2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

●『アッチェレランド』(チャールズ・ストロス)を読むのにずいぶん時間がかかってしまった。二段組みで500ページくらいの小説なのだけど、どのページを開いても、見開き2ページのなかに驚くようなアイデアが三つも四つもでてくるような濃厚さで、それを頭のな…

●『げんしけん二代目』が終わってしまった。ここ三か月の間、この作品が観られて幸せでした。 最終話は、登場人物のすべてに向けた配慮かきちんとなされていてよかった(大野さんがちょっと弱い気もするけど、前回が半分は大野さんの回だったからまあいいか)…

●『ガッチャマンクラウズ』、最終回。この作品に関しては山のようにつっこみどころがある(ほんとにいくらでもある)とは思うのだけど、しかしそうだとしても、それはそれとして、とても野心的で刺激的で新鮮な、面白い作品だったと思う。宮崎駿が言う「悪人を…

●両国のART TRACEで、シンポジウム「今、ここにある美術批評(誌)」。以下は、ぼくの感想というか、聞いていて勝手に考えたことであって、シンポジウムの内容の正確なレポートのようなものでは全くないです。 「批評」という言葉を使うことのめんどくささとい…

●展覧会を観てまわった。正直、ほとんど期待していなかったのだけど、パナソニック汐留ミュージアムの「モローとルオー」が予想外に良かった。 http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/13/130907/ ルオーは日本でも人気があるし(今、千葉市美術館でも…

●『アッチェレランド』(チャールズ・ストロス)の二部まで読んだ。これはすごく面白い。 この小説のおもしろさは、物語としてのおもしろさでも、表現や形式としてのおもしろさでもなく、世界観としてのおもしろさだと思う(物語として読むとすると、男女関係や…

●ずいぶんと久しぶりに『七人の侍』(黒澤明)をDVDで観たのだけど、思いの外ロシア映画っぽくて、黒澤明はやはりロシア好きなのだなあと思った。クローズアップの撮り方とかモンタージュとかがすごくロシア映画的。アメリカ映画とはあきらかに別の方向を向い…

●科学啓蒙書の翻訳家として有名な青木薫の書いた人間原理についての新書(「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」)を読んだ。この本で特に何か新鮮な刺激が得られたということはないのだけど、さすがに上手くまとめられていて、おかげで今までいろいろな啓蒙書で…

●まだ完結したわけではないのに、そろそろなんとなく回顧モードになってしまうのだけど、今期のアニメは面白いものが多かった。ぼくには『げんしけん二代目』と『ガッチャマンクラウズ』がとびぬけて面白かったように思われるけど(「クラウズ」はいろいろア…

●『大栗先生の超弦理論入門』(大栗博司)という本に、≪先日も、トヨタ自動車の役員会で「重力とは何か」についてお話したときに、「素粒子の研究者が『わかった』というときは、どういう意味で言っているのでしょうか」と聞かれました≫と書かれていた。 例え…

●両国のART TRACEで行われた、座談会「ブラック・マウンテン・カレッジ再考」を聞きにいく。ブラック・マウンテン・カレッジは、いわゆる「アメリカ的なもの」のもつ可能性の象徴のようなイメージとして憧れの感情をずっと持ってきたのだけど、それはある種…

●短いものだけど、数日かけて書いていた書評の原稿が書けて、編集者に送信したら、ホッとして、一日ぼんやりしてしまった。 ●ベイズ統計とか圏論とかの初歩的な教科書みたいな本をぼちぼちと読んでいるのだけど、我ながら「一体何を目指しているんだ、自分」…

●明日は十五夜なのだという(下の写真の、向かって左側にすごく小っちゃく月が写っている)。 ●『オレンジ党 最後の歌』(天沢退二郎)を読んだ。オレンジ党シリーズの三十年ぶりと言ってもいい新作が一昨年の暮れに出ていたことはまったく知らなくて、アマゾン…

