2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

●グレッグ・イーガンの「ワンの絨毯」という短編を読んだのだけどこれがすごく面白かった。ただ、ぼくにとってこの小説は思考実験的なSFというより、あくまでリアリズムの話として面白かった。物理的にはともかく、すくなくとも心理的には、われわれは既に…

●昨日の夜、もう何度目か忘れたくらい繰り返し観た『シュタインズゲート』の何周目かを最後まで観終って、今日は上野の美術館に行ったので、ここまで来たら秋葉原を歩くしかないと思って、美術館は早々に切り上げる感じで、御徒町を通り抜けて秋葉原をぶらぶ…

●書いている小説の一部。 ≪壁の獣は目を閉じ、雨の音を聞きながらゆっくりと大きな呼吸を繰り返す。わたしと彼が去って真っ暗になった部屋のなかで、その呼吸にあわせて壁がゆっくりと膨らみ、ゆっくりと凹む。獣は、草原を移動する何万頭もの群れのうちの一…

●お知らせ。『吉本隆明論集 初期・中期・後期を論じて』(金子遊・編)という本に「「関係の絶対性」と「不可避の一本道」をめぐって/倫理と知と自然」というテキストが収録されています。以前、「やま かわ うみ」に掲載されたものです。この本は執筆陣の組…

●「ポニョ」をDVDで観た。2008年に歌舞伎町のスカラ座で観て以来。よっぽど覚悟を決めないと再見できない作品なので。 開いた口がふさがらないというか、本当の意味で頭のおかしくなった人にしかつくれない作品だと思った。観ながら思い出していたの…

●引用、メモ。対称性の破れについて。『非線形科学』(蔵本由紀)より。 ≪システムが元来備えている対称性を破るような状態が出現するという現象は、ミクロ、マクロを問わず普遍的に現われ、私たちの自然観にも深い影響を与えています。対称性が破れるもっと…

●引用、メモ。『対称性の破れが世界を創る』(I.スチュアート M.ゴルビツキ―)より。パターン形成は、対称性の破れ(対称性の低下)であること。 ≪このようなパターン(自然界の数学的パターン)はどのように生起してくるのだろうか。ここで、対称性の破…

●原美術館でソフィ・カル展、池袋西武でウテナ原画展、アトリエ春風舎で映画美学校アクターズコース第二期初等科修了公演『革命日記』(作・平田オリザ、演出・松井周)。 ●ウテナ原画展は、その後観る予定の『革命日記』の開始時間との関係で三十分くらいし…

●『虚構推理 鋼人七瀬』(城平京)を読んだ。一作しか読んでないで決めつけるのもなんなんだけど、昨日読んだ法条遥という人は、作家としてのモチーフというか感触というかトーンというかひっかかりのようなものがまずあって、それが元になり核になって、作…

●本屋でなんとなく気になって買ってあった角川ホラー文庫から出ている『バイロケーション』(法条遥)という小説を読んだ。かなり面白かった。作中で黒沢清の『ドッペルゲンガー』への言及があったりするのだけど、そういう感じのJホラーに近い雰囲気であり…

●『たまこまーけっと』十一話。 たまこの「天然」さとはつまり、自身のテリトリーとアイデンティティとを絶対的に防衛しようとする働きからきている。この、揺らぐことのない「たまこナショナリズム」は、例えばもち蔵やみどりのたまこへの感情を「なかった…

●「トゥンブクトゥ」(山下澄人)をもう一度じっくり読み返す。散歩をする。小説のつづきを書く。短い原稿を書く。『シュタインズ・ゲート』をまたはじめから観始める。五回目くらいか。

●目が覚めたら掛布団を全部撥ね退けていた。目が覚めても眠ったままのような陽気。 ●昨日、なびす画廊でお会いした高木秀典さんから、「古谷さんの顔が誰かに似てるとずっと思っていたんですけど、誰だか分かりました、娘です」と言われた。高木さんの娘さん…

●なびす画廊で「世界の重さ、最初の手」(上田尚嗣・境澤邦泰)。これはすごく面白い展示なのだけど、それは「上田尚嗣の作品」が面白いとか「境澤邦泰の作品」が面白いという感じとちょっと違う(個々の作品は面白くない、と言っているのではない)。この二…

