2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

●積雪量がシャレにならない。 ●『復讐 運命の訪問者』(黒沢清)をDVDで。高橋洋が脚本ということで、久々に観てみたのだが、これにはちょっと言葉が出ないくらいに圧倒された。97年の作品。この時期の黒沢清はあらゆる意味でキレまくっていた。すべてがすごい…

●先週の「20世紀末の美術」というイベントで中村ケンゴさんが、日本でも今後は階級が可視化されてくるので、そうなると世代論が通用しなくなる、というようなことを言っていて、この話はそのまま、永瀬恭一さんと眞島竜男さんの間でイベントの最後にちらっと…

●昨日、「恐怖」と「怪奇」の違いについて書いたので、改めて久々に『リング』を観直してみた。『ラビット・ホラー』と並べてみると、恐怖と怪奇の違いが感触としてよく分かる。とはいえ、ぼくには『リング』はまったく怖くはないので、恐怖という概念という…

●『ラビット・ホラー』(清水崇)をDVDで。これは清水崇の最高傑作ではないだろうか。すごく面白かった。これは3Dでつくられていて、2Dで観ても3D的な空間のつくりかた(前へ、というより、奥へ、という感じ)が面白そうなので、出来れば改めて劇場で3Dで観た…

●国分寺のスイッチポイントで利部志穂展、最終日。ちょっと意外な感じで面白かった。今までの利部さんの作品のネガとポジとをひっくり返したみたいな感じ。利部さん自身も、「今までだったら、物と物とを組み合わせる時、そこにイメージの影が出てきそうにな…

●駅前の喫茶店で小説の最後の著者校正に手を入れて、コンビニからファックスで送信し、銀座のメグミオギタギャラリーにシンポジウム「20世紀末・日本の美術」を聞きに行った。 http://www.nakamurakengo.com/sympo/ ●まず単純に、「へー、90年代って、そんな…

●お知らせ。明日、24日付の東京新聞の夕刊に、国立近代美術館でやっているジャクソン・ポロック展の展評が載る予定です。 ●そもそも昨日書いた話は、ポロック展の「インデアンレッドの地の壁画」の保険評価額が200億円だという話をみた時に、なぜこんなに嫌…

●昨日書いた、「人間が人間とが関係する世界」と「人間もその一部であるような世界」の違いということについて、もうちょっと書く。 ●すごく素朴な話をする。これは経済の話というより欲望の話だ。例えば、その生産コストから、リンゴを一個一万円で売らない…

●『ゼーガペイン』についてもうちょっと(ネタバレ注意)。 ●『ゼーガペイン』において、人類を滅ばしたのは人間(ナーダのつくったガルズオルグ)である。そして、人類を滅ぼしたガルズオルグに抵抗する組織(セレブラム)を作ったのは、もともとガルズオルグ(ナ…

●『ゼーガペイン』、最後まで観た。面白かった(以下、ネタバレ注意)。 物語的な着地点は一見、「バーチャル」から「リアル」へ、「永遠を求める」から「今を生きる」へ、という感じで、ありがちな終点ともみえるけど、そこに至るまでの過程で、最後の最後ま…

●まだ最後までは観てないけど『ゼーガペイン』というアニメがちょっと面白い。2006年の作品らしい。最初は、ロボットアニメの紋切型を全部あつめたみたいな設定に見えるのだけど、話がすすむうちに少しずつズレていって、世界像がだんだんおかしくなってくる…

●昼間はポロック展の展評を書いていた。ポロックについて900字で書くことはとても難しい。書きたいことはいくらでもあるのだが、900字でまとめ、それを多少でも意味のあるものにするのはとても難しい。夜は、書評のための本を読む。ここ一か月くらい延々と読…

●目白の日本女子大で、中沢新一勉強会。今回は『カイエ・ソバージュ2 熊から王へ』について。以下で、ustの録画が見られます。 http://www.ustream.tv/recorded/20500203 例によって、ぼくはほぼ「居るだけ」という感じだけど、ぼくにとってここでの話はすご…

●昨日もちょっと書いたけど、ポロックの絵が「目指しているところ」はどの作品でもほとんど変わらないように見える。だから、初期から最盛期、そして晩年と、作品のスタイルや技法は大きく違っているけど、「作品から受ける印象」はどれも似ているように思う…

