2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2023/01/31

●磯崎新による桂離宮への言及はさすがに面白い(「カツラ---その両義的空間」『建築における「日本的なもの」』所収)。以下、メモとして引用する。 まず、ブルーノ・タウトによる桂(近代建築の規範を伝統的過去に見出す)、堀口捨己による桂(近代主義的なもの…

2023/01/30

●夕方、近所のスーパーに買い物に行く途中で、おばあさんだと思われる女性に手を引かれて歩く小さい女の子(三歳くらい?)が、大きな声で機嫌よく「お化けなんてないさ、お化けなんてうそさ」と歌っていたので、無意識にそちらの方を見てしまったら、ぼくの視…

2023/01/29

●桂離宮を回遊する経験をかなり正確にトレースできる動画をYouTubeで見つけた。途切れないワンカットで撮られているし、カメラが注目するところもけっこう的確だ(チャプターもついているし、ガイドの音声もとてもよく録られている)。この動画をベースにして…

2023/01/28

●Stable Diffusionに自分の作品の写真を取り込んで、「Henri Matisse Painting」「Pablo Picasso Painting」という語で変換してもらったら、やけに楽しい絵が出てきた。上がぼくの作品、真ん中かマティス変換、下がピカソ変換。 (どちらもあまり変わらないよ…

2023/01/27

●ぼくにとって天沢退二郎は、まずは『光車よ、まわれ!』や「オレンジ党」シリーズの作家として、そしてまた、アンリ・ボスコの翻訳者としてとても大きな存在だ。シリーズ一作目の『オレンジ党と黒い釜』を初めて読んだのは小学校五年生(1978年)だが、完結編…

2023/01/26

●吉本隆明のテクノロジーに対する態度について。檜垣立哉『日本近代思想論』第17章「吉本隆明によるテクノロジーと生」より、メモとして引用。ここで問題にされているのは「核」だが、おそらく核以上に人間にとって危険なものとなるだろうAIについて考えるた…

2023/01/25

●夢。駅前を歩いていると、神社に併設されている古い造り酒屋の奥の方から、端正な顔立ち、端正な服装の若い男性が出てきて、「利き酒会をやるので参加しませんか」と声をかけられる。是非とも、と言ってロビーに入ると、折り畳み式の細長い机の上に、参加者…

2023/01/24

●八王子のくまざわ書店の動画があって、懐かしくて見入ってしまった(ここには本当に「入り浸っていた」という感じだ)。今は生活圏内にまともな書店が一つもないし、コロナで都心に出ることも少なくなって、本屋さんで本を買う(本を探す)ということを全くしな…

2023/01/23

●『ゴダールの決別』をU-NEXTで。この映画で、湖の近くに暮らす人々や学生たち、そこへビジネスでやって来た人々が、湖畔や、カフェや、(絵画教師のやっている)本屋や、ビデオ屋や、牧師と教師夫婦の家などで、落ち着きなくも騒々しく言葉を発しながら行き来…

2023/01/22

●保坂和志の小説的思考塾vol.9をリモートで視聴。以下はぼくの感想で、トークの正確な要約や紹介ではないです。 https://peatix.com/event/3463903 ●小説とは何かという時、多くの人はその「中味に何を書くか」を考えるがそうではなく「入れ物」として何なの…

2023/01/21

●両国のアートトレイスギャラリーで、HO×RN(小野弘人×西尾玲子)「遠回りの作法―ミース・オン・ザ・グラウンド」のトークイベント「絵画の透明性・建築の透明性」(小野弘人・西尾玲子・上田和彦・古谷利裕)の二回目。ぼくは、以下の作品について話しました。 …

2023/01/20

●里見龍樹『不穏な熱帯』、第二部「歴史」第四章から引用、メモ。「忘れっぽい景観」および「人間以前でもあり、人間以後でもあるものとしての自然」について(人間以後の「自然」とは、関係性からの脱落によってあらわれる「自然」である)。 《(…)私がそのよ…

2023/01/19

●昨日の日記に書いた多次元、例えば四次元に、神秘的な意味は全くない。たんに四つの座標によって表現される空間ということにすぎない。同様に、十の座標で表現される十次元や、百の座標で表現される百次元を容易に考えることができるし、そのような空間はお…

2023/01/18

●HO×RN(小野弘人×西尾玲子)の展覧会のトークイベントのための準備や打ち合わせを通じて、改めて「虚の透明性」という概念の持つ重要性というか、面白さを感じるようになった。コーリン・ロウとロバート・スラツキイによるテキストの厳密な解釈をやや踏み越え…

2023/01/17

●分厚い。自立する。というか、ハードカバーの本は大抵自立するのか…。 ●この本の翻訳が出るのか。 書店様用チラシ:★3月上旬発売予定『ポストメディウム時代の芸術』(ロザリンド・クラウス=著) pic.twitter.com/sGp0unpXuS — 水声社の倉庫番 (@suiseishas…

