2025-12-02

⚫︎気になっている本。2017年出版だから、最近出た本ではないが、なぜか最近になっていきなり、Amazonのおすすめに挙がってきた。著者も知らない人だし、出版社も知らない。とても気になるが、7000円+税という値段なので気軽には手がでない。

・『アフリカ美術の人類学 ナイジェリアで生きるアーティストとアートのあり方』(緒方しらべ)

www.shimizukobundo.com

二〇〇三年からナイジェリアでフィールドワークを行う中で、「この作品を買ってくれ」と懇願されたことが何度もある。懐が許す限り買うのだが、そうして買った作品を私が素敵だと思うことはほとんどなかった。日本で生まれ育ち、イギリスで美術史の勉強をしていた私は、「芸術は簡単にはお金に換えられない。頼まれて買うのではなくて、感性にうったえかけられて初めて自分から買うもの」だと思っていた。だから、ナイジェリアのアーティストの作品販売への貪欲さには幻滅すらした。しかし何度か仕方なく作品を買ったり、買わなかったりするうちに、相手(アーティスト)とのやりとりや会話が次第に増えていった。今日食べるものにも困ってさっき畑を耕してきたばかりなのに、私が作品を買う意思を見せなくても何一つ求めてこないアーティストもいる。無償で作品をくれるアーティストもいるが、そういう場合はたいてい、素敵とは思えずもらっても困ってしまうような絵や、日本でもどこでもありそうな動物の彫刻だったりする。しかし彼らはそれを誇りを持ってつくっており、それを求めて買う人もいる。こういうものがアートだとか、ああいう作品が良いという私の価値判断は、イレ・イフェの現実の中で揺らいでいく。そうして様々なアーティストと接するうちに、いつの間にか私は、家族、友人、恩師への贈り物としてのグリーティングカードや誕生日カード、木彫やビーズ細工、さらには自分自身の肖像画の制作をアーティストたちに依頼するようになっていた。値段交渉は欠かさない。作品は「上出来」なこともあれば、そうではないと思うこともある。

(pp.7-8)

⚫︎あと、これは最近出たものだが、この本も気になる。三浦俊彦の本なので、とてもじゃないがすんなりとは納得できないようなクセの強いロジックが書かれていると思われ、おそらく、読んでも自分の創作活動の刺激にはあまりならない本だと思うが(そもそもぼくは分析哲学系の芸術理論には根本的な疑問を感じている)、それでも気になってしまう独自のクセの強さが、三浦俊彦の本にはある。ただし、この本も高価だ。

・『芸術の定義』(三浦俊彦

www.keio-up.co.jp

芸術とは何か──この問いは、古代から現代に至るまで諸領域において繰り返し立ち現れてきた。本書は、分析哲学系の芸術定義200種類あまりを網羅しながら、芸術の本質を再考する試みである。20世紀以降の美学的言説に加え、現代アートの実践や批評理論を参照したうえで、「命題態度説」という独自の定義を提示する。

芸術をめぐる議論の複雑性に対して、理論的厳密さと柔軟な思考をもって応答し、芸術哲学の地平を更新する包括的な書。

⚫︎三浦俊彦にかんしては、以下の動画からとても強い刺激を受けている。

三浦俊彦「フィクションとシミュレーション」ー公開講座「仮想と現実」2016

https://www.youtube.com/watch?v=VKobXLHsogg

ついでがあれば、この日の日記も参照されたい

furuyatoshihiro.hatenablog.com

⚫︎ドゥルーズのやつも、普通に気になっている。

ジル・ドゥルーズ講義録 絵画について』

www.kawade.co.jp