2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

●『風に濡れた女』(塩田明彦)をDVDで観たのだけど、最後の30分はすごく面白いのに、そこに至る50分がどうしても乗れないという感じだった。それにしても、この違いはどこにあるのだろうと不思議になるくらい(みんなが入り乱れて「やりはじめる」)最後の30分…

●『現代美術の展開』(藤枝晃雄)は、学生の頃のぼくにとって「現代美術」の教科書のようにして読まれた。なぜ他(の人)の本ではなくこの本だったのかについては、おそらくこの本が他の本より面白いと思ったからなのだろう。そして、この本を「教科書」としたこ…

●『シュタインズゲートゼロ』は三話まですべて三回以上は繰り返し観ていて、非常に面白く、今後への展開への期待が高まるのだけど、ただ、この物語の弱点の一つとして、未来のディストピアのあり様があまりリアルではないという点がある。タイムマシンに関す…

●藤枝晃雄が亡くなった……、と。いろいろありすぎて何も言えない(藤枝さんと個人的に何かあったということではないです、ご本人とはお会いしたことすらありません)。 ●昨日の日記で書いた「粗忽長屋」では、「他者の脳(知覚と記憶の混同)」が、幽体離脱的な自…

●この前のステム・メタフィジック研究会で、誰の発言かは忘れたけど落語の話題が出て、落語のアニミズム性ということで、「あたま山」とか「粗忽長屋」という例が出た。ぼくは落語をあまり知らないので、YouTubeで探して観てみたのだけど、これがとても面白…

●ツタヤで見つけて『昼も夜も』(塩田明彦)をDVDで観た。新作なのかと思ったら、2014年にウェブ配信用につくられたものがソフト化されたらしい。だが、正直ぼくにはあまり面白いとは思えなかった。初期の、『露出狂の女』とか『どこまでもいこう』みたいなキ…

●お知らせ。noteに、『泣く女、透ける男/中上健次「蝸牛」をめぐって』をアップしました。初出は「早稲田文学3」(2010年2月)です。 https://note.mu/furuyatoshihiro/n/n2eef81998071 ●保坂さんが川端康成文学賞を受賞したと聞いたので、受賞作「こことよそ…

●『レスト―夫人』(三島芳治)というマンガを、勧められて借りっぱなしで、とても面白くて折々に何度も読み返しているのだけど、このマンガの面白さについてどう言葉にすればよいのか、何度読んでもよく分からない。 高校生が演劇をする話なのだけど、『櫻の園…

●『ソナチネ』(北野武)をDVDで観た。2008年に『アキレスと亀』を観て「許し難い」と感じてしまい、それ以来ずっと北野武の映画を観ていないから、北野映画を観るのは十年ぶりくらいだし、『ソナチネ』はもっと観ていない。 改めてすごいと思った(これ、25年…

●『ソウル・ハンターズ』(レーン・ウィラースレフ)によって描きだされるユカギールの人々もまた、ヴィヴェイロス・デ・カストロの言う多自然主義(多くの自然に一つの文化、多くの身体に一つの精神)を受け入れているといえるだろう。 《すべての存在がその環…

●昨日は、立教大でステム・メタフィジック研究会。課題は『ソウル・ハンターズ シベリア・ユカギールのアニミズムの人類学』(レーン・ウィラースレフ)。19時から24時まで立教大学で、その後、居酒屋に場所を移して翌朝の9時過ぎまで。気が付いたら14時間たっ…

●つづき。マティス「Pink Nude」(1935)のプロセスの解析(4)。これで完結。 ●十三枚目(State 18)。前の段階で、パキバキッとした線とやや記号化された形にすることで、水平、垂直性的な制御と「捻じれ」との折り合いをある程度をつけることの出来た(上手く収…

●一昨日からのつづき。マティス「Pink Nude」(1935)のプロセスの解析(3)。 ●九枚目(State 14)。前の段階(State 12)では体のなかに埋まっていたような頭部(顔)が、適切な位置に移動される。とはいえ、首がこんなに垂直に立っていて、かつ正面を向いているとい…

●つづき。マティス「Pink Nude」(1935)のプロセスの解析。 ●五枚目(State 9)。もともとベッド(マット)だった部分の平面的フィールドに、垂直よりやや左に傾いた縦縞のラインが描き加えられる(これにより、画面前にあるベッド(マット)の段差はほぼ無意味化す…

