2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

●NHKのBSで『Particle Fever』というCERN(欧州原子核研究機構)が舞台のドキュメンタリー映画を放送していた。2007年のLHC稼働直前から、2012年のヒッグス粒子発見までの五年間、それにかかわる六人くらいの理論物理学者、実験物理学者の動向を追ったもの。さ…

●「建築と日常」をつくっている編集者の長島さんに誘っていただいて、坂本一成の初期作品「水無瀬の町家」(1970年)と「散田の家」(1969年)の見学に同行させてもらった。「散田の家」は坂本一成の最初の作品。駅で待ち合わせして、まず「水無瀬の町家」に、次…

●YouTubeで、2003年放送のBSマンガ夜話の『風と木の詩』(竹宮恵子)の回を観ていたら、夏目房之介が、「竹宮恵子が以前『伊賀の影丸』を色っぽいと書いていて、観ているところが全然違うと実感した」というような発言をしていて、また横山光輝か、と思った。 …

●昨日の「サイエンスゼロ」でバーチャルリアリティの特集をやっていた。技術的に何か新しいブレイクスルーがあったということではなく、ヘッドマウントディスプレイの精度が上がったことと、ふつうの人が買える値段で商品になるくらい安価につくれるようにな…

●「鉄血のオルフェンズ」が最終話だった(とはいえ、九月から二期がはじまるみたいだけど)。最初にあった、これから何かすごいものを見せられるんじゃないか、という気配というか期待は後半になって消えてしまって、ただ、鉄華団は地球にたどり着けるのか、蒔…

●『機動警察パトレイバー the Movie』(押井守)をブルーレイで。「パトレイバー2」は傑作なので折に触れて観直すことも多いのだけど、この劇場版一作目は久しぶりで、おそらく十数年ぶりくらいで観た。どんな話だったかほとんど忘れていたが、こちらも素晴ら…

●「漫勉」で古屋兎丸が、鉛筆の芯を紙やすりで削って粉状にして、それを水で溶いて薄墨みたいにして筆で描いているところがあって、ああ、このやり方懐かしい、この人も美大生(というより、美大受験生)だった人なのだなあと思った。「漫勉」を観ているとしば…

●アーサー・ダントーが書いた「アートワールド」(『分析美学基本論文集』所収)を読んだ。成る程。これはぼくが知っている中では、アートの文脈主義を肯定する根拠としてもっとも説得力がある考えだと感じられた。ある作品(作家)によってアートワールドに持ち…

●これはぼくの実感なのだけど、おそらく人は強すぎる快楽と暴力への恐怖には勝つことが出来ない。勝つことができないというのは、それによっていとも簡単に支配されてしまうということだ。そして、それに支配されるともう理性的な判断ができなくなる。これは…

●お知らせ。東京新聞に載ったモランディ展の評を、下のリンク先で読めます。 http://www.tokyo-np.co.jp/event/bi/morandi/kiji/160318.html ●朝カルの西川・保坂講義。アルファ碁の話から、多重人格、分身、夢のなかの人格分岐(と、ファインマンダイアグラ…

●single stroke structure。一枚の四角い平面(紙)だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはせず、一枚すべての部分を使って)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくった。

●「漫勉」の五十嵐大介の回を観ていて、今まで出てきた他のマンガ家の人たちとかなり違っている感じが面白かった。追いつめられている感じとか、キツそうな感じとかが全然なくて、ひたすら楽しそうに描いているように見える。アクションはまだ慣れてないから…

●夢のなかで経済学の講義を受けている。難しい数式、図、概念。それらをノートにとろうとしているが、講義の速度が速すぎて、なかなか追いつかないし、ノートにうまくまとめられない。こんなことでは、今聞いていることを目が覚めてから再現できなくなってし…

●『岸辺の旅』は、ベタというか、ペタッとしているというか、今までの黒沢清だったらきっとやらないだろうという要素が結構あって、へえー、これをやるのか、とか思いながら観ていたのだけど、脚本に別の人の手が入っているのか。というか、宇治田隆史という…

●お知らせ。明日の東京新聞、3月18日づけ夕刊に、東京ステーションギャラリーでやっているモランディ展(終わりなき変奏)についての美術評が掲載されます。 ●目黒シネマまで、黒沢清監督二本立て(『岸辺の旅』『Seventh Code』)を観に行った。どちらもすごく…

