2002-02-01から1ヶ月間の記事一覧

02/02/28

●時間がないので、ちょっとだけ。アテネ・フランセ文化センターで、黒沢清『2001映画と旅』(15分)、阪本順治『新世界』(18分)、青山真治『すでに年老いた彼女のすべてについては語らぬために』(51分、全てビデオ)の3本立て。どれも、とても面白い。『花子さ…

02/02/27

●「よりぬき偽日記」に『got to give it up(映画・読書・その他、17)』を追加しました。●夕方、アトリエへ行く途中に駅前にある小さなCD屋に『Eclectic』を買うために寄った。このCD屋の前は毎日のように通るのだけど、ここで買い物をすることはほとんど…

02/02/26

●「疲労感」と言うか「いっぱいいっぱい感」とでも言うのか、そういう感じは、徐々に蓄積されてくると言うよりも、ある日、ああ来たかなあと思った時には既に身体じゅうを満たしていて、もう溢れてしまいそうにまでなっている。確かにここんとこ立て込んでバ…

02/02/25

●『重力』を購入する。まだ討議とインタビューしか読んでいなくて、作品=内容にまで踏み込んではいないのだが、この試みが興味深いのは、「お金と流通過程」という部分についての実験=実践、つまり市川真人氏の言う「文芸作品の可能な流通のあり様について」…

02/02/24

●大勢の人々が集まっていて、華やいだざわめきがあちこちからたっている巨大な室内プール。水深がとても深いのだが水の透明度が高いので、底の方まで明るく光が満ちている。プールに飛び込み、人混みから逃れるように深くまで沈んで水底のあたりを息がつづく…

02/02/23

●人は「顔」を見ない。ただ認識し判断するだけだ。この顔は母親であるのかライバルであるのか。私に利益をもたらすのか危害を加えようとしているのか。笑っているのか怒っているのか。美しいのか醜いのか。好みなのか嫌いなのか。異性であるのか同性なのか。…

02/02/22

●夜中から既に多量の花粉が飛んでいる。午前3時頃に目が覚めた時から、目がしばしばするし鼻がむずむずしてハナミズが垂れる。朝方、電車に乗っても、多くの人が、目をパチクリさせ、鼻をズーズ-すすったり、ティッシュを取り出してモゾモゾしたりしていた…

02/02/21

●夜遅く、NHKで新日曜美術館の再放送でバルテュスをやっていた。バルテュスと言うと必ず少女とかエロスとか言うことになっているのだけど、ぼくがまず思うのはクールベとの関係で、少なくとも初期のバルテュスの創造性の多くの部分は、1930年代において、…

02/02/20

●絵を描くということ、制作するということを、何か特別なことのように神秘めかして言うのは好きではないのだけど(たとえ神秘めかしたとしても、人がそれを納得してくれるようなエラい作家でもないし)、それでも絵を描くには多分スポーツをする時に近いような…

02/02/19

●ここ何年かつくっていた作品とは、ちょっと違った制作システムの作品をつくりはじめる。とりあえず100?×80?くらいのサイズの連作として。いきなり違うことを始めたという訳ではなくて、かなり前からドローイングで試したり、去年の終りくらいからはタブロー…

02/02/18

●実は今日はこっそりと、シネセゾン澁谷へ、イオセリアーニの『素敵な歌と舟は行く』を見直しに行ってきました。いろいろと反省しました。冒頭のシーンの終りで、積み木をしていた女の子が何かリモコンのようなものを手にしていて、そこでショットが途切れ、…

02/02/17

●モーニング娘。の新曲というのをテレビで観た。以前この日記でも『恋愛レボリューション21』について触れたことがあったけど、その時の過激さと言うか、刺激的な感じはもうなくなっている。モーニング娘。は、多分爛熟期のような段階へ入っていて、特にファ…

02/02/16

●神代辰巳の『黒薔薇昇天』『美加マドカ・指を濡らす女』『宵待草』をビデオで観る。神代の映画は、一本一本の作品としての独立性と言うか固有性のようなものが弱いように思う。一本の映画の「作品」としての凝縮力というものが希薄で、良く言えば開かれてい…

02/02/15

●アトリエへ行く途中にある、小学校のフェンスに沿って生えている、骨のようなゴツゴツした形の冬枯れしたイチョウの木の乾燥した樹皮に、一本一本手で触れながら歩いてゆく。●実は昨日、『ABCアフリカ』を観た後、シネセゾン澁谷のレイトショーで、イオ…