●秋晴れ。

●午後の空。

●『げんしけん二代目』十一話。今回は(腐女子ネタ抜きの)普通にいい話だったけど、この展開にはちょっと不満がある。 「げんしけん」の最大の弱点は春日部さんだと思っていて、つまり春日部さんを過剰に立派な人にしすぎている(そして、物語がその立派さに頼…

●『ジャンゴ 繋がれざる者』をDVDで観た。うーん。なんで多くの人がこの作品を痛快な娯楽として受け入れられるのかがぼくにはよく分からない。観ていてひたすら気が重くなる。アメリカの保守派のおっさんたちが「キーッ」となるようなものを世界的な商品とし…

●とにかく一日ずっと眠かった。

●以下は、レンタルビデオ店の新作の棚の前をうろうろしている時に思いついた、思いつきにすぎないことなのだが、フィクション(ぼくが想定しているのは映画と小説で、アニメはまたちょっと違う気がするのだが)では一般的に、ホラーというジャンルにおいては「…

●『風立ちぬ』を観てから一か月くらい経つ。この一か月、集中的にというより恒常的にという感じでずっと宮崎駿をDVDで観ている。一日に一時間くらいずつ断片的に観るという感じで。劇場用の長編は一通り観直したし、「ハウル」と「千と千尋」は二回、「もの…

●「ヨハネスブルグの天使たち」と「ロワーサイドの幽霊たち」をもう一度読み返してみた。いくつもの皮肉が互いに緊密に絡まり合うことで、皮肉ではとうてい済まされない何かがたちあがる。個々の要素をひとつひとつ取り出せば皮肉に過ぎないかもしれないもの…

●『ヨハネスブルグの天使たち』(宮内悠介)を読んだ。 最初の二編(「ヨハネスブルグの天使たち」、「ロワーサイドの幽霊たち」)を読んで、これはすごいんじゃないかと興奮したのだけど、次の二編(「ジャララバードの兵士たち」、「ハドラマウトの道化たち」)…

●『げんしけん二代目』が素晴らしい。 前半、波戸くんの過去の回想場面があって、なんだ、「波戸くんがなぜこうなったのか」をこういうありがちな物語によって説明してしまうのか、と、少し失望しかけたのだが(とはいえ、その「理由」をトラウマとかにするの…

●国分寺のswitch pointで「三人の絵」(荒井麻理子、高橋大輔、天本健一)、両国のART TRACEで、益永梢子展、高木秀典展。 ●天本健一の作品は、絵画を、基底材(キャンバスや紙とか)があって、その上に描画材(絵の具とか)で描くという形で考えるのではなくて、…

●『南極点のピアピア動画』(野尻抱介)。これは面白かった。こういう形の小説があり得るのか、SFってこういうことなのか、と教えてもらった感じ。なによりいいのは、ネガティブなことを一切書かないで作品を成立させているところ。ぼくには技術的なことの細か…

●『クラウドアトラス』をDVDで観た。おそろしく空虚な大作という感じがした。面白いところが一つもない(一番面白いのがエンドクレジットだった)。ただ逆に、これだけ内容が空っぽでも、お金をかけて豪華な絵をつくり、六つの(一つ一つとしてはまったく退屈な…

●今日の昼間の雲はすごかった。 ●昼間はとてもよく晴れて暑いのだけど、大気が不安定で、夕方から夜にかけて雷をともなう突発的な豪雨になるような日の昼間には、しばしば、自分の意志ではどうにもならないくらいの強い眠気に襲われるような気がする。普段、…

●昨日までとは空の感じが少し違っていた。 ●『ハーモニー』を読んだのだけど、ぼくには伊藤計劃の面白さはよく分からなかった。確かに、科学や思想における現代的なトピック(生政治とか脳科学とか)をバランスよくまぶしてあるとは思うけど、そこを除くと、と…

●八月に撮った写真。その二。

●八月に撮った写真。その一。