2002-01-01から1年間の記事一覧

02/02/17

●モーニング娘。の新曲というのをテレビで観た。以前この日記でも『恋愛レボリューション21』について触れたことがあったけど、その時の過激さと言うか、刺激的な感じはもうなくなっている。モーニング娘。は、多分爛熟期のような段階へ入っていて、特にファ…

02/02/16

●神代辰巳の『黒薔薇昇天』『美加マドカ・指を濡らす女』『宵待草』をビデオで観る。神代の映画は、一本一本の作品としての独立性と言うか固有性のようなものが弱いように思う。一本の映画の「作品」としての凝縮力というものが希薄で、良く言えば開かれてい…

02/02/15

●アトリエへ行く途中にある、小学校のフェンスに沿って生えている、骨のようなゴツゴツした形の冬枯れしたイチョウの木の乾燥した樹皮に、一本一本手で触れながら歩いてゆく。●実は昨日、『ABCアフリカ』を観た後、シネセゾン澁谷のレイトショーで、イオ…

02/02/14

●澁谷のユーロスペースでキアロスタミの『ABCアフリカ』。ピーッという電子音とともに映画の撮影を依頼するファックスが映しだされ、この映画が撮られた経緯が簡潔に示された後、画面は、ゴダールの『右側に気をつけろ』や『ヌーヴェル・ヴァーグ』も真っ…

02/02/13

●空一面が薄くて白い雲で覆われていて、その雲のなかを通過してくる日の光がそのなかで乱反射して拡がり、空全体が白く輝いているように見える。図と地が逆転して、空とは白く輝く拡がりであって、わずかに覗いている青い部分は、青い雲がかかっているのだ、…

02/02/12

●午前中に歯医者の予約を入れていたので、起きがけで、朝っぱらがら、歯茎に針を挿入されたり、ガリガリと葉を削られたりする。雑居ビルの3階にある歯医者のガラス戸から、晴れ渡って真っ青な空が見える。向いのビルの屋上に、真っ黒な点のように1羽のカラス…

02/02/11

●飲み物を買いに、夜中コンビニまで歩いて行く。途中で見上げた、空の黒があまりにも黒々と濃い。空が澄んでいて、地上からの光を反射するものがないからだろうけど。正確には黒と言うより、限りなく黒に近い濃紺と言うべきか。空がこんなに黒いことがあるな…

02/02/10

●昼前から雪がチラチラしはじめ、一時は積もるのではないかという勢いで降っていた。空はぼんやりと白くて明るい、いかにも雪雲という感じの雲に厚く塞がれていた。しかし、昼頃に軽い仮眠をとって目覚めると、いつの間にかやんでいて、依然として曇ってはい…

02/02/09

●『nobody』2号を新宿ルミネ2の青山ブックセンターで。まだパラパラと目を通しただけだけど、面白かったのは松井宏という人が書いているデプレシャンの『そして僕は恋をする』に関する文章で、たしかにあの映画はまるで「池袋駅」みたいな映画なのだった。《…

02/02/08

●「新潮」3月号の、多和田葉子『球形時間』を読む。多和田葉子の小説がこんなにスラスラと読めてしまうっていうのはどういうことだ、という戸惑いとともに読み進んだ。そしてこんなに分り易くていいのだろうか、という思いも。「高校生のためのやさしい現代…

02/02/07

●神代辰巳の『恋人たちは濡れた』『四畳半麸の裏張り』『青春の蹉跌』をビデオで観る。たしか『黒薔薇昇天』もどこかにあったと思ったのだが見つからない。神代の映画の面白いところは、内容が無いというところにある。と言うか、表現が内容と無関係なところ…

02/02/06

●歯が痛い、のではなくて、歯を抜いたところが痛い。しかし、まるで歯が痛いように痛いのだ。歯を抜いた時に傷ついた歯茎の痛み、つまり肉の痛みではなくて、神経が露出してしまった歯が痛むように、神経に直接何かがふれるようなモロな、しかしじくじくと場…

02/02/05

●批評空間HPのWeb CRITIQUE(http://www.criticalspace.org/special/index.html)に、『現在にまみれて身動きが出来ない(アモス・ギタイ『キプールの記憶』)』がアップされました。●2/3の日記に書いた「B足らん」について、あれは谷崎の『細雪』からきてい…

02/02/04

●神代辰巳の『赫い髪の女』をビデオで。映画が始まってすぐの、工事現場での特異な縦の構図の切り返しと、石橋蓮司と阿藤海が女の子(亜湖)を「まわし」にかけるシーンとが交錯する場面で、もうこの映画が凄い作品であることが理解できるだろう。この素晴らし…

02/02/03

●金井美恵子の『噂の娘』に「B足らん」という言葉が出てきて、これはつまり「ビタミンB不足」という意味で、恐らくこの小説の舞台である1950年代中ごろに使われていた独特の言い回しで、金井氏の頭に残っていたものなのだろう。こういう「B足らん」なんて…