2023/01/16

●昼間は東工大で『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』についての講義をして、夜は、家でリモートで、アートトレイスギャラリーの「虚の透明性」にかんする二回目のトークイベントの打ち合わせをした。頭を切り替えるのがけっこう大変。 (社会派でなければ…

2023/01/15

●『冷たい血』。VHSを黒川さんにデータ化していただいた。90年代半ば、『Helpless』『チンピラ』『WiLd LiFe』『我が胸に凶器あり』と、ひたすら驚嘆させられた青山真治に対して、初めて疑問と反感を抱いた五作目(1997年の作品)。この疑問と反感はその後、亡…

2023/01/14

●びっくりするほどリアルで生々しく、そしてどこまでも幸福な夢をみた。目覚めて、ベッドの上にいる自分を認識したとき、え、今のは夢だった、マジで、嘘でしょう、と、愕然とした。夢の余韻でしばらく動けなかった(夢の最後の方で、靴下だけで靴を履かずに…

2023/01/13

●『水星の魔女』。実質13話の12話。「えーっ」という感想。予想していなかったというより、望んでいなかった展開。ここまでやってしまうと、今まで積み上げてきた物語の構築をすべて台無しにしてしまうのではないか。このあと、一体どういう展開を考えている…

2023/01/12

●夕焼けの反対側の空。

2023/01/11

●昨日からの続き。引用、メモ。「マリリン・ストラザーンにおける〈イメージの方法〉」(里見龍樹)より。 http://www.jsos.net/nlpapers/NL126_01-18.pdf ●イメージがイメージを生む(イメージの意味は「別のイメージ」によって明かされる) 《ストラザーンの議…

2023/01/10

●台所のシンク周りを掃除していたら、百円玉一個と、231円玉二個を見つけたという夢を見た。231円玉は、銀色で百円玉と同じくらいの大きさだった。 ●引用、メモ。マリリン・ストラザーンにおける〈イメージの方法〉」(里見龍樹)より。 http://www.jsos.net/n…

2023/01/09

●HO×RN(小野弘人×西尾玲子)「遠回りの作法―ミース・オン・ザ・グラウンド」のトークイベント「絵画の透明性・建築の透明性」の第一回目。 www.sumida-bunka.jp このイベントの内容は、どこかに発表されるかもしれないし、されないかもしれないですが、ぼくは…

2023/01/08

●「透明性 虚と実」(コーリン・ロウ、ロバート・スラツキイ)についてもう少し。画像は、昨日取り上げたブログから拝借した。 compo3t.blogspot.com 左の絵が、モホリ-ナギの作品で、「リテラルな(実の)透明性」を示す作例として出されている。これが「透明性…

2023/01/07

●田中純による磯崎新論をチェックしようと「群像」のバックナンバーを引っ張り出してきて並べたら、結構すごい感じになった(2022年1月号から、2023年2月号まで)。 ●9日のトークのために改めて「透明性 虚と実」を読み返す。長島明夫さんがツイッターで、この…

2023/01/06

●最近の検索エンジンへの不満は、文字通り、そのままを検索してくれないことがある、というところにある。 Googleにしても、打ち込んだ文字をそのまま検索して欲しいのに、勝手に意味を解釈してしまう場合がある。例えば、岡﨑乾二郎の『回想のヴィトゲンシ…

2023/01/05

●ゴダールの『勝手に逃げろ/人生』をDVDで。久々に観られてよかった。昨年、ゴダールが亡くなったことを知った時にも、ゴダールの作品を改めて観直そうという気持ちにはあまりならなかった。正直、近年はゴダールから関心が離れ気味だった。3D映画はすごいと…

2023/01/04

●『JLG/自画像』と『フレディ・ビュアシュへの手紙』を観た勢いで、『パッション』をDVDで久々に観た。ゴダールは常に騒々しくて落ち着きがなく、ガチャガゃしている。美しい音楽は気に障る騒音でしばしばかき消される。人々は騒がしく入り乱れ、その人々の…

2023/01/03

●大学での講義のために、『この世界のさらにいくつもの片隅に』をNetflixで観直していて、日付字幕について新たな発見したをした。この映画は「8年12月」という字幕から始まり、「10年8月」「13年12月」と進んでいく。そして次の「18年3月」で、戦争が始まる…

2023/01/02

●今年最初の買い物として、ブルーレイ・ドライブを買い直した。27インチのiMacの綺麗なモニターでDVDが観たいという気持ちを抑えきれなかった。安価なものだが、Macとの相性や評判などを、ネットで少し調べてから決めた。 テストとして、ゴダールの『JLG/自…