2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2021-01-31

●『精神分析にとって女とは何か』第三章「日本の精神分析における女性」(西見奈子)では、主に「母性」についての検討。日本において特に強く作用する「母性」という神話について、精神分析もまたその影響下にあり、あるいは共犯関係にあったということを、エ…

2021-01-30

●来年度の第三クォーター(10月から11月)に、大学の非常勤講師をすることになっている(100分×14回の講義をする)。まだ先なので内容はゆっくり考えようと思っていたのだが、二月中にシラバスを入力しなければならないことを知る。 (美大ではないし、たとえば早…

2021-01-29

●夢。川に停泊している大きな船の中で開催されるアイドルイベント。それに参加しようとしている。頼りなげな桟橋を渡り、船に乗り込むと、イベントは既に始まっており、船の中に設置されたステージでは、アイドルが歌い踊っている。観客たちのひしめくなかで…

2021-01-28

●二十一年と三ヶ月くらいの間ありつづけたウェブサイト「無名アーティストのWildlife」が、SO-NET「U-page+」のサービス終了のため、ワールドワイドウェブの世界から消えました。

2021-01-27

●『精神分析にとって女とは何か』第二章「精神分析的臨床実践と女性性」(鈴木菜実子)から、もうちょっとだけメモ。 ウィニコットは、女性的要素を「being(いること)」、男性的要素を「doing(すること)」とし、女性も男性もどちらも両者を持つと考えたが、こ…

2021-01-26

●『精神分析にとって女とは何か』第二章「精神分析的臨床実践と女性性」(鈴木菜実子)から、引用メモ。 フロイトは、女性性は「ペニスの欠如」によって基礎づけられ、疑似的なペニスであるクリトリスから受動的なヴァギナへと興奮する器官を変化させるという…

2021-01-25

●『精神分析にとって女とは何か』第二章「精神分析的臨床実践と女性性」(鈴木菜実子)。とても興味深く勉強になった。まず思ったのは、人の心というものを「個」として切り離して考えることの困難だ。樫村晴香が「人間-でないもの」で、《超自我とは、父親の…

2021-01-24

●大学に入った年から25年くらいずっと西八王子に住んでいた(今、住んでいるのは、どこまでもひたすら平らな土地だが、西八王子は至る所に高低差があって、散歩がとても楽しかった)。ツイッターで西八王子情報を出している日高良祐さんという人のアカウントが…

2021-01-23

●機械学習によるイメージ生成をみると、そこで生まれるイメージから、「頭のなかから直接取り出したような質」を感じ、「手=身体を介すること(メディウムを介すること)」の意味を考え直さないわけにはいかないと思わせられる(端的に言えば、ひどく動揺さ…

2021-01-22

●(昨日からつづく)そういえばぼくは、自分の本(『世界へと滲み出す脳』)のなかで「小市民シリーズ」論(「互恵関係と依存関係」)を書いていたのを思い出した(『巴里マカロンの謎』を読んでいる時にはそれを忘れていた、というか、意識していなかった)…

2021-01-21

●『巴里マカロンの謎』。米澤穂信「小市民シリーズ」の新作が去年出ていたことを知ったので、読んだ。このシリーズとしては11年ぶりの新刊ということだけど、タイトルからも分かる通り(「冬期限定…事件」という定型に従っていない)、シリーズの本流という…

2021-01-20

●「風の谷のナウシカ」はとても好きな曲で、時々聴きたくなる。ナウシカと言えば、宮崎駿や島本須美であるより細野晴臣であり安田成美だ。 安田成美 風の谷のナウシカ https://www.youtube.com/watch?v=fW7j44obuEQ Nausicaä - Takako Minekawa & Ryuichi Sa…

2021-01-19

●フロイトの女性性についての理論への疑義を示しながらも、精神分析とフェミニズムは、基本的には同じ方向を向いたパラレルなムーブメントなのだという見解が述べられていて興味深かった(精神分析が「声を与えられてこなかった者に声を与え」るものだという…

2021-01-18

●Zoomを使ったリモート講義をはじめて経験した。朝起きて、そのまま同じその部屋で、PCに向かって一人で喋りつづけ(学生の顔も見えないまま)、時間が来たら終わり、で、すぐに普段の生活に戻る。講義をした感じが全然しなかった。 (実際に人前に立って話すの…

2021-01-17

●『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』に、納屋を整理していて、すずが、おそらく周作がリンにプレゼントするために買ったものだと思われる茶碗を発見してしまうという場面があった。すずは、大雪の日、この茶碗をリンに届けようと遊郭を訪ねるが、リンは…

