2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

●(つづき、『実在への殺到』について)この本は、西田の時間論で締めくくられる。時間についての西田の思索は、「現在」に対する「過去」「未来」という時間の非即自的なあり様と、「私」と「他者」という、それぞれ異なる人格とともにある時間にかかわるもの…

●(つづき、『実在への殺到』について。昨日のつづきというより、特に興味を感じたところについて、理解のためにまとめたみた、という感じになった。ネタバレしまくりです。) ハーマンによれば、オブジェクトはひきこもっていて、あらゆる関係から脱去してい…

●立教大学で、ステム・メタフィジック研究会の第3回。『実在への殺到』(清水高志)をめぐって。この本、まず手に取って感じたのは思いの外コンパクトだということ。文章も明快で、伝えるべきことだけを伝えて、さくさくすすんでいく。ふわっとした印象でしか…

●ヨーロッパの小国は過激で(露骨で)ほんとに面白い(ヤバい)。 タックスヘイブンであり、国民一人当たりGDPが世界一位で、宇宙関連事業に国の将来をかけるルクセンブルク。核融合炉の燃料となるヘリウム3は、地球上ではレアな鉱物だけど、月には比較的たくさ…

●トビー・フーパーが亡くなった。もうこの世代の人たち(ぼくが子どもの頃に「新しく出てきた」世代の人たち)が亡くなってもおかしくないソーンに入ってきたということか。確か、スピルバーグと三つ違いくらいだったのではないか。 ●面白い動画をみつけた。三…

●『夏の庭』がDMMで配信されているのを知って、観た。二十数年ぶり。相米慎二は好きな監督なので、相米作品は皆、複数回観ている。『ションベン・ライダー』など、3〜40回以上観ていると思う。でも、『夏の庭』だけは、公開時に映画館で観て、それっきり観て…

●スカヨハ版「攻殻」観たけど、予告編を最初に観た時の悪い予感が全部当たってしまった、なんでこうなるかなあ、という感じだった。ただ、アニメ版のすべてのシリーズに対するリスペクトみたいなものは一応感じられるので、あまり「叩く」という気にもならず…

●お知らせ。8月25日の東京新聞、夕刊に、東京国立近代美術館でやっている「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」についての美術評が掲載されます。 ●メモ。AI関連の三つの記事。 "仕事消滅"が理解できない人の3つの誤算(PRESIDENT Online) http://president.…

●お知らせ。けいそうビブリオフィルに、「虚構世界はなぜ必要か?/SFアニメ「超」考察」の23回目、「ここ-今」と「そこ-今」を共に織り上げるフィクション/『君の名は。』と『輪るピングドラム』 (2)がアップされています。今回は、『君の名は。』について書…

●とりあえず目先の原稿は書けたので、ぼんやり過ごした。YouTubeで、80年前後のRCサクセションの映像をなんとなく観ていた。きっかけは、たまたま観た、81年の武道館ライブでの清志郎の動きがすごくよかったから。すばらしい動きだ。 https://www.youtube.co…

●清水さんの新しい本『実在への殺到』がhontoから届いた。しかし、「ユリイカ」はまだぼくのところに届かない。そして、地元の本屋には「ユリイカ」はないので、現物を未だ見ていない。「ユリイカ」幾原特集は本当に出版されているのだろうか。 ●実は、ジェ…

●ポエム。 現状というのは、過去からの様々な因果の結果によって出来ているのだから、「現状を変える」可能性があるのは、常に「新しい」何かでしかない。新しければ何でもよいということではないが、新しくなければ何かを変えられない。何にしろ、新しいも…

●ひきつづき、けいそうビブリオフィルの原稿。地味に積み重ねていって、最後のところでジャンプしたのだけど、それがちゃんと着地できているのか。『君の名は。』についてはここまでで、次回の『輪るピングドラム』に引き継がれるわけだが、この「ちゃんと着…

●ひきこもって、原稿を書く。けいそうビブリオフィルの連載の目標の一つに、出来る限り分かりやすく、論理的に明快に書く、というのがあるのだけど、今書いている最終章に限っては、そうとうややこしい話になってしまっている。一読して、すっと理解できると…

●東近美の「日本の家」。戦後日本の住宅建築の継起的で歴史的変遷を描くというのでもなく、戦後の住宅建築のマスターピースを選定するというのでもなく、「日本(の起源、の本質)」を強調するのでもなく、系譜学として配置された「日本の家」たち。「系譜学的…