●『ソウル・ハンターズ』(レーン・ウィラースレフ読み始めた。とても濃厚で面白い。三分の一くらい読んだ。 ●マティス「Pink Nude」(1935)のプロセスの解析。画像は『MATISSE A RETROSPECTIVE』(Edited by Jack Flam)より、スキャンしました。 ●一枚目(State…

●昨日からのつづきとして、たとえばマティスの絵(Pink Nude 1935)の下の生成過程で何が起こっているのかを、一枚一枚の変化について考えてみることもできる。ただ、写真はモノクロなので、色の変化があまり分からないという致命的な欠陥があるのだけど。 (た…

●必要があって、セザンヌとマティスの画集や画像をいろいろ観ているのだが、やはり飛びぬけて面白い。なんとかして、セザンヌとマティスを近代絵画(モダニズム)や二十世紀という枠組み(文脈の縛り)から解き放って、来たるべきものとして捉え直せないだろうか…

●『散歩する侵略者』と『予兆 散歩する侵略者 劇場版』(黒沢清)をDVDで観た。 これはあくまで第一印象にすぎないのだけど、『散歩する侵略者』は、黒沢清の映画を観ているという感じがあまりしなかった。いや、黒沢清でしかあり得ないという演出や画面で満ち…

●この時期は花粉がたくさん飛んでいるから、散歩をすることができない(長時間屋外にいると、夜になってからとても酷いことになる)。これがけっこうストレスだ。 ●『シュタインズゲートゼロ』、第一話。アベマTVで観た。2010年の冬から物語がはじまる。「シュ…

●昨日からのつづき。『心はすべて数学である』(津田一郎)には、多数の他者たちの「心(集合的な心)」との相互作用によって「脳」の機能分化が形成されていき、それによって「わたしの心」が成立するというようなことが書かれている。つまり、脳が心をつくると…

●下のリンクの記事に出ている「中部大学の津田一郎教授」は『心はすべて数学である』という本を書いている人だ。「中部大学教授による31年前の数理モデルをブラジルの数学者らが証明」(大学ジャーナル) http://univ-journal.jp/20187/?show_more=1 《脳は目…

●セザンヌと荒川+ギンズは(重力に揺さぶりをかけてくるという点で)似ているというこの感覚を、どれくらいの人に共有してもらえるのだろうか。 (養老天命反転地の写真は、図録からぼくが携帯カメラで複写したものです。問題があれば削除します。)

●昨日につづいて、もう一度『ブレードランナー 2049』を観た。話はもうわかっているので、一つ一つの場面や細部をじっくり味わうようにして。そして、一度目に観たときよりもさらに好きになった。 この映画もユニークなところに、この映画自身が、自分は決し…

●『ブレードランナー 2049』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)をアマゾンビデオで観た。同じ監督の前作『メッセージ』がぼくにはダメだったのでなかなか観る気が起きなかったのだけど、これは面白かった。 驚くべき新しいアイデアがあるわけではないし、前のめりになっ…

●『神々の沈黙』を読んでいる途中の寄り道として、ちらっと参照しようと思った『心的現象論序説』(吉本隆明)で予想外の深みにハマッてしまっているのだが、三章までを読めたところ(今日)でいったん一区切りとしたい。 ●昨日の日記では、感官の空間化度が、身…

●昨日の日記で引用しつつ要約したのは、『心的現象論序説』(吉本隆明)の二章までのところで、そこまではなんとか話の筋道を追うことができるのだけど、三章に入ってから出てくる原生的疎外に対する「純粋疎外」という概念を理解するのが難しい(そして、三章…

●『心的現象論序説』(吉本隆明)についてのメモ。ここでは、「心的現象」が発生する基盤として、有機的生命が無機的自然に対してもつ「異和(疎外)」を考える。生命がもつその異和は、無機的な自然としての外的環境に対してだけ生じるのではなく、同時に、有機…

●代々木公園で保坂さん主催の花見会。昼過ぎから暗くなるまで公園で飲んで、その後、原宿駅近くの店で飲んで、長時間飲みつづけたので、ゆっくりしたペースで飲んでいたつもりなのだけど、けっこう効いた。長時間、マスクなしで外にいたので、帰ってから花粉…

●三月に撮った写真、その二。

●三月に撮った写真、その一。