2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2022/08/31

●いよいよパソコンがダメだ。あらゆる動作が遅く(重く)、あまりにしばしばフリーズする。再起動すると、一日、二日はなんとか使えたので、騙し騙し使ってきたが、再起動してもダメな感じになった。ハードディスクの寿命がだいたい五年と言われるが、買って確…

2022/08/30

●『モザイクジャパン』には、二つの重要な軸があると言っていいと思う。一つは、物語の主線となる永山絢斗とハマカワフミエとの関係で、もう一つは、ほとんど表に出ない潜在的な軸としてある、高橋一生と二人の女子高生との関係だ。 二人の女子高生は、高橋…

2022/08/29

●坂元裕二脚本ということで、『モザイクジャパン』を観た。2014年、WOWOW製作のドラマ。さすがにこれは地上波では無理だろうと思うのは、AV業界が舞台で性描写がたくさんあるからというより、他の作品にもチラチラ見られる、日本的なもの、保守的なものへの…

2022/08/28

●買った本(少なめ)。 ●『レストー夫人』の三島芳治さんがぼくの本を読んでいたみたいでうれしい。 この米澤穂信論を書いたのはもう十五年くらい前だけど、自分としても気に入っている。そして、十五年経っても未だ「小市民シリーズ」は完結していない(完結編…

2022/08/27

●昨日からのつづき。『世界は時間でできている』(平井靖史)、第三章「過去を知る」より、引用、メモ。 ●「人格(人格質)」という凝縮(階層3) 《(…)ベルクソンは、最初期から一貫して、私たちの心・自我・人格が、過去の経験全体からなると考えている。》 《(……

2022/08/26

●『世界は時間でできている』(平井靖史)、第三章「過去を知る」より、引用、メモ。 (たとえば、デジカメは自分が保存しているイメージを見ているわけではないとは言えるが、では、デジカメをセンサーとした顔認識システムもまた、イメージを見ていないと言え…

2022/08/25

『初恋の悪魔』のことばかり書いているのもどうかと思うのだが…。 坂元裕二の作風には、相反する二つの方向性がある。一つは、とても複雑な構築性だ。ある場面(出来事)Aがあったとする。そしてその意味が、当初はaだと思っていたが、後に文脈が変わることでb…

2022/08/24

●U-NEXTに『バタアシ金魚』(松岡錠司)が入っていたので、おお、懐かしいと思って観た。1990年公開の映画。筒井道隆も、高岡早紀も、浅野忠信も、まだ十代(東幹久は二十歳くらいか)。浅野忠信のクソガキっぷりがすごい。 懐かしいという思いだけで観たが、割…

2022/08/23

●間が空いてしまったが、『世界は時間でできている』(平井靖史)、第二章「どうすれば時間は流れるのか」を読んだ。ベルクソンの、持続=相互浸透というような言い方は、感覚的にとても腑に落ちるがゆえに、逆に、警戒心を抱いてしまうところがあるのだが、こ…

2022/08/22

●怖い。まる一日かけて書いたテキストが、きれいに一日の作業分すべて消えてしまった。途中で何度も保存していたのに、こんなことあるのか。 テキストを書いたり、スライドを作ったり、簡単な作業をするためだけに買った古い中古のPCなのだが、このPCは、去…

2022/08/21

●『初恋の悪魔』について、よいカットが一つもないとか、絵や照明がうつくしくないとか言っている人がいて、まあ、言いたいことは分かるのだが、この作品は「大豆田とわ子…」のような、きれいな絵(画面)とおしゃれファッションを楽しむような作品とは違う、…

2022/08/20

●『初恋の悪魔』、第六話。五話、六話で予想外の展開がくるというのはこれまでも坂元裕二をみていれば予想通りだとはいえ、それでもやはりびっくりする。完成度の高さや形式的なきれいさをうっちゃってまで、ある意味で下品だとさえ言えるくらいの意外性がぶ…

2022/08/19

●最近、VECTIONで考えていることの一つに、何かしらの政治的主張を評価するときに、「Goals」「Condition」「Mechanism」の三つのレベルすべてについて検討し、それを掛け合わせて評価すべきではないかということがある。足すのではなく掛ける必要があるのは…

2022/08/18

●『獣になれない私たち』の登場人物で、田中圭のあり方のバランスはとても難しいと思った。彼を「悪役」にしてはいけないし、田中圭と新垣結衣の過去の関係を「間違い」にしてはいけない。しかし同時に、新垣が田中と別れることの必然性を感じさせ、かつ、彼…

2022/08/17

●『獣になれない私たち』、一話だけでやめておこうと思ったのだが、すばらし過ぎて最後まで通して観てしまった。ドラマを観始めると際限なく時間をとられてしまう。 『獣になれない私たち』は、ぼくが観ている限りで一番よい野木亜紀子作品だと思う。『アン…