●八月の半ばに寒さで目覚めるとは思わなかった。目が覚めてからしばらく震えがとまらなかった。気温が低いせいなのか、自分の体の変調なのか、少しの間わからなくて、どうやら気温が低いみたいだと分かってほっとした。 ●今週は原稿を二つ書くのだけど、いま…

●改めて観て『君の名は。』面白かった。瀧になった三葉は、股間に違和を感じ、「なんや、ある」と言ってそこに男性器の存在を知る。だが、男性として思うのは、普段、別に何もない時に、自分の男性器のことなどほぼ意識していない。しかし、勃起している時は…

●最近、尻が重たいというか、フットワークが重くなっている原因の一つに、ぼくのパソコンは動かない(デスクトップ型しか持ってない)というのがあると気付いた。やらなければならないことがいろいろとあり、それをやるにはネットにつながったパソコンが必要で…

●8B33の会合が終わり、午後十一時半くらい、渋谷駅の山手線内回りホームにいた。大崎行きの電車を一本やりすごして、品川まで行く次の電車をぼんやりと待っている時、「古谷さん」と声をかけられ、見ると山形育弘さんがいた。渋谷駅のホームで知り合いと偶然…

●リヴェットの『パリはわれらのもの』がDVDソフト化されていて驚いた。そして、それを観て、リヴェットが最初から完璧にリヴェット以外の何ものでもないことに驚いた。ある意味、一生ずっとおんなじことをやっていたということでもあるが、しかしこの「同じ…

●電車のなかに貼ってあった本の広告を見ながら思ったのだけど、「〜を科学的に証明」と宣伝文句にある本は、ほぼ確実に胡散臭いとみていい。科学は、その手続きからいって「証明」という語になじまない。「数学的に証明」というのは分かるけど、「科学的に証…

●「Twitch Plays」がたいへん興味深い。 100万人が16日間かけて「ポケモン 赤」をクリア(早送り動画) https://wired.jp/2014/03/04/twitch-plays-pokemon-victory/ 絶対に攻略不可能な『DARK SOULS』の「Twitch Plays」が始動、視聴者がコマンドをコメント…

●お知らせ。「ユリイカ」2017年9月臨時増刊号(総特集=幾原邦彦)に、「脱去する媒介者――『ユリ熊嵐』論」というテキストを書いています。 http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3070 そして、けいそうビブリオフィルの連載でも、これから幾原作品『…

●タックスヘイブンについて調べていて思ったのは、イギリスってすごく面白い国だということ。ロンドンの中心部に、ロンドンだけどロンドンじゃない、イギリスだけどイギリスじゃない、シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションという自律した地方政府があり…

●台風の前の、荒れた感じ。

●にわか勉強、まとめ。タックスヘイブンの、租税回避や途上国搾取とは別の側面。金融の不安定化した世界へ至る、歴史的道筋の概要。国家と銀行との戦いで国家が破れたのが八十年代。基本的なソースは『タックスヘイブンの闇』(ニコラス・シャクソン)で、それ…

●昨日、東中野からの帰りの電車で鎮西尚一さんが、保坂さんが「すばる」に書いていたのがすごく面白かったと言っていた。「すばる」ノーチェックだった。 http://subaru.shueisha.co.jp/backnumber/2017_08/ ●YouTubeで見つけた。『勝手にしやがれ!!英雄計画…

●ポレポレ東中野で、『夏の娘たち〜ひめごと〜』(堀禎一)。上映最終日。満席の上に補助イスが出て、さらに通路に座布団を敷いて観ている人もいた。上映後に出演者たちによるあいさつ。 映画の終わり近く、緑の木立のなかを自転車で走る西山真来が自転車から…

●以下は、あくまでぼくの「にわか勉強」による認識なので、間違ったところもあるかもしれません。 ●資本主義というと国(国家権力)と企業(資本)のことを考えるけど、それより、国と銀行(金融)と資本という三項を考えないといけないのだと、タックスヘイブンに…

●お知らせ。けいそうビブリオフィルに、『虚構世界はなぜ必要か?/SFアニメ「超」考察』の第22回、「「ここ-今」と「そこ-今」を共に織り上げるフィクション/『君の名は。』と『輪るピングドラム』」(1)が、公開されています。今回は、作品を論じるための前提…