2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

岡本太郎「明日の神話」

●先日、デュマス展を観に東京都現代美術館へ行った時、常設展示のスペースで岡本太郎の「明日の神話」が展示されていた。はじめて太陽の塔を観た時(本当は三歳の時に両親に連れられて大阪万博へ行っているので、その時に観ているはずなのだが記憶がない)、と…

のだめ

●お知らせ。今出ている「風の旅人」Vol.26(LIFE ITSELF)http://www.eurasia.co.jp/syuppan/wind/index.htmlに、「形が生まれること、それによって見えなくなるもの」という文章を書いています。 ●ここ何日か、実写版「のだめカンタービレ」を少しずつ観てい…

感覚のインデックス

●ぼくは貧乏だし育ちも悪いのでそんな世界とは程遠いけど、例えばワインの味を言葉で細かく形容するみたいな文化がある。これはおそらく、味という感覚を言葉によって表現するというよりも、感覚の不確かさや不安定さを、言葉を用いることによって補強し、確…

●差し迫った用事があるのに、ここ数日なにかとその用事から逃避したがる傾向にあって、ここ何日かの日記が長めなのもその反映だろうと思う。昨日の夜などは、何年も前に買ったけどなんとなく敬遠して読んでいなかった本をいきなり読み始め、読み始めたら意外…

最近のヨーロッパ絵画のイメージについて

●ぼくは何故、絵画の復権以降の、現代のヨーロッパの絵画の傾向が嫌いなのだろうかと考える。まず、彼等がやっていることは、絵を描くことではなくて、(既にあるものとしての)「イメージ」を収集し、手を加える(掛け合わせ、編集し、変形させる)というような…

『悪魔とダニエル・ジョンストン』(ジェフ・フォイヤージーグ)をDVD

●『悪魔とダニエル・ジョンストン』(ジェフ・フォイヤージーグ)をDVDで。ぼくはこの人の音楽にも絵画(絵画は落書きにしかみえない)にも興味はないしよく知らない。ただ、「伝説のミュージシャン」ではなくても、アメリカにはこういうような人はけっこう多い…

ラカンにおいて、精神分析医が

●ラカンにおいて、精神分析医が患者に対してとる位置には三つの段階がある。最初に、「知っていると想定される主体」として、次に「対象a」として、そして最後に「もの」として、患者に対する。それぞれが、象徴的な他者、想像的な他者、現実的な他者、に対…

『パプリカ』(今敏)をDVDで

●『パプリカ』(今敏)をDVDで。今敏は初めて観た。いままで、なんとなく好きではなさそうな感じで敬遠していたのだが、その予感は当たっていた。これを観ると、例えば神山健治の『攻殻機動隊S. A. C Solid State Society』が、いかに考え抜かれてつくられた優…

四十歳になった

●四十歳になった。散歩した。あとは、部屋にこもって、ひたすら用事をこなす。 ●今日の散歩(07/05/23)http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/sanpo070523.html

●昨日につづいて、甲野善紀の引用。メモ。(『剣の思想』より) 《刀法には、どうあっても捌かなければならない敵手というものがいる。この敵手は、できる限りこちらの意表に出ようとします。こちらとは異なる原則を持ち、それによって絶えず付け入ろうとして…

ちょっと、昨日と関係したこと

(ちょっと、昨日と関係したこと) ●武術などの訓練で、自分ひとりで型をやっているよりも、自分とは違う能力や身体を持った他人と組み合って、実戦的な訓練をする方が、より開かれていて、自分の欠点(盲点)なども見えやすく、質的な変化を得やすいのではない…

対人関係(パフォーマーと観客と作品と)

●ダンスや演劇などのパフォーマンスでは、観客が演者を観ているだけでなく、演者もまた、観客を観ている。勿論その視線は決して対称的ではないが、しかし観客がただ観ているだけでなく観られてもいることの意味は大きい。例えば、一人で部屋に居て、本を読ん…

「やらない」こと

●人は、積極的に何かをしたことに対しての評価を下すことは出来ても、あえてそれを「しない」ことに対する評価を下す事はむつかしい。何かをすれば、それが良い事であろうと悪いことであろうと、その行為と結果との関係がわかりやすい。それになにより、「何…

人体クロッキー

●相変わらず人体クロッキー(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/d070518.html)はつづけている。ようやく、少しは線がこなれてきつつあるように思う。幸か不幸か(って、不幸なんだけど)、今のところ次の発表の予定が決まっていないので、今やっているこ…

アラン・プラテル・バレエ団「聖母マリアの夕べの祈り」

●勧められて、アラン・プラテル・バレエ団の「聖母マリアの夕べの祈り」を、渋谷Bunkamuraオーチャードホールに観に行った。最初、幕が開いて、舞台の上にシャツとか肌着とかを思わせるような白い布で覆われた大きな山のような舞台装置があらわれた時には、…