●竹橋の、国立近代美術館にポロック展を観に行った。思ってたよりかはいい展覧会だった。確かに、47年から50年くらいの絶頂期の、ポロックの最高到達点と言えるような大作が一点もないので、これでポロックを観たと言えるのか、という不満はある(「インデア…

●小説の校正刷りに手を入れていた。この、一万四千字とちょっとの短い小説に、この一年以上延々と手を入れ続けていることになる。去年の二月にほぼ一か月で第一稿を書いて、その後ずっと直している(勿論、そればっかりやっているわけではないし、毎日やって…

●出かけようと思ったが、今日中に洗濯して干しておかないと明日着るものがなくなってしまうので、洗濯機を回し、その間に「モナドロジー」を読んだ。構えていたのに、洗濯機を回している間に読めてしまうという、予想外のあっさり感こそが逆に難物っぽい。 …

●『シュタインズゲート』でもっとも面白いところは、昨日もちょっと書いたけど、「袖すり合うも多生の縁」という言葉によって表現されるような感覚を、お題目としてではなく、説得力をもって実感できるように物語が構築されているところだと思う。この物語で…

●一昨日、『シュタインズゲート』の20話から最後(24話)まで観たので、改めて1話から19話まで、DVDを借りてきてまとめて観た。最後まで観てから最初に戻ると、なんというのか、遠いところから帰ってきた感じになる。この作品は、中盤以降シリアスな展開になる…

●昨日もちょっと書いたけど、『シュタインズゲート』や『輪るピングドラム』の新しさの一つに、大きな話と小さな話とをどう繋げるのか、関係づけるのか、という時のそのやり方があると思う。 ●例えば神山健治の作品で言えば、『攻殻機動隊』は、公安九課とい…

●DVDで『シュタインズゲート』の22話まで観たら、もう我慢できなくなってネットで探して最後(24話)まで観てしまった。すばらしかった。物語のもっともシリアスな部分は一応22話で完結していて、最後の2話はちょっと力の抜けたオマケみたいな感じもあるけど、…

●ライプニッツについてネットで調べていて、『ヨーロッパ精神史入門』(坂部恵)という本に行き当たって興味をもった。坂部恵という名前は勿論知ってはいるけど、「批評空間」のカントに関するシンポジウムくらいでしか読んだ記憶はなく、なんとなくカントの専…

●「あなた」について考えていて思い出したのだが、前に『ダンゴムシに心はあるのか』(森山徹)という本を読んだ。ダンゴムシに心はあるのかという問いは、つまり、ダンゴムシから「あなた」を見出せるのかという問いでもあろう。この本では、ダンゴムシに心が…

●2月に入ってから撮った写真。 ●リンチによるデヴィッド・リンチ・コーヒーのコマーシャル。 http://www.youtube.com/watch?v=MzMIIjZsHVA&feature=youtu.be もう一本の方はいかにもっていう感じしかしないけど、こっちはすごい。やっていることはすごくつま…

●感覚的なもの(イメージ)と、概念的なものとは、分けて考えない方がいいのだろうと最近は思うようになった。あるイメージは、関係を表現するための要素として一つの記号であり、同時に(既にそれだけで)複数の記号の結合でもあるから、それ自体である関係の表…

●昨日の「あなた」の話は、ちょっと違う言い方をした方がいいのかもしれない。 「わたし」が「人間」と一対一で相対した時に、その相手はわたしにとって「あなた」として立ち上がるだろう。また、相手が犬や猫であっても、「あなた」として立ち上がるかもし…

●去年読んだジェフ・ホーキンスの本は、脳(新皮質)の仕組みを調べることで、そこから人工知能を可能にするシステムを探り出そうとするものだった。今年読んだ西川アサキの本は、脳こそが幻であるとし、モナドロジーによって心身問題をあらたに構成し直そうと…

●一月の後半に撮った写真。雪。

●昨日の話に関係するこというか、つづきみたいなことをもうちょっと。 例えば、よくある単調な対立の話で、「作品に大切なのは初期衝動やフィーリングやオリジナリティで、勉強ばかりして頭でっかちの作品はつまらない」という話と、それに対して、「過去の…