2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

●ある問題について、専門的な知識や特定の文脈の共有がない人にわかるような説明をするということと、俗受けし易いような形に矮小化するということは全然違うことなのに、しばしば後者が前者であるのように取り違えられる。 難しいことは分かり易く噛み砕い…

●締切間際の用事が大詰めで少し煮詰まった感じになって、休息を入れた。こういう時は普段しないことをして頭を切り替えたらどうかと思い、まだ引っ越して一年くらいなので本の山の中に紛れていなかった高校の卒業アルバムがなんとなく目についたので、取り出…

●ビオイ=カサーレスの短編集が出たみたいだ。 http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336048417/ 収録作をみてみると読んだことのある作品が二つあって、「パウリーナの思い出に」は『ダブル/ダブル』というアンソロジーで、「大空の陰謀」は『ラテンアメ…

●ベルクソンとアインシュタインの論争というのがあるらしく、興味をもった。ただ、ベルクソンが一方的に相対性理論批判の本(『持続と同時性』)を書いただけで、アインシュタインはそれについて何も言っていないみたいだけど。これについてざっくりと分かり…

●「スペック」をもう一度はじめから観直している。演出上の細かいネタとかを、いろいろ発見する。それはそうとして、この作品の加瀬亮は、演技としてとかキャラとしてというより、「形態」としてとても面白い。ジャコメッティの彫刻のようであり、サルのよう…

●どこから入ってきたのか分からないけど、さっきからずっと蛍光灯の周りを羽音をたてて甲虫がぐるぐる飛んでいる。ぐるぐるというか、ブーンと円を描くように飛んでは蛍光灯にコツンとぶつかり、またブーンと飛んではコツンとぶつかるということを繰り返して…

●『紫色のクオリア』(うえお久光)というラノベが面白かった。たまたまみつけた「山本弘のSF&トンデモNight 語り尽くすぞ、ライトノベル」というUST録画で紹介されているのを観て興味をもった(山本弘さんの小説は読んだことないです)。 http://www.ust…

●『エヴァQ』をDVDで。劇場で観て以来の2度目。劇場で観た時と同様にかなり退屈したのだけど、退屈の原因はおそらく、60分くらいで語るべき話を90分に間延びして語ってしまっているからではないかと思った。話自体がつまらないわけではないのかもしれないと…

●46歳になった。 ●『009 RE:CYBORG』(神山健治)をDVDで。これはダメなんじゃないか。『東のエデン』の後にどうくるのかという期待があって観たのだけど……。社会派として始まった話が途中でセカイ系みたいになっちゃうというのは最もダメなパターンな…

●窓を開けていると、裏の駐車場で人が喋っている声が、部屋のなかで机に向かって椅子に座っている背中のすぐ後ろから聞こえるかのように聞こえてくるので、分かっているはずなのに何度も「はっ」として振り返ってしまう。窓を開けっ放しにする季節になって、…

●例えば光速の二分の一の速度で進む二つの同じ型の宇宙船A、Bが反対方向へ進んですれ違う時、Aから見ると宇宙船Bの長さは五分の三に縮まっているし、時間の流れの速さもAの五分の三と遅くなっているように見える。それはBからAを見ても同じで、Bから見るとA…

●DVDを返却する前にもう一度「スペック」の「翔」と「天」を観たのだけど、やはりこれはかなり面白い。最初はなにより戸田恵梨香のキャラの面白さに目が行ったのだけど、二度目になると加瀬亮の凄さがだんだん前に出てくる感じ。ジャコメッティのようであ…

●「ポイエーシスとプラクシスのあいだ エリー・デューリングのプロトタイプ論」(武田宙也)という記事を読んで、ここで書かれていることと、ラトゥールのアクター・ネットワーク論やジェルのアート・ネクサス論とが、きわめて近い感触をもっているように思…

●『人間の建設』で岡潔は、数学の根拠に身体的なものがあるというようなことを言っている。例えば、自然数の「一」という概念を体得するのはだいたい生後十八ヶ月くらいで、そしてそれは≪全身的な運動≫として知るのだと言う。ラカンとかだったら、ここで何故…

●『スペック』、本編の最終話までと、スペシャル版の「翔」を観た(劇場版「天」はまだ観ていない)。昨日の日記に、でんでんが出てくる映画はしばらく見たくないと書いたけど、「翔」に出ていた。でも、こちらのでんでんはすばらしい。 これはかなり面白か…