02/02/14

●澁谷のユーロスペースでキアロスタミの『ABCアフリカ』。ピーッという電子音とともに映画の撮影を依頼するファックスが映しだされ、この映画が撮られた経緯が簡潔に示された後、画面は、ゴダールの『右側に気をつけろ』や『ヌーヴェル・ヴァーグ』も真っ…

02/02/13

●空一面が薄くて白い雲で覆われていて、その雲のなかを通過してくる日の光がそのなかで乱反射して拡がり、空全体が白く輝いているように見える。図と地が逆転して、空とは白く輝く拡がりであって、わずかに覗いている青い部分は、青い雲がかかっているのだ、…

02/02/12

●午前中に歯医者の予約を入れていたので、起きがけで、朝っぱらがら、歯茎に針を挿入されたり、ガリガリと葉を削られたりする。雑居ビルの3階にある歯医者のガラス戸から、晴れ渡って真っ青な空が見える。向いのビルの屋上に、真っ黒な点のように1羽のカラス…

02/02/11

●飲み物を買いに、夜中コンビニまで歩いて行く。途中で見上げた、空の黒があまりにも黒々と濃い。空が澄んでいて、地上からの光を反射するものがないからだろうけど。正確には黒と言うより、限りなく黒に近い濃紺と言うべきか。空がこんなに黒いことがあるな…

02/02/10

●昼前から雪がチラチラしはじめ、一時は積もるのではないかという勢いで降っていた。空はぼんやりと白くて明るい、いかにも雪雲という感じの雲に厚く塞がれていた。しかし、昼頃に軽い仮眠をとって目覚めると、いつの間にかやんでいて、依然として曇ってはい…

02/02/09

●『nobody』2号を新宿ルミネ2の青山ブックセンターで。まだパラパラと目を通しただけだけど、面白かったのは松井宏という人が書いているデプレシャンの『そして僕は恋をする』に関する文章で、たしかにあの映画はまるで「池袋駅」みたいな映画なのだった。《…

02/02/08

●「新潮」3月号の、多和田葉子『球形時間』を読む。多和田葉子の小説がこんなにスラスラと読めてしまうっていうのはどういうことだ、という戸惑いとともに読み進んだ。そしてこんなに分り易くていいのだろうか、という思いも。「高校生のためのやさしい現代…

02/02/07

●神代辰巳の『恋人たちは濡れた』『四畳半麸の裏張り』『青春の蹉跌』をビデオで観る。たしか『黒薔薇昇天』もどこかにあったと思ったのだが見つからない。神代の映画の面白いところは、内容が無いというところにある。と言うか、表現が内容と無関係なところ…

02/02/06

●歯が痛い、のではなくて、歯を抜いたところが痛い。しかし、まるで歯が痛いように痛いのだ。歯を抜いた時に傷ついた歯茎の痛み、つまり肉の痛みではなくて、神経が露出してしまった歯が痛むように、神経に直接何かがふれるようなモロな、しかしじくじくと場…

02/02/05

●批評空間HPのWeb CRITIQUE(http://www.criticalspace.org/special/index.html)に、『現在にまみれて身動きが出来ない(アモス・ギタイ『キプールの記憶』)』がアップされました。●2/3の日記に書いた「B足らん」について、あれは谷崎の『細雪』からきてい…

02/02/04

●神代辰巳の『赫い髪の女』をビデオで。映画が始まってすぐの、工事現場での特異な縦の構図の切り返しと、石橋蓮司と阿藤海が女の子(亜湖)を「まわし」にかけるシーンとが交錯する場面で、もうこの映画が凄い作品であることが理解できるだろう。この素晴らし…

02/02/03

●金井美恵子の『噂の娘』に「B足らん」という言葉が出てきて、これはつまり「ビタミンB不足」という意味で、恐らくこの小説の舞台である1950年代中ごろに使われていた独特の言い回しで、金井氏の頭に残っていたものなのだろう。こういう「B足らん」なんて…

02/02/02

●銀座、ギャラリー現で井上実・展。井上くんの作品はここ2、3年くらい観ているけど、今回展示されている作品はひとつ突き抜けたという感じで、良かった。軽味が出て、空間性が増した。井上くんは基本的に植物をモチーフにしていて、小さなカンバスに余白を多…

02/02/01

●ベルトルッチの『魅せられて』をビデオで観る。前にも書いたと思うけど、ぼくはこの映画がとても好きなのだった。これはベルトリッチの衰弱を象徴するような映画だとか、年甲斐もなく不自然な若づくりをしているとか、弛緩したエロジジイのつくったような映…