2021-01-16

●必要があってようやく『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直) を観た。片渕須直が、どうしてもこれをつくりたかった気持ちがよく分かった。こちらを観てしまうと、『この世界の片隅に』の方は、重要な部分が欠落した作品のようにみえてしまう。 …

2021-01-15

●引用、メモ。樫村晴香「人間-でないもの」(「群像」2月号)より。今回はキューブリックとタルコフスキーの作品を題材としているので、ぼくには割合と入りやすかったし、腑に落ちやすかった。 (ここで言われる「人間-でないもの」は、あくまで「二〇世紀の主…

2021-01-14

●昨日からのつづき。引用、メモ。討議「哲学とは何か、そして現実性とは」(入不二基義、上野修、近藤和敬)「現代思想」2021年1月号から。 入不二基義の発言より。 《近藤さんの「擬製的創造」がもっているある種のポテンシャルは、まだ完全に発揮されていな…

2021-01-13

●引用、メモ。討議「哲学とは何か、そして現実性とは」(入不二基義、上野修、近藤和敬)「現代思想」2021年1月号より。これは面白かった。 近藤和敬の発言より。 《何かが起こる現実という側面に関してほとんど何も言えないというのは、私も強く共感するとこ…

2021-01-12

●松村邦洋が自らのコロナの症状について語っているのをYouTubeで観て、あらためてコロナに対する恐怖を感じた。下に引用するのはスポニチの記事から。 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/01/12/kiji/20210112s00041000319000c.html 《発症…

2021-01-11

●保坂和志の小説的思考塾、リモート配信テスト版を視聴。気になったことのメモ。 ●はじめて見聞きするような驚くべき見解ということでもなく、自分でも既に何度もそう考えたことであっても、それを、改めて人の声として聞く(他人の書いたものとして読む)こと…

2021-01-10

●コロナにかんしては、専門家の言うことを謙虚に(できるだけ先入観を廃して)聞く、ということに尽きると思う。以下、岩田健太郎のブログ(成人式には行かないで)より。 《新型コロナウイルスは、この100年間に人類が経験した中でも最強、最悪のウイルスで…

2021-01-09

●在宅の(ほとんどYouTube頼りの)、にわかアイドル好きなので、自分の足を使って楽曲を掘っていくということはまったく出来ていないのだけど、吉田豪と南波一海と小出祐介が挙げている2020年のアイドル曲のベストをできる限り追っかけてみた結果として、ぼく…

2021-01-08

●「旅する練習」(乗代雄介)のラストについて、それがアリなのか、ナシなのか、いまでもよく分からなくて、迷ったままだ。そして、そのラストから受けたショックは、まだつづいている。もっと強い言葉で言うと、このようなラストは、許されるものなのか、許さ…

2021-01-07

●お知らせ。「群像」2月号に、『それを小説と呼ぶ』(佐々木敦)の書評、「全体主義を逃れる「全体性」について」を書いています。 ●配信イベント「小出祐介&南波一海の「こんばんはプロジェクト」vol.12」を観た。小出祐介と南波一海の二人による、メジャー・…

2021-01-06

●VECTION(西川アサキ + 古谷利裕 + 掬矢吉水 + もや)というグループに属していて、VECTIONとして2019年に「ミラーバジェットから弱いアナーキズムへ」というテキストを発表している。 https://vection.world/mb2wa.html ここで、集団的な意思決定における…

2021-01-05

●他者や制度や権威を信じず、自分の目でみたもの(自分の頭で判断したもの)だけを信じるという人ほど、実はだまされやすいということが、最近の社会によって暴露されているようにもみえる。だが逆に、他者や制度や権威を信じすぎることもまた、別の問題(抑圧…

2021-01-04

●年末年始は、わりとサブカル系、アイドル系の配信イベントを多く観ていたのだけど、料金はだいたい一つのイベントにつき1500円から3000円くらいで、どうしても、これって本が一冊買える値段だなあと思ってしまう。こう考えると、本は、その内容の量や質に対…

2021-01-03

●U-NEXTで、NHKのEテレの「100分de名著」が観られるのだが、プルデューの『ディスタンクシオン』を読むシリーズで解説の岸政彦が「他者の合理性」という概念を提示していて、なるほどと思った。その人が、そのようにあるのには、そうであるための(ここでは「…

2021-01-02

●けっこう長いけど、最後まで通して観てしまった動画。特別におもしろいことが話されているというほどでもないけど、話題になっている曲を、すぐその場でキーボードで再現しているところがよかった。 YMO ( Yellow Magic Orchestra )の 全キャリア を menon …