●保坂さんの短編が今月の「群像」に掲載されていた(「地鳴き、小鳥みたいな」保坂和志)。中篇と書いてあるが、長めの短編、短めの中篇という感じ。保坂さんが独立した短編(中篇)を文芸誌に掲載するのはかなり珍しいことではないか。 確か、はじめてお会いし…

●昨日の日記に書き忘れたのだが、昨日は寒かった。雨にも濡れたし、体感的にはこの冬一番の寒さだった。傘をさして外を歩いている時、とつぜん震えがとまらなくなって、なんだこれなんだこれなんだこれと思いながら、コートのフードをかぶって、顔から血の気…

●日本特殊論みたいなのはあまり気持ちよくない(受け入れたくない)のだけど、いろいろな人の話を聞くと、どうも日本は特殊であるらしい。この前、国際交流基金のレクチャーでゲームAIの研究をしている三宅陽一郎さんが、日本で売れるゲームとそれ以外で売れる…

●一般に、アートでメディウムスペシフィックというと、グリーンバーグ的な、支持体を根拠とするメディウムスペシフィックということになっているけど、これはもっと拡張して考えることもできるのではないかと思った。例えば、歴史を根拠とする、文脈を根拠と…

●ステーションギャラリーにあったモランディの静物画は、影が出ていないものが多いが、影が出ている絵は、最初期の作品を除いて、画面に向かって右側に出ていた。つまり、左側から光が当たっている。モランディの眼はおそらく、影が右側に出ていることを求め…

●国際交流基金の「技術とフィクション」についてのプロジェクトの伊藤亜紗さんの講義。このプロジェクトは、来週、大阪大学の石黒研究室への視察があるのだけど、大阪までついては行けないのでぼくにとってはここで終わり。 内容の前に形式的なこと。伊藤さ…

●昨日の三宅陽一郎さんにつづき国際交流基金で京都大学iPS細胞研究所の八代嘉美さんの講義。 https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/exhibit/exchange/2016/02-01.html このシリーズは、最初、ぼくが一般的なフィクションの原理のような話をして、次に攻…

●東京駅のステーションギャラリーでモランディ展を観て、その後、四谷三丁目の国際交流基金で三宅陽一郎さんの講義(ゲームAIについて)を受ける。 ●モランディの画集を浪人時代に穴が開くほど観た。モランディの絵は、近代絵画が獲得したものの本質を取り出し…

●今期の深夜アニメにはどうしても乗り切れなかったので(「オルフェンズ」は最初に期待したほどではないとしても、かなり持ち直してきたと思うけど…)、古い、見逃したアニメを観る時間ができた。『機動警察パトレイバー 初期OVA』がすばらしかった。『うる星…

●国際交流基金のプロジェクト「科学と文化が消す現実、つくる現実 ―フィクション、制度、技術、身体の21世紀―」で視察があり、見学者として同行させていただいた。「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」をやっている武藤博昭さんという人の話を聞いた。 http://www…

●「浦沢直樹の漫勉」。萩尾望都回、浅野いにお回が面白かったので、検索して、今まで放送された分すべてを動画で観てしまった(シーズン〇の、かわぐちかいじ、山下和美、シーズン1の、東村アキコ、藤田和日郎、さいとうたかを)。 番組を観ていると、浦沢直樹…

●近所のツタヤでマンガのレンタルをやっていて、十冊まとめてだと750円で一週間借りることができる。だから、昨年の末くらいからずっと、一週間に十冊くらいのペースでマンガを読んでいる。いままでごく一部の作家を除いてマンガにはあまり興味なかったし、…

●国際交流基金のプロジェクトの講義。外国の人を前に通訳を介して喋るという状況がやや不安だったけど、通訳の人はよどみなく訳すし、そもそも多くの人が、日本語がとてもうまかった。講義の後に、日本語で質問されて、日本語で答えた。 自分が講師の一人で…

●明日、国際交流基金主催の「科学と文化が消す現実、つくる現実 ―フィクション、制度、技術、身体の21世紀―」というプロジェクトのうちの一つとしての講義をするので、パワーポイントでスライドをつくっているのだが(まだ終わっていないが、あともう少し)、…

●single stroke structure 17点。一枚の四角い平面(紙)だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはしないで)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくったもの。