2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

●油絵の具を用いた、油絵の具でしか実現出来ないものでありながら(その精度をもちながら)、その構築の原理、思考の形態、イメージ発生のメカニズムは、決して油絵の具に依っていない、というような絵をつくることができるだろうか。油絵の具によって考えるの…

●西武拝島線に乗って東大和市で降りて、郷正助のオープンスタジオ(アトリエで作品を公開している)へ。パッと観た印象として、前に武蔵美の芸祭で観た作品に比べて「時間をはしょっている」のかなあと感じた。聞いてみると、油絵の具ではなく、アクリル絵の具…

●午後から吉祥寺で、3月13日のトーク(http://100hyakunen.com/?mode=f3#100313)のために、福永さん、樽本さんと打ち合わせ。お二人に、ぼくの最近の作品を観てもらうために、午前中は、アトリエで作品の写真をデジカメで撮り、ネットカフェでプリントして、…

●病院へ見舞いに行って、実家に戻って、「ブラタモリ」の再放送を観て(はじめて観た)、八王子に帰ってきた。風が強く吹く。花粉が本格的に飛びはじめたようだ。 ●久しぶりにバスに乗ったのだが、ハイブリッド車なのか、信号で停車するたびにエンジンが完全に…

●入院した祖母のお見舞いにのため、実家に帰り、一泊する。夜、寝るのは、その入院した祖母がいつも寝ている部屋だった(実家には、ぼくの居る=寝るべき定まったスペースはないのだ)。実家を建て直してから十年、祖母はずっとこの部屋で過ごしていた。 建て直…

●半年くらい前からだと思うけど、今住んでる部屋に引っ越してきてからずっと寝ていた方向と逆の向きで寝るようになった。それまで、本棚の方に頭を向けて寝ていたのだが、大きめの地震が何度かつづき、本棚から本が落下してくるという経験をして以来、そこで…

●午前七時半くらいに、駅へと向かう。アパートから駅まで十分ちょっとの道のりだが、駅に近づくにつれて、いろいろな方向から、いろいろな音、いろいろなリズムの足音が集まってくる。重なる。足音は一日中聞こえているはずだが、朝の通勤時間帯には、特にそ…

●銀座のギャラリー福山(http://www.enjoytokyo.jp/OD003Detail.html?SPOT_ID=l_00016591、あるいはhttp://9199.jp/phone_page/01614887/)に、加藤陽子展「藪漕ぎ」の搬入、展示の手伝いに行ってきた。今回の展示はとても良かった。良かったというのは、たん…

●ジュンク堂新宿店で、磯崎憲一郎さんとトークイベント。今回のトークはガチでいこうと言い出したのも磯崎さんなら、実際にガチな話になったその展開を支えていたのも磯崎さんだったと思う。「お前はこのトークのために事前にいろいろ準備してきたのかもしれ…

●磯崎さんとのトークにそなえて、メモしたりノートをとったり、本を読んだりする。とはいえ、相手のあることだし、なにより、書く(メモをとる、ということであっても)ことと話すことでは、頭の使い方がまったく違うので、あまり事前に「こういうことを話そう…

●引用、メモ。ドゥルーズ「カント哲学を要約してくれる四つの詩的表現について」より。 これを読むと、『シネマ2』の時間イメージが想起される。時間イメージは、ベルクソン的な持続であるより、カント的な時間がもととなっているように感じられる。 《時間…

●二十日の磯崎憲一郎さんとのトーク(http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html#20100220-2shinjuku)にむけて、あらためて「ペナント」(『終の住処』所収)を読んだ。とうとつな転換と、逆方向への動きや矛盾した事柄という相反するものが逆接…

●油絵の具には、物質としての扱いづらさだけでなく、長い歴史によって編み込まれた無数のコノテーションもあり、気むずかしくて面倒だ。値段が高いというのも、扱いづらさの一因であろう。 抽象表現主義は、アクリル絵の具やアルミニウム系の塗料によって、…

●銀座のGALLERY TERASHITAで、浅見貴子+平体文枝展(http://www.gallery-terashita.com/)。 浅見貴子の作品は、いつもの大画面の作品に比べてひかえめなサイズであることを反映して、いつもよりも線の細い感じの植物-樹がモチーフとして選ばれていて、そのモ…

●洗濯物を干しておくと凍ってしまうんじゃないかと思うほど寒いけど、ずいぶんと日が長くなってきたと感じること、花粉が飛び始めていることを鼻が感じていることから、水面下で季節が動きはじめているのだということが分かる。とはいえ、まだまだ寒さはつづ…

●買い物に行って、スーパーの台に一面だーっと並んでいるイチゴの色の鮮やかさに惹かれて、つい買ってしまった。一度通り過ぎたのだが、再び戻って手に取ったら、もう、それを食べないということは考えられなくなってしまった。イチゴに向かうチャンネルが開…

●攻殻機動隊』は、一個一個のアイデアはそんなに驚くべきものではない気がするのだが、一個の作品に投入されるアイデアの量と、そのアイデアたちを結びつけるがっしりとした構築性が際立っている。けっこう素朴な、そのまんまの時事ネタだったりするのだが、…

●夜、雨のなか傘をさして買い物に行った帰り。湿った空気。袋からネギがはみ出し、直接雨に触れている。しゃりしゃりしゃりという、濡れた路面を車体の重みを受けたタイヤが噛んで転がり、ゆっくりと進んでいる音が後ろから聞こえたので、車のすれ違うことの…

●お知らせ。3月13日に予定されている福永信さんとの対談の詳細が、百年のホームページにアップされています(http://100hyakunen.com/)。よろしくお願いします。 ●磯崎さんから電話があって、今度のトーク(http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuk…

●そこは今住んでいる部屋のはずだったが、実際に住んでいる部屋とは微妙に違っていた。実際に住んでいる部屋と感じはだいたい同じだったが、さらに空間が付け足されていた。だから広かった。実際に住んでいる部屋の空間を手袋を裏返すように反転させた間取り…

●『東のエデン』を観たのをきっかけに『攻殻機動隊』の「個別の十一人」を観直して(一月二七日の日記参照)、その勢いで「笑い男」も「くぐつ回し」の話も改めて観直して(ふたつ合わせると五時間半ちかい)、ここまできたら、いままでなんとなく避けていた『精…

●『ウルトラミラクルラブストーリー』(横浜聡子)をDVDで。すごい面白かった。冒頭から、溢れるような津軽弁と奔放すぎる松山ケンイチの動きに圧倒されつつ、とはいえ、この勢いだけで最後まで突っ切るのはきついし、すぐに単調になってしまうのではないかと…

●お知らせ。2月20日にジュンク堂新宿店で行われる磯崎憲一郎さんとのトーク・イベントの詳細が発表されています(http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html#20100220-2shinjuku)。よろしくお願いします。磯崎さんとは以前にも一度、一昨年の…

●フォーマリズムは、持たざる者のための技法だ。教養も教育も十分にはなく、血筋や権威やコネクションもなく、財産も経験も語彙も貧しい者が、とりあえず、自分にとって見えるような形で、今、ここに、あらわになっているものだけを頼りに、今、ここにある自…

●『スカイ・クロラ』(押井守)をDVDで。予想していたよりかはおもしろかった。最近の押井守としては例外的に良いと思った。 アニメーションの技術的なことに詳しくないのでいい加減な言い方になるが、基本的に平面的である手書きの絵と、はじめから三次元…

●何かと「戦って(闘って)いる」と思っている時点で既に負けているんじゃないだろうか。このような形で今ある(決して敵の消えることのない)世界のなかで、どのように、戦うことを強いる磁力とは無縁に、生きることの可能な隙間をみつけ、あるいはそれを積極的…

●また日付を間違えてしまった。本当は、これが三日の日記で、三日分として上にあるのが二日の日記。 ●お知らせ、その1。「早稲田文学」3号に、「泣く女、透ける男--中上健次「蝸牛」をめぐって」を書いています。中上健次については、今後もつづけて考えてい…

●かなり時間をかけて、熱中して日記を書いていたのだが、けっこう長く書いてしまってから、途中でふと、こんなことが書きたかったのではなかったと気づいた。書きたかったのは、こんなつまらないことではないのだ。しかし、その、書きたかったことの感じは、…