●お知らせ。明日、五月十七日付けの東京新聞夕刊に、なびす画廊でやっている「許された果実」展のレビューが載る予定です。展覧会は来週の土曜(二十五日)までです。 ●DVDで『ライク・サムワン・イン・ラブ』を観たのだけど、ぼくにはこれはダメだった。…

●山方伸さんのブログに、山本透さんという人の展覧会のことが書かれていた(ぼくはこの展覧会を観ていないし、山本さんの作品のこともまったく知りません、なので、以下に書くことはあくまで山方さんの文章のみを読んで、それに刺激された勝手な妄想以上のこ…

●延滞してしまっていた図書館の本を返しに行って、書棚の間を少しぶらぶら歩いて、小林秀雄全集とかをパラパラみていたら、「人間の建設」というタイトルの岡潔との長めの対談があって、面白そうだったので借りてみて、建物の外に出て、(とてもいい天気だっ…

●お知らせ。ベーコン展について、永瀬恭一さん、上田和彦さんと話した時の録音が、「組立・転回」のサイトにアップされています。 http://kumitate.org/index.html この対話に至る過程については、永瀬さんがブログで書いてくださっています。 http://d.hate…

●『うぬぼれ刑事』を六話まで観たけど、やはりぼくにはクドカンはダメなのかもと思った。ネタや演技の小劇場ノリにしても、妙な八十年代ノスタルジーをまぶしてくる感じとかにしても、どうしても受け入れることが出来ず、面白くないというか、観ていてかなり…

●最近テレビドラマをDVDでいろいろ観ている勢いで『スペック』(2010年TBS系列)を六話まで観た。脚本も演出も「安いなあ」いう気がどうしてもしてしまうのだけど、ただ、戸田恵梨香と加瀬亮はすばらしいんじゃないかと思った。この感じを引き出し…

●横浜で編集者と会う。あたらしい小説について面白いと言っていたのでひとまずはホッとする。横浜駅周辺の繁華街の雰囲気は、ぼくが横浜の予備校に通っていた二十五年くらい前とあまりかわらない。約束の時間よりも少し早目に言って、ぶらぶらしていた。時間…

●お知らせ。明日発売の「週刊読書人」5/10号に、金子遊さん、西川アサキさんとの鼎談(「吉本隆明の“宗教と死”」)が載ります。三人とも、三月に出た『吉本隆明論集 初期・中期・後期を論じて』の執筆者であり(金子さんは編者でもある)、吉本について…

●『マンハッタンラブストーリー』を最後まで観て、その展開や人物の関係を図に描いてみて、この作品の構造の捻じれた複雑さに改めて驚いた。一方に、あらかじめ定められた展開の厳密なルール(A→B→C…G→H、H→G→F…B→A)があって、あくまでそのルール…

●なびす画廊で「許された果実」(杉浦大和・友枝憲太郎・松浦寿夫)。 http://www.nabis-g.com/ 絵画を、限定された平面的な広がりのなかでの諸要素の分布、配置としてみるのではなく、様々な要素の時間差をもったあらわれとしてみることができる。これは字…

●外に出て空気に触れているだけで気持ちがいい。何もせずに、ただずっと外にいたいような陽気の日。五月だ。 ●雑誌「建築と日常」のイベントで、坂本一成設計の「代田の町屋」を見学した。午後からトークイベントがあり、午前中はその抽選から漏れた人のため…

●竹橋で二度目のベーコン展を観て、永瀬恭一さん上田和彦さんと、上田さんの地元近くでお会いしてベーコンの話をした。子供たちの奇声が響くファミレスのテーブルにたくさんの画集を広げながら。重たい画集や本をたくさん鞄につめて、神奈川西部海岸沿い(古…

●ずいぶん日が長くなったなあと思いながら帰り道を歩いた。 ●四月に撮った写真、その二。

●なんとなくカルピスが飲みたくなるような陽気だと、コーヒーを淹れようとした時に思った。 ●四月に撮った写真、その一。

●東京都現代美術館のフランシス・アリスがとても面白かった。面白かったけど、閉館一時間前に入場したので全部ちゃんとは観られなかった。改めてもう一度行きたい。 「衝撃」という作品が衝撃的に面白かった。いや、思いつくだけなら誰でも思いつきそうなア…