2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2022/03/31

●川べりの桜。

2022/03/30

●『トロピカル・マラディ』(アピチャッポン・ウィーラセタクン)の前半で我々が見ることになるのは、ただひたすら楽しそうにイチャイチャしているゲイのカップルだ。彼らはとても滑らかに仲を深めていき、とても自然に性的な接触をするようになる。二人の、仲…

2022/03/29

●『チンピラ』(青山真治)をU-NEXTで観た。これを観たのは二十数年ぶりだろう。青山真治は、95年に『教科書にないッ』というVシネマをつくって、次の96年には『Helpless』『チンピラ』『我が胸に凶器あり』と、三本も作品が公開される。そして97年には『WiLd …

2022/03/28

●『トロピカル・マラディ』(アピチャッポン・ウィーラセタクン)がYouTubeにあったので、こっそりと観た(ロシア語の字幕とナレーション付きのやつを、自動翻訳の日本語字幕をつけて観た)。本当に今更という感じだけどすごい。こんなにすごかったのかアピチャ…

2022/03/27

●『シェイディー・グローヴ』(青山真治)をU-NEXTで観た。15年ぶりくらいで観たけど、思っていたより悪くなかった、というか、思いの外よかった。いや、「これはない」というところがたくさんあるのだけど、最終的には力業でもっていかれて、なんとなく納得さ…

2022/03/26

●『空に住む』(青山真治)をU-NEXTで観た。とてもよかった。青山真治の映画を、最後まで反感を抱かずに観られたのは『WiLd LIFe』以来かもしれない(それは良いことなのか悪いことなのか…)。亡くなったのを知って観たことによるバイアスもあるかもしれないが。…

2022/03/25

●『凱里ブルース』(ビー・ガン)からは、老成と素朴とが同居している、後に巨匠となる早熟なシネフィル系監督の初期作品という雰囲気がプンプンと感じられる。作品として似てはいないが、雰囲気としてベルトルッチの『革命前夜』とかカラックスの『ボーイ・ミ…

2022/03/24

●たとえばアピチャッポンは、20世紀的な「映画」とはまったく違った地点から作品をつくっていると思うが、ビー・ガンはそうではなく、若いとはいえ普通にシネフィルだと思われ、(圧倒的にセンスがよいというのは前提として)その点では特に大きな謎はなく、ま…

2022/03/23

●『凱里ブルース』(ビー・ガン)をU-NEXTで観た、前から気にはなっていたけど、もっとはやく観ればよかった。熱いものがこみ上げるというか、なにかがかき立てられるような映画だった。ちょっと的外れかも知れないが、80年前後のパロディアス・ユニティを想起…

2022/03/22

●地味にヤングコーンにハマっている。水溶き片栗粉でとろっとさせた野菜炒めのなかのヤングコーンの絶妙な存在感。 ●榎戸耕史が演出した『永遠の時効』というテレビドラマがYouTubeにアップされているのをまたまた見つけたので観た。原作モノで、正直お話は…

2022/03/21

●『リバー・オブ・グラス』(ケリー・ライカート)をU-NEXTで観た。『ライフ・ゴーズ・オン』、『ナイト・スリーパーズ』、『オールド・ジョイ』、『ウェンディ&ルーシー』と観てきて、ケリー・ライカートは五本目。あと『ミークス・カットオフ』を観れば、日…

2022/03/20

●『世紀の光』(アピチャッポン・ウィーラセタクン)をブルーレイで観た。アピチャッポンは『ブンミおじさんの森』がちょっと苦手だったので、今まであまり積極的に観ようという気持ちになれなかったのだが、(まったく今更という感じだが)これはとてもすばらし…

2022/03/19

●『自然なきエコロジー』(ティモシー・モートン)の序論を読んだ。これはかなり強いロマン主義批判なのだと言い(「自然」という語はロマン主義的なものだ)、しかし、我々は未だその内にあり、さし当たってロマン主義的な方法しか持っていないとも言う。そして…

2022/03/18

●『まあただよ』(黒澤明)には、師弟関係のユートピア状態のようなものが描かれている。一方が他方を搾取するというのではなく、理想的な相互依存のような状態が生まれている。映画を観ていて、このなかにいる人たちは、先生も生徒たちも(そして、あまりにも…

2022/03/17

●お知らせ。文学ムック「ことばと vol.5」に、短編小説「騙されない者は彷徨う」が(今回は「私小説?」です)、浄土複合が発行する芸術誌「Jodo Journal 3」に、「桂離宮とバイロケーション(柄沢さんとの思い出とその作品について)」というテキスト(柄沢祐輔と…

