、一つの存在の二つの側面であるかのようにみえていた玲央と真武との間に亀裂がみえたということ。つまり、二人で一つという存在ではなく、それぞれに個別の背景をもつ、別の存在であるらしいことが示された。