2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

08/02/29

●『電脳コイル』、15話から17話をDVDで。凄い面白い。お話が急速に核心に近づいた感じ。でもまだ先は長いので、まだまだ何かあるのだろうけど。こういう言い方は安易だし下品でもあると思うのだけど、それでもやはり、押井守的なもの(『うる星やつら2』だけ…

08/02/28

●『ゾディアック』(デヴィッド・フィンチャー)をDVDで。面白かった。デヴィッド・フィンチャーの映画をはじめて面白いと思った。出だしのところでは、もしかして凄い傑作なんじゃないかっていう予感が漂っていたのだけど、まあ結局は、そこまで凄くはなかっ…

08/02/27

●熊谷守一はおそらく、天性の色彩家ではないと思う。初期の作品ではむしろ、かなり色彩を恐れているようにすらみえる。クマガイにとって色彩は常に、不安定なもの、妖しいもの、制御困難なもの、としてあるようだ。1917年に描かれた、「風」で、風によってし…

08/02/26

●美術作品がある空間に展示される時、そこにはことなる二種類の空間が発生する。作品が置かれることで、その空間全体に及ぼす影響と、その作品そのものが内包する(作品そのものの作用の内にある)空間だ。この二つを厳密に分けることは難しいが、しかし、混同…

08/02/25

●お知らせ。6月の後半(16日~29日)に、埼玉県川口市にあるギャラリー(masuii R.D.R gallery)で、画家の永瀬恭一さんと二人展をすることが決まりました。これは永瀬さんの企画で(詳しくはブログ「組立 paint/note reallink」を参照して下さい)、永瀬さんが何…

08/02/24

●50年代から60年代はじめ頃までの熊谷守一の色彩の強烈さはどこからくるのだろうか。勿論絵画は、光りの反射によって「見える」のだけど、クマガイの色彩は、それ自体が発光しているというか、どこか得体のしれない光源が内蔵されているかのようだ。クマガイ…

08/02/23

●昨日は、埼玉県立近代美術館まで、熊谷守一展を観に行った。予想を超えて充実した展示で、作品数も多く、うれしい半面、こんなにいっぺんには観れないよ(こんなにいっぺんには受け取りきれないよ)とも思った。熊谷守一は「日本近代絵画」の奇蹟みたいな人で…

08/02/22

●食器を洗っていて、洗剤を出そうと容器の腹の部分を指で押すのだがなかなか出なくて、空気ばかりがヒュッと出て、それを何度か繰り返すうちに世界が切り替わり、意識が浮上し、今、自分は横になって眠っているのだということを自覚する。その時、手は軽く容…

08/02/21

●絵画はそれを観る人の前に、一挙に与えられる。つまり情報は一挙に開示される。一挙に与えられるというのは、一挙に把握される、というのとは違う。決して一挙に把握することが出来ない塊が、一挙に与えられることによって、それを観る人それぞれのなかで「…

08/02/20

●『春の惑い』(ティエン・チュアンチュアン)をDVDで。女が城壁を歩いている。男が物置のようなところを片付けていて、戸のようなものを壊してしまう。遠く汽笛が聞こえる。汽車の、地面と車輪との間の隙間から、向こう側に一人の男が降りたのが見える。廊下…

08/02/19

●マティス風の絵(という言い方はどうかとも思うが、便宜上こう呼んでおく、15日、17日の日記を参照のこと)を、あれから2点描いた。でも、やはり最初に描いたやつが一番いい。ただ、どうも、後戻り出来ず、こっちの方向へ進まなければ仕方がない感じになって…

08/02/18

●早起きして、気合いを入れて原稿に向う。10枚分くらい進んだところで頭がフリーズし、まだお昼前なのに、一日の仕事をやり終えたかのような虚脱状態で、しばらくボーッとする。一日分の頭脳労働はもう終わり。足りない画材を買いに出る。外が、あまりにいい…

08/02/17

●一昨日、五分くらいでさらって描けてしまった絵は、アトリエで異彩を放ちつつ、他の作品をじわじわと圧迫しているみたいでもある。ぼく自身も、ほとんどたまたま描けてしまったようなこの絵に、動揺させられ、揺らがされてしまっている感じだ。時間がたつに…

08/02/16

●今年の予定というか、計画というか、願望というか、そういうものは(不確定な部分を多く含みつつ)いくつかあって、そのなかで、まあ、よほどのアクシデントでもない限りおそらく実現出来るだろうと思うのは本が出ることで、これは、出来れば夏前、遅くても秋…