2022/03/16

●『1936年の日々』は、アンゲロプロスの初期作品(長編二作目)であり、既にアンゲロプロスを決定づける特徴的な要素の多くがみられるが、その後の作品とは異なる点もいくつかみられる。 まず、この作品には、ギリシアと聞いてすぐ思い浮かべるような特徴をも…

2022/03/15

●『1936年の日々』(テオ・アンゲロプロス)をDVDで観た。 アンゲロプロスは若い頃から大好きなのだが、一時期、「気持ちとして今ちょっと観られない」感じになっていたことがある。アンゲロプロスに限らず、(いわゆるシネフィルに評価されるような)二十世紀の…

2022/03/14

●ブレッソンのように、純粋にシネマの可能性を追求するという方向もあるのだが、一方で、演劇が映画(映画のカメラ)に出会うことによって生まれる新たな時空のあり方もある。初期の大島渚の長回しはそういうものだと思うし、昨日の日記で書いたアレクセイ・ゲ…

2022/03/13

●ぼんやりしていると、ニュースを追いかけてしまって戦争の映像ばかり見ることになるので、そうならないように映画を観ている感じがある(戦場で殺し合っている夢を見て目が覚めた)。 『わが友、イワン・ラプシン』(アレクセイ・ゲルマン)をDVDで観た。ペレス…

2022/03/12

●『竜とそばかすの姫』(細田守)をU-NEXTで観た。うーん。120分では短過ぎるし、120分では長すぎる、という感じ。 自分のスタジオをもって、そこで数年かけて(ジブリ級のメジャー作品が期待される)一本の長編をつくり、それでスタジオを維持していくというシ…

2022/03/11

●(昨日の補足)パラジャーノフはアルメニアの映画作家だが、現在ではジョージアとなっているトリビシで生まれ、モスクワで映画を学び、現在ではウクライナであるキエフで映画監督としてのキャリアをスタートさせた(ソ連時代は、このすべてがソ連だったわけだ…

2022/03/10

●『ざくろの色』(セルゲイ・パラジャーノフ)をDVDで観た。ずいぶん久々に観たが、つまりこれは、時間と空間の外で起る出来事であり、時空の因果とも、出来事の因果とも異なる因果によって、事物と事物とが関係する様が表現されているのだなあと思うのだった。…

2022/03/09

●『エクリチュールと差異』、改訳版が出るなら読んでみたいなと思った。旧訳版は持っているのだが。それにしても、最近の人文書は普通に五千円を軽く越えてくる。ちょっと前までは、一万円で本が三冊買えないなんて…(三冊買うと必ず一万円をこえる)、と思っ…

2022/03/08

●ロベール・ブレッソン『バルタザールどこへ行く』をDVDで観た。ブレッソンは、不良少年とかロックとか、そういうアメリカ的なものが大嫌いなのだなと思った。この映画でも『ラルジャン』でも、不良少年は一睡の余地もない卑小な悪そのものとして存在してい…

2022/03/07

●『ウェンディ&ルーシー』(ケリー・ライカート)をU-NEXTで観た。ケリー・ライカートを観たのはこれで四本目だが(『ライフ・ゴーズ・オン』『ナイト・スリーパーズ』『オールド・ジョイ』)、静かにじわじわハマりつつある。この映画など、アメリカという風土…

2022/03/06

●妄想的な思いつきだが…。 (まず常識として)独裁者をつくらないために死守すべき最低限のルールは、権力者の在任期間の制限だと思われる。どんなに優秀な人でも、どんなに立派な人格者でも、たとえ後任の人材に不安があろうと、一定期間を過ぎた権力者は交替…

2022/03/05

●おそらく陰謀論に至る思考には三つくらいの特徴がある。(1)敵の過大評価、(2)常識に対する逆張りへの好み、(3)ノイズや小さな徴候から過剰な意味を読み込む。 (1)最初にあるのは不信感ではないか。右派からはじまる陰謀論では、リベラリエリートへの不信や…

2022/03/04

●夢。何人かで港を歩いている。港から砂浜につながる境のところにシャワーがついていて、水が上から降っている。そのシャワーに気づかずに通り抜けようとして、服を着たまま水を浴びてしまう。しかし、ずぶ濡れになったことで、海へ入ろうという皆の気持ちが…

2022/03/03

●『アダプテーション』(スパイク・ジョーンズ)をU-NEXTで観た。すごく凝った構成なので退屈することはなかったが、面白いというほどでもないか、と思った。自分自身の内側に自分自身が何重にも折り畳まれているという意味で、自己言及的な襞構造になっている…

2022/03/02

●何をしていても、気になって、ネットでニュース映像を探してしまうのは、本当に良くないことだ。感情が軽く破壊されてしまっているのだ。そんなことをするくらいなら、確定申告の書類でも作って、「自分自身の現状」を心配する方がいい。 知識も情報もない…