2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

●引用。メモ。「Quid? ソレハ何カ 私ハ何カ」(樫村晴香)より。何度読んでも凄い。重要なのは、こういうことだけだ。 《楳図かずおの異様に美しい女性たちは、力強く、能動的で、敵意に満ち、欲望のヒステリー的断念の帰結として、世界の外に立つ視線をもつ。…

●お知らせ。エスクァイアマガジンジャパンから出ている『フランシス・F・コッポラ(Francis Ford Coppola & His World)』という本に、『タッカー』(1988年)についての、原稿用紙10枚くらいのレビュー(「テカテカの車体とペラペラの笑顔が映し出す死の気配」)…

●市役所に行くには川沿いの道を通る。昨日の雨で、川は、茶色い濁流が遊歩道に届きそうなくらいに水かさが増してしていて、そのせいなのか、あたりには異常なくらいの草いきれというか、青くさい匂いが漂っていた。この辺りに住み始めて二十年になるけど、こ…

●新宿のジュンク堂で、保坂和志さんと対談。こういう公開の対談の時はいつもそうなのだが、相手の話したことはかなり憶えているのに、自分が何を喋ったかはほとんど憶えていない。客席がとても近かったので、お客さんの方をあまり見ることが出来ず、自分の足…

●編集者から連絡があり、締め切りよりかなり早めに送った作家論の原稿(依頼の枚数は20枚、実際には23枚くらいになった)が、面白いのであと13枚分書き足して良いということになった。発表のあてのないロングバージョンを別に書こうと思っていたので、これはと…

●雨上がりの早朝に散歩した。しっとりとした空気。水をたっぷり含んだ濃い緑。誰もいない湿った野球グランド。何も置いてない、無人野菜販売所。畑に枯れたトマト。熟し過ぎて真っ赤な実がついたままで放置されていた。住宅街のなかの空き地に黒くてうつくし…

●夜中に、どうしてもビールが飲みたくなり(この時点でワインを一本空けている)、近くのコンビニへ行くために部屋を出る。一番近いコンビにまで、12、3分は歩く。出る時には朝からの雨は上がっていたので、傘は持たずに。虫の声しか聞こえない、全く人通りの…

●外に出ようという気持ちを塞がれるような雨がずっと降っている。早起きして、午前中はずっと部屋で原稿を書いていた。午後はネットカフェへ。夜は部屋で本を読む。ネットカフェにいる時、親からメールがあって、何だろうと思ったら、「新聞に載ってるぞ」と…

●作家論、さあ、これから佳境に入るといったところで、仕切り直しの意味もあって、一休み。久しぶりに、まったく関係のない本を読んだり、新宿のジュンク堂へフェアの棚を覗きに行ったりした。 作家論とか、作品論とかを書く時、だいたい一ヶ月から二ヶ月く…

●昨日は朝方まで原稿を書いていたので、起きたのは昼過ぎだった。後頭部のあたりに、軽い頭痛が残っている。目が覚めて、あまりに涼しいので驚いた。昨晩というか、朝方もかなり涼しかったが、昼を過ぎているのに朝方とあまりかわらない感じだった。今日は涼…

●まだ、こちらに「戻って」これていないような、ふわふわした不安定感がつづいている。出発した地点と、帰って来た地点がズレてしまっていて、似たような別の場所に迷い込んでしまった感じだ。これは、不安定で、ちょっと辛い感じではあるが、嫌な感じではな…

●短い睡眠時間だった割にはすっきりと目覚めたのだが、目覚める直前まで見ていた夢は、目覚めたとたんに忘れてしまっていた。つい直前まで見ていた夢の濃さやなまなましさの感触はしっかり残っているものの、具体的にどんな夢だったのか(楽しいのもだったの…

●帰って来ました。正確には、20日の午前二時近くにだけど、19日としておく。 新大阪から名古屋まで、新幹線の自由席でぼくの隣りに座っていた若い男の二人組は、産婦人科医なのか、それとも医学生なのか、「卵巣」「卵管」「子宮」「腫瘍」「精子」「外性器…