東京都現代美術館で、マルレーネ・デュマス展

●東京都現代美術館で、マルレーネ・デュマス展「ブロークン・ホワイト」 友人から「デュマス観た」と言われて「誰?」と応えたら「え、知らないの」と呆れられた(とても有名な人らしい)ので、観に行った。80年代以降、「現代美術」はあまりにも何でもアリにな…

分析哲学と荒川修作(樫村晴香による)

●まず引用。分析哲学について。「アトリエの毛沢東」(樫村晴香)より。 《まず、ラッセル等で、諸物と記述の解離がどう生じるかを見てみよう。 例えば「ソクラテスは人間である」という命題が可能なとき、本来、人はソクラテスを知らねばならないし、人間とは…

散歩

●11日に散歩した時、住んでいるところから二時間くらい歩いて辿り着いた(迷い込んだ)地点に、今日は30分ちょっとで行き着いてしまった。この前の場所は、だいたいこっちの方角な感じだなあ、というカンを頼りに歩いていたら、あっけないほどすんなり行き当た…

夢の話

●夢の話。明日は大学受験の日だが、ぼくはまったくその気になっていない。だいたい、明日の試験が何時からはじまるのかも知らなくて、家に帰ってからインターネットで調べておかなくちゃ、と思っている。受験する大学までちゃんと行けるのかもあやしい。(そ…

「私」の(同一性ではなく)連続性

●何年も前に書いた日記を読み返したりすると、それを本当に自分が書いたのかと驚いたり、恥ずかしくなったりすることがある。と、言うことをよく言ったりする。しかし実は、それを意外に感じたり、違和感をもったり、恥ずかしく思ったりしながらも、どこかで…

散歩

●午後になってビデオを返すために外へ出たら、光がとても澄んでいて、空気の感触がさらさらして気持ちよかったので、ビデオはさっさと返して、気になる新作も出ていたけど借りずに手ぶらで店を出て、方向も定めずに歩き出した。風がかなり強いけど、そのおか…

ラウル・ルイス『クリムト』をDVDで

●ラウル・ルイス『クリムト』をDVDで。ラウル・ルイスは百本以上の映画を撮っているらしいのだけど、ぼくが観たのは『見出された時』だけだ。で、『クリムト』は基本的に『見出された時』の縮小再生産のように感じられてしまう。 ラウル・ルイスは、クリムト…

モネ大回顧展、追記

●モネの睡蓮の連作を網羅した(異様に横長サイズの)画集を持っていて、昨日の日記を書いたあとそれを観ていて反省したのだけど、「回顧展」のつくりだす「偽の物語」にハマってしまっていたところがあったのかもしれない。画家の作品は、世界中のいろんなコレ…

モネ大回顧展、その他

●国立新美術館のモネ大回顧展について。モネの色彩は、決して明るくはないし、澄んでもいない。多くの作品でむしろ、暗くて濁っている。そして、モネの絵画独自の魅力は、(いかにも印象派的な明るい絵よりも)暗くて濁った色彩にこそあるようにぼくは思う。濁…

モデルとポーズ

●乃木坂の国立新美術館で、モネ大回顧展と、「異邦人たちのパリ/1900-2005」、青山のナディッフで、田中功起「サウンド・テストほか」、神楽坂のアユミギャラリーで、井上実・展(二度目)。 ●昨日のデッサン会で来ていたモデルは、ポーズのひとつひとつがいち…

デッサン会の三回目

●デッサン会の三回目。昨日から腹の調子が悪くて、スポーツドリンクとプリンくらいしか口にしてなくて、ふらふらだったけど出掛けた。 ふらふらな体には、絵を描く前に荷物が重いのがつらい。B2(515×728ミリ)の画用紙を使って描いているので、それより大きめ…

夜中に腹を下す

●夜中に腹を下す。思い当たるものといえば、昨日の夕食の時食べたプチトマトの一個が、口に入れて噛み、表面の皮が破れて中味が口中に広がった時に「いやな味」がしたのだが、吐き出すもの面倒だし、プチトマト一個くらい大したことないと思って、勢いでその…

●しなければならないことがあって、最近ずっと部屋に引きこもっているのだけど、買い物のために外へ出ると、外は本当に良い陽気で、家々の庭の木々や、お稲荷さんの祠の脇に生えている木の葉の緑などが、風でゆらゆらと揺れているのを眺めているだけで、頭の…

全能感と無力感/榎戸洋司と米澤穂信

●『フリクリ』のvol.1〜3までをDVDでまた観て、あらためて傑作だと思う。 ●ところで『トップをねらえ2!』の4話のDVDには、脚本家の榎戸洋司のインタビューが収録されていたのだが、このインタビューを聞いていて、米澤穂信が「ユリイカ」の対談で言っている…

夢の話

●夢の話。高校の教室の南側はほぼ全面が窓になっていて、そこから海が見える。(実際にぼくが通っていた高校の教室からも海が見えた。)教室のなかにはほんの数人だけ生徒がいて、ぼくもそのなかの一人だ。外はよく晴れて、海は水色というよりも群青色のように…