2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

●朝早く起きて、六時過ぎから、午前中いっぱい、たっぷりと制作する。昼過ぎに、近所のツタヤに借りていたDVDを返しに行き、そのまま散歩する。今日はとても日差しが強くて暑いけど、蒸し蒸しした感じはなく、風が吹くと涼しい。散歩に疲れると、冷房の効い…

●作中人物は、あくまで作品内部で存在するものだが、ギャラクターは作品から切り離されても存在する。例えば、A.A.ミルンの書く、くまプーは、『くまのプーさん』や『プー横町にたった家』のなかの作中人物(動物)であり、その作品世界とともに(同時に)たちあ…

●まだ実物を確認してはいないけど、8月20日に出た「ホームシアターファイル」という雑誌に、(DVDが出たのにあわせて)ヴェンダースの『アメリカ、家族のいる風景』についての短いレビューを書いています。「映画芸術」に書いたのとは、少し違った視点から書い…

●午前中から昼過ぎくらいまで制作。新しいことの滑り出しとしては、まあ、いい感じ。午後から、制作で過剰に酷使した頭をクールダウンさせるために、二時間くらいかけてゆっくりと散歩する(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/sanpo.html)。それほど暑…

●タブローで、今までつくったことのないくらいの小さいサイズの作品をつくろうと思って、画材屋に行って、いろいろ買い物をする。少し前に、ゆーじん画廊で観た岡崎乾二郎展で面白かったのはなんといっても小品で(それも、特にそのなかの一点で)、それはぼく…

●久しぶりに「批評空間」の「モダニズムのハードコア」をパラパラと見ていたら、岡崎乾二郎が、もう、悟性で押せるだけ押すしかない、というようなことを言っていた。《ティツィアーノやプッサンの絵の豊かさに比べとき現代美術がいかにも貧弱に見える》のは…

●浦賀和宏『松浦純菜の静かな世界』。読んでいる間は、文章が退屈だとか、内容が幼稚だとか思っていて、うんざりしつつも、でも、ある意味では凄く上手くて、小刻みに視点(目先)を変えてリズムをつくり、時間の順序を微妙に前後させたりしつつ、細かいパーツ…

●今月のはじめ頃からちょっとずつ書いていた、(ボツにならなければ)ぼくが今まで雑誌に書いたなかで最も長いものとなるエッセイ(といっても、三十枚弱なのだけど)が、とりあえず最後まで書けた。このエッセイは、全体の構成などまったく考えずに、書き出しに…

ひまわり

●展覧会を観に行くために出掛けて、駅前のスーパーの裏にある畑に生えているヒマワリに陽が当たっているのを見て、凄く絵が描きたくなる。ヒマワリを描きたいというのではないのだが、気温や湿気まで含めた、その場の状態の全てに、刺激された。この感じ(刺…

蒸し暑い夜

●蒸し暑い夜。どこかのビルのボイラーが駆動する音がゴウゴウと唸っている。狭い一方通行の車道を、二列になって車がひしめいている。先の信号でつかえて、なかなか進まない。歩行者は、そんな車の隙間をすり抜けて、信号も横断歩道も関係なく、ぽろぽろと横…

清水崇『輪廻』をDVDで

●清水崇『輪廻』をDVDで。これはとても面白かった。清水監督の作品としては『呪怨』のオリジナル版(最初にビデオで出たやつ)以来のよい作品だと思う。まあ、『呪怨』は、とにかくバラバラな小ネタを圧縮してつないでゆくことを徹底してやったことで結果とし…

夢の話

●夢の話。高校か中学かの教室。一人で残って勉強している。外は暗い。蛍光灯の光。教室の後ろの方で、黒板に背を向けて、清掃用具入れに向かい合うように座っている。教科書や参考書を参照しつつ、数学の問題を説いているのだが、時間をかけている割に、まっ…

●引用。メモ。樫村晴香「存在の犬/物象化論と弁証法・唯物論」より 《具体的なりんごを再度前にしてみる。四肢論ではつねにすでに構造の網の目によって分節され、etwas Mehrとして、要するにりんごとして見える。私は、りんごの視覚は積算され続けるプロセス…

●意図的に長時間露光されたものでない限り、写真の画面全体をくまなく眺めるには、シャッタースピードよりも長い時間がかかる。つまり写真を見る時、短い時間で捉えられたイメージを、長い時間かけて見ることになる。そのような「見え方」をする世界は、人間…

●必要があって、ヴィスコンティの『ベニスに死す』をDVDで観た。もしかすると、高校生くらいの頃にテレビで観て以来かもしれない。とにかく、劇場でちゃんと観た記憶がない。ちょっと驚く程陳腐な話(トーマス・マンの原作はどうなのか知らないけど)なのだが…