02/02/02

●銀座、ギャラリー現で井上実・展。井上くんの作品はここ2、3年くらい観ているけど、今回展示されている作品はひとつ突き抜けたという感じで、良かった。軽味が出て、空間性が増した。井上くんは基本的に植物をモチーフにしていて、小さなカンバスに余白を多…

02/02/01

●ベルトルッチの『魅せられて』をビデオで観る。前にも書いたと思うけど、ぼくはこの映画がとても好きなのだった。これはベルトリッチの衰弱を象徴するような映画だとか、年甲斐もなく不自然な若づくりをしているとか、弛緩したエロジジイのつくったような映…

02/01/31

●冷たい朝。タイヤのゴムと道路のコンクリートがしっとりと触れ合う感触が、シャーッという静かな音となってたち、自転車はゆっくりと加速しながら坂道を下ってゆく。下り切った後少し上っている傾斜を、下った慣性で漕がずに上る。チリチリチリチリというチ…

02/01/30

●何かが破綻するということ。無理に無理を重ね、しかし無理は別に今に始まったことではなく、いつも何らかの無理を抱えてやってきたのだし、むしろ無理を抱えていることの方が普通なのだから、今のこの無理も何ということはないはずで、この先も何とかかんと…

02/01/29

●街灯の届かない屋上の地面に、丸々と大きく夜空に浮かぶ月の光が青白く反射して、まるで屋上のコンクリートそのものが内側から発光しているみたいで、ぼうっと明るい宙に浮いた光の場になっている。空の月はオレンジ色に輝いているのに、その光を受けたコン…

02/01/28

●乾燥している。歯医者で長いこと口を開けていると、喉の方までカラカラに乾いてしまって、オエッとなりそうになる。歯医者に通うのは十何年ぶりなのだけど、その間に治療の技術は随分いろいろと変化したみたいで、見たこともないような器機が毎回何かしら使…

02/01/27

●黒沢清の新作を観た、という「夢」を見た。『大いなる幻影』みたいな、低予算でつくられた90分弱の小さな映画で、素晴らしい傑作だった。どこかの家(普通の小さな一軒家。この家の外観を示す短いロングショットが素晴らしい。)に監禁されている主人公が、そ…

02/01/26

●批評空間HPのWeb CRITIQUE(http://www.criticalspace.org/special/index.html)に、『セザンヌと村上隆とを同時にみること』がアップされました。この日記の1/23の部分は、『セザンヌと村上隆とを同時にみること』についての補遺という感じで書かれていま…

02/01/25

●すごく久しぶりに銀座へ出て画廊を巡る。(映画を観るためになら来ているんだけど。)特にこれといったものはない。ギャラリー現の梶山さんと話していて、佐賀町の食料ビルに入っているギャラリーで小林正人の展覧会をやっていることを知る。こういう重要な情…

02/01/24

●夕方の川原は暗い。街灯もまばらな川原は、光を吸収してしまうみたいに暗くて、光を反射している川の水面だけがぼうっと明るい。空はまだ明るさが残っているし、遠くの灯りや、対岸を走っている車のライトなどは眩しい程なのだけど、自分の身の回りはぼんや…

02/01/23

●歩く。風邪が治って、外は気持ちよく晴れているので、風は冷たく吹き抜けるけど、歩くことにした。生け垣の前を通ったら、ミャーミャー鳴く声が聞こえたので、掻き分けて覗いたら、猫が、生け垣のなかに埋まるように丸くうずくまっていた。緑地のなか、細か…

02/01/22

●病み上がりには腹が減る。しかし薬で荒れた胃はいきなり詰め込まれた沢山の食物を許容しきれず、胃もたれをおこす。歯医者の予約時間に間に合うために走ったら(まだちょっと足元がふらつく)、そのせいでか、駅の階段の途中で強烈な胸やけに襲われる。なぜか…

02/01/21

●朝目覚めたら、昨日よりさらにひどい体調。それでも出かける用事がある。耳の奥で小さな蠅が羽ばたいているような、小さなモーターがうなっているような、ブーン、ブーンという耳鳴りがする。歩いていると時々、テレビの画面にノイズがはしるように、空間が…

02/01/20

●甘くみていた。1日寝ていれば治るだろうと思っていた風邪は、むしろ寝ている間にじわじわと体を侵蝕して、だんだんと症状か重くなってゆくのだった。うつらうつらと眠っては目覚めることを繰り返して、目を覚ます度に不快感が増している。ルビッチの『生活…

02/01/19

●昨日あたりから腹の具合がおかしいと思っていたら、今日になって喉が腫れてヒリヒリと痛くなった。微熱もある。大したことはないのだけど、風邪が長引くと面倒なので、たらたら寝て過ごすことにした。初期のテレビゲームみたいな、単純な幾何学的パターンの…