2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

08/04/30

●『電脳コイル』21話から23話をDVDで。ここまで来ても全然テンションが落ちないで維持させてるのはすごい。人を「向こう側」へ誘う力としてのハラケン-カンナというラインが一応決着をみたと思ったら、それよりもさらに深くて強い力としてのイサコ-兄のライ…

08/04/29

●昨日の夕方からはじめて今日の昼頃まで、徹夜して、作家論をなんとか最後までもっていった。明日一日かけて直して、とりあえず第一稿としたい。今月中になんとかしたかったので、ちょっとほっとする。でも、徹夜なんかしちゃったので、後から冷静になると、…

08/04/28

●この世界には、セザンヌを分る人と分らない人がいて、そこには広くて深い溝があるんじゃないかと、最近つくづく思う。例えば、美術手帖の座談会で会田誠さんと話した時、会田さんはしきりに「自分には抽象絵画が分らないんだ」ということを言っていた。これ…

08/04/27

●今の時期、夜から朝にかわる時間は午前四時四十分みたいで、いつもこの時間になると、突然鳥が鳴きだす。●『ブレードランナー』(リドリー・スコット)をDVDで。多分、十何年ぶりに観たと思うけど、こんな映画だっけ、というほど、ほとんど憶えていなかった。…

08/04/26

●『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』(フィリップ・K・ディック)。これはさすがに凄い傑作。特に終盤、「15」以降くらいの、まるで手を緩めないというか、まったく容赦のない展開には、一体どこまで連れてゆかれるのかと途方に暮れた。この小説を読み始め…

08/04/25

●散歩をしていて、道に迷うことが出来た。住んでいるところの近くは、もうかなり散歩し尽くしてしまっているので、道に迷うどころか、未知の場所に辿り着くことも困難なのだが、今日はほんの十分程度なのだけど、完全に方向を見失って、自分がどの辺りにいる…

08/04/24

●『コンナオトナノオンナノコ』(冨永昌敬)をDVDで。悪くはないと思うし、さすがだと思うところは多々あるけど、全体としては中途半端な感じ。『パビリオン山椒魚』が派手にスベってしまったので、職業的な映画監督として、このくらいのことはちゃんと出来る…

08/04/23

●散歩の途中でふと蘇った古い記憶。学生の頃だから、もう十七、八年前になる。当時つき合っていた女の子が、大学に入って最初に借りたアパートがあまりにも不便なところにあったので引っ越しを考えていて、一緒に不動産屋をまわっていた(一緒に住むことを考…

08/04/22

●今年中には出るはずの本のための打ち合わせで編集者と会う。いままで書いた分のゲラをどさっと渡されて、あー、本当に本が出るんだ、という気持ちになる。原稿は、あと四分の一くらい残っていて、割と順調に書けていたのが、岡崎乾二郎論が、途中で停滞して…

08/04/21

●喫茶店で作家論のつづき。(この喫茶店は、建物の二階にあるチェーン店で、タバコは吸わないけど、ぼくはほとんど窓際の喫煙席に座る。書いている対象の作品と妙にリンクしている。)25枚を越えた。ここまではなんとか辿り着けた。でも、この先がさあ大変。こ…

08/04/20

●『呪怨-パンデミック』(清水崇)をDVDで。最近、全く映画が観られない。映画館に足が向かなくなってしまったし、DVDをレンタルしてきても、だいたい最初の10分くらいで、もういいや、と思ってしまう。(で、ダンスのDVDばかり観ている。)しかしこれは最後まで…

08/04/19

●喫茶店で作家論のつづきを書く。ここ二日くらい停滞していたのだが、いままで書いたところを直すことで、少し先まですすんだ。なんとか論を書くことでいいのは、書かなければそこまでは読み込めなかったというところまで読めて、新たな面白さを発見出来るこ…

08/04/18

●昨日の夕方、わりと近くに住んでいるという、偽日記を読んでます、という若い学生の方とお会いして、少し話をした。いろんな話をしたのだけど、ぼくにとって特に印象深かったのは小島信夫の話で、その方は小島信夫がすごく好きだという人で、特に『別れる理…

08/04/17

●お知らせ。今日発売の「美術手帖」五月号(特集あらうんどTHE会田誠)に、「先生、僕に「絵画」を教えて下さい!」というタイトルで、会田誠、彦坂尚嘉、辰野登恵子との座談会が載っています。カラー写真付き。ぼくは真っ赤なジャージを着ていますが、これは、…

08/04/16

●一駅となりの家電量販店まで歩いて、ファックスのインクフィルムを買って、帰って電話機にセットして、送信されてきたゲラを受信し、直してそれを送信してから、今日はなんとしてでも、ずっと書き出せないでいる作家論を、とにかく強引にでも書き出してしま…