2022/08/16

●ぼくはアンチカリスマ主義で、カリスマがいるところにはカルトがあると思っている。いたるところに小さな、そして大きな、さまざまなスケールのカリスマがいて、カルトがある。 (カリスマは害悪だと思うが、弱毒化されたカリスマとしての「推し」なら、必要…

2022/08/15

●『初恋の悪魔』を五話まで観たところで、振り返って一話を観直した。テレビドラマをたくさん観る方ではないが、今まで観た日本のテレビドラマで一番キレキレだと思ったのが『獣になれない私たち』だったのだが、一話に限っていえば、それを軽く超えてきたと…

2022/08/14

●『初恋の悪魔』の五話で分かったことは、このドラマでは過去が二種類あるということだ。回想される過去と、検証(再構成)される過去。これまでこのドラマでは、過去の(一部を除いた)ほとんどが回想されるものではなく、検証される(再構成される)ものだった。…

2022/08/13

●『初恋の悪魔』、第五話。ある意味、予想通りに、予想できない展開がきた。『カルテット』では六話(五話のラスト)で失踪していた松たか子の夫(宮藤官九郎)がいきなりあらわれ、『大豆田とわ子と三人の元夫』でも、六話で市川実日子の死という、それまで積み…

2022/08/12

●中学生の時、YMOとか、あるいは山下達郎など後にシティポップと呼ばれるようになる音楽とかを好きになる直前に(というか、一時期重複していたと思うが)、ほんの一瞬だけ横浜銀蝿にハマったことがある。横浜銀蝿の翔のボーカルは、そのいかつい見た目とうら…

2022/08/11

●青山真治が2015年につくったドラマ、『贖罪の奏鳴曲』をU-NEXTで改めて観てみた。前に観た時に、この日記に《ほとんどそのまま『ユリイカ』その後ともいえる話》だと書いていて、まさにそうなのだが(三上博史は、大人になった『ユリイカ』の宮崎将だといえ…

2022/08/10

●「ランダム再生「偽日記」@インスタグラム」をはじめたので、自分の書いた過去の日記をランダムに読み返すことが増えた。で、2001年の8月26日の日記にちょっと面白いことが書いてあった。 笠井潔『群集の悪魔』/風俗/革命/ラカン/ジジェク(だらだらつづく話…

2022/08/09

●『世界は時間でできている』(平井靖史)、序章と第一章を読んだ。(あくまでぼんやり知識としてなんとなく)聞きかじっているベルクソンの思想のピースが、ほぼ知っている通りの形ででてくるのだが、しかしそれらが一つ一つキレキレに磨き上げられていて、現在…

2022/08/08

●作品を観る、あるいは分析する、批評するときに目指す方向として、おおざっぱにいって二つの方向性がある。「解像度を上げる」という方向と「適切に粗視化する」という方向。 「粗視化」というのは統計的な処理によって解像度を下げることで---たとえば「熱…

2022/08/07

●『初恋の悪魔』から感じられる「密度」は、一方で、単位時間あたりに盛り込まれる表現上のアイデアや工夫の量の多さによるが、もう一方で、複数の異なる「速度(リズム)」の並走ということにもよると思われる。 おおざっぱにみて、おそらく四つくらいの、リ…

2022/08/06

●『初恋の悪魔』、第四話。我ながら、そんなところでばっかり痺れるのもどうかと思うけど、松岡茉優が撃たれた場所と、佐久間由衣が撃たれた場所が同じ(右の鎖骨の辺り)ということに気づいた時に、ゾワゾワッとした。さすがにこれは物語内容としての関連はな…

2022/08/05

●『オルター・ポリティクス』(ガッサン・ハージ)、第2章まで読んだ。この部分では、著者による世界の現状分析というか、現状認識が示されていた。そしてそれは、ぼくにとってはとても説得力が感じられるものだった。「よいことをする」あるいは「よい方向へ…

2022/08/04

●『オルタ・ポリティクス--批判的人類学とラディカルな想像力--』(ガッサン・ハージ)という本が気になっている。だが、ネットで目次はみられるものの、まったく未知の著者なので、どんな感じか中身をパラパラみて確かめてから買いたい。といっても、近くに大…

2022/08/03

●『夜の女たち』(溝口健二)。これはすばらしかった。今まで観たミゾグチで一番すごいと思ったのは『残菊物語』だけど、これは、それに次ぐぐらいにすごかった。映画の空間というのは、こんなにも驚くべきものなのか、と。この映画のミゾグチは、巨匠というよ…

2022/08/02

●坂元裕二のドラマをいくつか観て、全十話なら、十話全体での大きな展開のパターンがあるように思った。もっとも粗い、おおざっぱな見取り図のようなものとして。今やってる『初恋の悪魔』でもこのパターンが踏襲されるかどうかは分からないが、三話目までは…