●結局最初から全部書き直すことになった小説のつづきを書いているのだけど、『ギッちょん』(山下澄人)を読んだら(まだ表題作しか読んでないけど)、その「動き」の自在さにあーっと思って、つづきがぱったり書けなくなってしまった。このまま放置しておく…

●『ひとのことばの起源と進化』(池内正幸)を読んだ。言語について人間の進化の過程をみることによって明らかにしようという進化言語学の本。この本のことは以下のブログ(東京永久観光)で知り、興味をもった。 http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20130303/p1 ●…

●『たまこまーけっと』10話。これは素晴らしかった。先週も良かったけど今週はさらにすごい。2話に匹敵するクオリティの高さ。9話について(というか、『たまこまーけっと』という作品について)、すごく良いのだけどすごく面白いとは言えないみたいなこ…

●『マジでオタクなイングリッシュ!りぼんちゃん 英語で戦う魔法少女』というアニメを12話通してネットで観てしまった。一話五分のショートアニメだからそんなに時間は取られないが。オタク的な慣用表現やネットスラングなどを英語に翻訳するとどうなるの…

●書きかけの小説の出だしの五枚分くらいを全面的に書き直した。基本的に、はじめから順番に書いてゆく小説なので、出だしを書き直すということは、自動的にそれ以降もすべて書き直すということになる。

●『現実批判の人類学』所収の「所有の近代性」(松村圭一郎)を読んでいると、ストラザーンを読まなくては、という気持ちになるのだけど、翻訳はされていないのだった。 近代における「所有」の特殊性を指摘することで、それによって近代批判、あるいは国家…

●国立新美術館でやっているアーティストファイルの利部志穂の作品がすごい。利部さんの個展をはじめて観た時の衝撃を改めて思い出す。この作品を観た感覚をなるべく保存しておきたくて、他の作品はあまり目に入らないようにして通り過ぎてしまった。利部さん…

●『アムネジア』(稲生平太郎)を本棚の奥から引っ張りだして(とはいえ、意外にあっさり見つかった)読み返してみたのだけど、ぼくの記憶に残っているのとは全然違う話で驚いた。知らない間に本の中味が書き換えられていたかのように。もちろん、実際はぼくの記…

●昨日、トークの前の打ち合わせの時、高橋洋さんから「いのおへいたろうって知ってますか」と言われ、その音だけではピンとこなかったのだが、「『アムネジア』という小説を書いている人で…」というところで、あっ、その小説は読んだことがる、と思い当たっ…

●渋谷のアップリンク・ルームで「コラボ・モンスターの魔!!」。高橋洋さん、古澤健さんとのトークに参加した。 喋るのは難しいなあと思った。「宇宙人好き系」についてはそれなりに話せたと思うのだけど、『旧支配者のキャロル』という作品について、具体…

●目のかゆみと鼻のむずむずで目が覚めた。鼻の奥だけでなく喉の粘膜までひりひりする。目が覚めたと同時に花粉全開という感じ。 ●『恐怖』(高橋洋)、劇場版『呪怨2』(清水崇)、『リング』(中田秀夫)をDVDで。『リング』の怖さの源は、海にこそある…

●『メン・イン・ブラック』(バリー・ソネンフェルド)、『蛇の道』、『カリスマ』(黒沢清)をDVDで観た。実は『MIB』をはじめて観た。すごくおもしろかったけど、このようなネタを、一般的な娯楽作品にしてしまうのはもったいない、もっと徹底してマニアッ…

●二月に撮った写真。その一。

●コッポラの『ヴァージニア』をDVDで。最初の方はすごく良くて、コッポラのなかでは一番好きかも、くらいの勢いで前のめりに観ていたのだけど、途中から、えっ、そっちの方にいっちゃうのか、と思う場面が増え始めて、観終わってみると、うーん、という感…

●鎌倉で、山下澄人さんの野間文芸新人賞お祝い&遅い新年会。すごく大勢の人。昼間から呑む感じ。都心から離れて住んでいると呑んだ帰りがいつも遠いのだけど、鎌倉は最寄りの駅からわりと近いので、普段は最寄駅から家までバスに乗るのだけど、このまますん…

●西荻窪のbeco cafeで磯崎さんとトーク。久しぶりに中央線に乗ったので、土日は中央線が西荻にはとまらないことを忘れていた。磯崎さんは、てっぺんがとんがっている不思議な形の帽子をかぶっていた。「娘に小人みたいだねって言われた」と。 ぼくにとって言…