●明日の朝早く大分へと出発し、19日か20日くらいに戻って来る予定です。行きも帰りも途中で一泊するという感じで、のんびりと行って帰って来るつもりです。帰って来るまで、この日記の更新はお休みします。メール等も見ることが出来ません。急用の方は、携帯…

●ぼくは普段、大概ぼーっとしているのだが、何かを思いつくのは、ぼーっとしている時だ。ということはつまり、ぼーっとしているということは、最も縛りの緩い、最も複雑で自由な形で考えているということなのだと思う。「これ」について考えようという風に、…

●「正しさ」を前提としないで、どのように判断を組み立てることが出来るか。おそらく、作品をつくる時にも、批評をする時にも、というか、生きているあらゆる場面で、このことが常に繰り返し問題となる。「正しさ」を根拠としてしまった時点で、あらゆるもの…

●お知らせ。明日から大分市アートプラザではじまる、アートプラザ10周年記念展「零のゼロ2008」(http://www.art-plaza.jp/data/art_kikaku_pre.html#8-12)に出品します。17日の13時からのアーティスト・トークにはぼくも参加する予定です。よろしくお願いし…

●『しんせかい』(FICTION)について、もうちょっと。この作品はぼくにとって、すごく面白いという側面と、受け入れ難いという側面の、肯定的な意味と否定的な意味の両面で、どちらにしろ強烈で、どちらか一方にジャッジして済ませるわけにはいかない困った作…

●新宿シアタートップスで『しんせかい』(FICTION)。何と言ったらよいのか...。一つの作品を観て、前半と後半とで、観ているこちらの感情として、こんなにも大きな落差を経験したのはほとんどはじめてではないかと思う。前半は衝撃的なまでに面白くて、新たな…

●四時頃に目が覚めて、昨晩飲んだせいかひどく喉がかわいていて、でも、冷蔵庫のなかの二リットル入りのスポーツドリンクのペットボトルは残り僅かで、それを飲干してもまだ全然足らない感じで、それでも、生温い水道水を飲む気にはならなくて、近くの自販機…

●お知らせ。今日発売の「新潮」9月号に、ぼくの書いた「誰かについて考えている誰か、のことを誰かが考えている--岡田利規論」が載っています。なお、同じ号には、青木淳悟の待望の新作「このあいだ東京でね」と、福永信による、ぼくの本の書評「脳へと滲み…

●『シックスセンス』(M・ナイト・シャマラン)をひさしぶりにDVDで観直した。印象としては、(1)ワンカットがけっこう長い、(2)構図にけっこう凝っている、(3)動きが極端に少ない、という感じで、つまり全体を通して「画面」においては「何も起こらない」映画…

●風の通らないアトリエで汗だくになりながら、展覧会のために大分に送る作品を梱包していたのだが、雷が鳴り出したと思ったら強い雨になって、作品がびしょ濡れになってしまうので、今日は送れなかった。 「零のゼロ2008」展では、未発表の新作三点と、「組…

●六十年代の磯崎新の代表作の一つであるらしい大分アートプラザ(http://www.art-plaza.jp/data/access.html)というところで行われる「零のゼロ2008」というグループ展に参加します。会期は、8月12日(火)から8月17日(日)まで。最初は、期間中はずっと滞在しよ…

●『妄想少女オタク系』(堀禎一)をDVDで。すごく良かった。堀禎一は前に『草叢KUSAMURA』という映画を観たことがあるのだが、この映画は前半はとても面白かった(特に冒頭の、速水今日子と吉岡睦夫の、ラブホテルでの、まったくエロくなくて、ひたすら楽しそう…

●用事があって外に出たついでに、午前中の、日ががんがん照っている川原を一時間くらい歩く。さすがに人はあまりいない。光は強いし、頭はくらくらするしで、木々の緑が異様に輝いて見えた。濃い緑と、赤い花、白い花。どうみても鍛えているアスリートとは思…

●渋谷東急で、『天が許し給う全て』(ダクラス・サーク)、銀座のなびす画廊(http://www.nabis-g.com/)で、利部志穂・展。 ●利部志穂の作品はメチャクチャ面白い。美術作品がこんなに「面白く」あり得るのだということに、とてもうれしくなる。そして、面白い…