08/02/15

●今日、すごくいい絵が五分くらいでさらっと描けてしまった。上手いね、自分、と、自分で自分に感心してしまった。いままで四十年生きてきて、もっともマティスにちかづけた五分間だった。これがたった一度だけのことではありませんように。(たんにマティス…

08/02/14

●一昨日の日記に、《唐突に、今までとはまったく違う感じの絵を油絵の具で描きはじめ》たということを書いたのだが、描きすすめてゆくと、(久しぶりに使った油絵の具の新鮮さは持続しているものの)やはり、そんなに違ってない感じになってくる。まあ、自分が…

08/02/13

●油絵の具の良いところは乾燥が遅いのでゆっくりと描くことが出来るところで、油絵の具の悪いところは乾燥が遅いのではやく描くことが出来ないというところだ、なんていうことを改めて確認しながら絵を描く。それにしても、絵の具や溶剤のにおいが部屋じゅう…

08/02/12

●今日、なんか唐突に、今までとはまったく違う感じの絵を油絵の具で描きはじめてしまった。これはいったいどうなんだろう、と、期待と不安でドキドキする。こんな感じはずいぶんと久しぶりだ。拙速に判断せず、結果を急がず、様子をみながら手探りでちょっと…

08/02/11

●『ブラック・スネーク・モーン』(クレイグ・ブリュワー)をDVDで。「あらすじ」をみる限りではぼくの最も敬遠したいタイプの映画じゃないかという予感がして(「セックス依存症の女の子を孤独な男がブルースの力で癒す」って...、しかも「鎖に繋いで」って...…

08/02/10

●『the EYE』(パン兄弟)のDVDを借りてきて観たのだけど、途中でやめてしまった。これはぼくが今、「映画を観る感じ」の状態ではないから、こらえ性がなくなっているからかも知れないけど。『ゴーストハウス』のDVDが出てて、そっちを借りようと思ったのだけ…

08/02/09

●「線」というのは、おそらく空間のなかでの動きであり、その動きによって空間のなかで別の質をもった空間をたちあげ、動かす、ということだ。それは、線が手の動きの痕跡を残す、とかいうような単純なことではない。線がすることは、空間を仕切るという身振…

08/02/08

●昨日、今日とつくっていた作品はF40号(100.0×80.3センチ)というサイズで、特に大きいサイズとは言えないのだが、これはあくまで今のぼくの感覚でしかないのだけど、キャンバスの規格サイズだと、F30号(91.0×72.7センチ)くらいまでは小品という感じなのだが…

08/02/07

●午前中は油絵の具で絵を描いた。油絵の具を使ったのはいつ以来だっただろうか。といっても、今している仕事は白いキャンバスに黒い線だけの絵だから、黒(と、そこに分からない程度の混ぜられる少量の青と白)しか使ってないけど。絵の具とテレピンのにおいを…

08/02/06

●すくなくともぼくにとっては、作品をつくるためには引きこもって一人になる必要があるようだ。これはどういうことなのだろうか。先週は、ぼくとしては珍しく、人と会ったり、出掛けたりする用事がつづいた週で、とはいえ、その間に何の用事もなく一日部屋に…

08/02/05

●『電脳コイル』12話から14話をDVDで。この一つ前の11話から、12、13話と、お話の本流からはやや外れた、イリーガルに関するちょっとした三つのエピソードという感じ(イサコが出てこないし)。この三つの話のそれぞれがとても面白い。11話は、アニメとしての…

08/02/04

●友人の展覧会のオープニングに顔を出すために出掛け、途中で経堂の古本屋に立ち寄る。ラカンのセミネールが安く出ているという情報を得たから。『フロイト理論と精神分析技法における自我』を上下揃いで3800円で買った。この本は、以前神田の古本屋でみかけ…

08/02/03

●柴崎友香「クラップ・ユア・ハンズ !」(『イルクーツク2』)。最初に読んだときは、正直、なんかよく分らなかったのだけど、何日か置いてもう一度読んだら、妙に面白かった。でも、どうして面白いのかは、よくわかってない。柴崎友香の小説を読んでイメージ…

08/02/02

●4日からはじまる友人の展覧会の搬入と作品の設置の手伝いに行った。ぼくはこの友人の展覧会の案内状(DM)に短い推薦文みたいなのを書いていて(あくまでも画廊の企画で、ぼくがキュレーションしたわけではない、そんな「力」はないし、あったら自分の展覧会を…

08/02/01

●今日発売の「風の旅人」Vol.30に、ぼくの書いた「ないものの(頭の中での)存在」という文章が載っています。あと、Vol.18から二年間、13回つづいたこの連載「現代生活の中の絵画」は、今回で終了することになりました。●一駅先のヨドバシカメラまで歩いて行…