●「今年はきっと秋がはやいな」と、朝方の涼しい雨のなかでTさんが言った。すぐに気温は上がりだし、じめじめした暑さが支配して、朝方の秋の気配など忘れてしまうような陽気になるのだったが。季節は均一に、なめらかに、変化するのではなく、斑状に、そし…

●クレパスで描いていると、その色数の少なさですぐ壁に突き当たる、と前にも書いた。色数とは、たんに色のバリエーションのことではなく、狭い幅のなかでの、細かい違いが出せないということだ。例えば、ぼくが普段タプローの制作の時使っているカラージェッ…

ある日

●夜中の三時過ぎにふと目が覚めて、それからまったく眠れなくなってしまった。仕方がないので起きだして、昨日、渋谷のタワーレコードで買った『ぼくは12歳』(中山千夏・高橋悠治)を聞いていたら、さらに頭が頭が冴えて眠れそうになくなってきた。『ぼくは12…

ジャコメッティ・大谷圭

●出かける時に持って出て、電車のなかでジャコメッティ展の図録を眺めた。実際に観た時にはあれだけ明確に見えていたものが、図録の写真からはあまり見えてこない。特に彫刻の作品は、写真だと全然わからない。それは、彫刻が三次元のもので、多方向から観ら…

ジャコメッティを観てしまったということの衝撃が、

●ジャコメッティを観てしまったということの衝撃が、ジワジワ効いてきている。自分が作品をつくること、あるいは、自分がいままで「良い」と思っていた作品のあり方などが、根本から揺るがされているかのような。 前も書いたけど、ジャコメッティのペインテ…

引用。メモ。「世界における索引と徴候」(中井久夫)より

●引用。メモ。「世界における索引と徴候」(中井久夫)より。 ●《フロイトの夢の研究に徴しても、老人の回想に照らしても、「現在との緊張における」という限定詞つきの意味での「個人的過去の総体」は一般に「人格」と呼んでいるものにほぼひとしい。人格は、…

アニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』(0)と(1)を観た

●DVDで出ていたアニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』(0)と(1)を観た。これだけじゃまだなんとも言えないけど、原作が、視覚的な要素や動きがきわめて乏しい、基本的に「語り=言葉」で構築された、理屈っぽいとも言えるものなので、アニメとして成立させるのは難しい…

●夏の夕方。午後七時ちょっと前。部屋から駅へと緩やかな坂を下ってゆく。昼間に日が射さなかったので、地面からの放射熱が全くなくて涼しい。台風が去った緩んだ感じの後の空気は、いろいろなにおいを強く際立たせる。植物の青臭さ、土のにおい、夕食をつく…

●夏の夕方。新宿、六時四十分頃。駅構内から階段を昇って、アルタ前の広場へ出る。それほど暑くはないが、べたっとした空気に肌が包まれる。風がない。信号の前には多くの人が溜まっている。空気のこの湿り気は、気象上のものであるというよりは、露出された…

●ひきつづき、サクラクレパスのドローインク(お絵描き)。色数は、スーパーで買った16色から、文房具屋で買った20色のに増やした。すごく楽しいのだけど、こんなにだらしなく楽しんでしまっていてもよいものなのか、とも思う。墨汁と筆で、線のドローイングを…

●アパートの部屋から駅前のスーパーまでの道を歩いているだけで充分に「夏」で、確かに暑いのには参るけど、ぼくは緑がうずまくほどに過剰に主張する夏の風景と光がとても好きなので、それだけでとてもうれしいのだった。(こんな感じ。http://www008.upp.so-…

吉田健一『瓦礫の中』

●必要があって、吉田健一『瓦礫の中』を久しぶりに読み返してみたら、思っていたよりずっと面白かった。この小説はは、戦後の焼け野原になった東京で、家がないので防空壕で暮らす人たちの話から始まるのだが、そんな特異な状況であっても、彼らは、吉田健一…

町田康『屈辱ポンチ』

●町田康『屈辱ポンチ』。いままであまり町田康を読んだことはなかったし、『告白』は途中まで読んでやめてしまったのだけど、この本は(特に「けものがれ、俺らの猿と」は)凄く面白い。今にもヨレヨレになってしまいそうなのに、決してヨレヨレになることなく…

●本を、がっつり読む必要があったので(自分の部屋で読んでるとついだらけて眠くなったりしてしまうので)、喫茶店やファーストフード店やファミレスを何軒もはしごして、一日ずっと読んでいた。(気持ちがだらけると、何冊も本が入った鞄を肩から下げて、場所…

お知らせ、と、岡崎乾二郎

●お知らせを二つ。今出ている「映画芸術」(416号)に、{交錯と断絶」というタイトルで時評を書いています。ツァイ・ミンリャン『楽日』と、アルノー・デプレシャン『キングス&クイーン』について。もともとのタイトルは「地縛霊とモンスター」というものでし…