08/04/15

●ずっと部屋にいて原稿を書いていて(でも全然書き出せてないんだけど)、外出は食料を買いに行くだけという生活を何日かつづけていると、ヒゲも剃らないし洗髪もしない(最近、髪が長いので洗髪が超面倒臭い、洗うのも乾かすのも面倒だし、かといって切りに行…

08/04/14

●昨日、今日と、ほぼ一日中パソコンの前に座っていて、原稿を書き出そうとして、書き出せないまま、パソコンの前にいるままで本を読んだり、ネットをみたり、何度も意味なくメールをチェックしたり、また本をパラパラめくり返したりして、一日が過ぎてしまう…

08/04/13

●近代が、科学やテクノロジーの発展によって人間の能力がどこまでも拡張してゆくと信じられた時代で、近代、あるいは現代芸術が人間の感覚や認識をどこまでも拡張させ、更新させててゆくことを目的としたものだとするならば、それはほぼ六十年代くらいで終わ…

08/04/12

●「なんとか論」を書くというのは、まずなんといっても一義的には愛と尊敬の行為以外のものではなく、対象に対する愛や敬意がなければ、わざわざそんなに詳細にしつこく作品を読み込むことなんて、面倒くさくてとても出来るものではないし、大してシャープで…

08/04/11

●通い慣れた道を歩いている時に、ふと目が覚めて、歩きながら眠ってしまっていたことに気づいた。夢のなかで、とてもうつくしい夕日を見ていたような気がする。以前にも、こんなことが何度があったという記憶が、強いリアリティを伴って蘇った。そのまましば…

08/04/10

●必要があって「わたしの場所の複数」(岡田利規)を、ほとんど一行単位でメモをとりながら読む(それはちょっと大げさで実際には2、3行ごとくらいかもだけど)ということをやっているのだけど、そうすると、この小説がいかに緊密に構築されているのかが分かって…

08/04/09

●「新潮」5月号の「小説をめぐって三十七」(保坂和志)のものすごい圧力(筆者の頭のなかの発熱や振動がそのまま伝わって来るような)に押されるようにして、本棚から「I.W---若林奮ノート」を取り出して読んでいた。若林奮の文章は、魅力的だけど難解で、とこ…

08/04/08

●「眼と太陽」(磯崎憲一郎)をもう一度読んだ。(『肝心の子供』をはじめて読んだ時には、その日のうちに三回繰り返して読んだのだったが。)とりあえず一度は最後まで読んでいるので、全体の流れなどは分かっているはずで、最初に読んだ時よりは多少は余裕をも…

08/04/07

●お知らせ。「群像」5月号に、ぼくの書いた「踏みとどまる《膝》/古井由吉『白暗淵』論」という文章と、あともうひとつ、ReviewArtというコーナーで「「日本近代絵画」と熊谷守一」という文章が載っています。興味のある方は読んでみて下さい。ReviewAr…

08/04/06

●丘がいくつも重なっているような地形なので坂道が多く、無計画に開発されたような土地なので道がやたらと入り組んでいるから、歩いていると、ふいに、見晴らしの良い開けた場所にでる。開けた場所は、視覚的に遠くまで見渡せるだけでなく、音が遠くからそこ…

08/04/05

●『回想のヴィトゲンシュタイン』(岡崎乾二郎)について、もうちょっとだけ。上映後、作家自身が、この映画の元ネタのひとつに「オズの魔法使い」があると明かしていたが、それはとても納得がいくことだ。ヴィトゲンシュタインのかぶり物や、様々なバリエーシ…

08/04/04

●旧四谷第三小学校体育館で、『回想のウィトゲンシュタイン』(岡崎乾二郎)。1988年、多摩ヴィヴァンのためにつくられた幻の八ミリ映画。ウィトゲンシュタイン的な問題というものに、ぼくは今ほとんど興味がないので、ぼくにとってこの映画は、風景ショットの…

08/04/03

●夢の中。ぼくは高校生で、体育の授業で校外をランニングして河原に出る。多分、季節は夏で、河原には強い光が射して、風景が異様なまでに、細部までくっきりと見える。鬱蒼と繁る様々な種類の雑草の、そのひとつひとつの形態や重なり、濃い緑から黄緑色まで…

08/04/02

●iPodを聴くために使うイヤホンには、ハードな部分と、それと耳の穴とを媒介する、ふにゃっとしたソフトな部分があって、それが耳への当たりを柔らかくすると同時に、その弾力によって耳へと固定され、保持される仕組みになっている。最近ではそのソフトな部…

08/04/01

●小高い丘のてっぺんにある、鉄棒とジャングルジムが置かれているだけの小さな公園に、そのつつましさに不釣り合いなほど背が高くて立派な桜の木が十本くらい立っていて、でもその木が桜だとは今まで気にかけてなかったから知らなくて、ちょうどそれが今満開…