2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2022/07/31

●『初恋の悪魔』で、仲野太賀と松岡茉優が居酒屋にいる場面。松岡がサラダの中のトマトを避けている仕草を見た仲野は、「トマトは嫌いですか」ではなく、「トマトソースもダメなんですか」と声をかける。これはちょっとした工夫なのだが、この一ひねりがある…

2022/07/30

●Huluで『初恋の悪魔』、第三話。約46分のドラマだが、今回も体感時間としては20分くらい。目の前をぎっしりと密度をもつものが速い速度でなめらかに通り過ぎていく。これはもう、『赤ちゃん教育』とか『ヒズ・ガール・フライデー』とかに匹敵するものが出来…

2022/07/29

●昨日の日記では、言いたいことがうまく言えてない感じがあるので、ちょっと言い直してみる。青山真治の熱心なフォロワーではないので、雑な感じになってしまうかもしれないが。 青山真治には、実験的な作品や教育のために学生たちと作った短編などの作品が…

2022/07/28

●Huluで『Helpless』を観ることが出来たので、『サッドヴァケイション』(青山真治)を改めて観直してみた(U-NEXTで)。 これを観て、ああ、青山真治は亡くなってしまったのだなあと思った。この映画の「続き」は永遠に失われたのだ、と。15年前に、この映画を…

2022/07/27

●Huluで坂元裕二脚本の『anone』を、一話から最終話(十話)まで一気観してしまった。 一気観したということは、それくらい面白いということであるのと同時に、一気観できてしまう程度の密度である、という意味でもある。たとえば、「大豆田とわ子…」や、今や…

2022/07/26

●『初恋の悪魔』を配信で観るためにhuluと再契約したら、なんとhuluでは青山真治の『Helpless』と『ユリイカ』を観ることが出来ると知って興奮した。 『Helpless』を観るのは何年振りだろうか。まず圧倒的に、90年代の日本映画のテクスチャーを感じた。おそ…

2022/07/25

●『カルテット』の松たか子は、最後の方で、満島ひかりに対して「自分が義父を殺した」ことを認めているし、満島ひかりはそれを知った上で、松たか子を受け入れている。 (なぜ、コンサートの一曲目に「死と乙女」を選んだのかと問う満島に、松は「こぼれちゃ…

2022/07/24

●下の記事は、VECTIONで共有しているスラックから。 集合知が衆愚になるのはバイアスが原因、そして衆愚化するのを防ぐ方法(Gigazine) gigazine.net 《では「どんな時に集合知が愚かなものとならないのか?」というと、近年の研究によると「集団のメンバーが…

2022/07/23

●『初恋の悪魔』、第二話をTVerで。面白くて体感時間20分くらいだった。まだ先があると思っていたのに、ルービックキューブがカチャカチャ回り出して、え、もう終わりなの、となった。伊藤英明は、一話では嫌な感じしかしなかったけど、二話を観たら、がさつ…

2022/07/22

●『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略』をU-NEXTで。「前編」は、物語の外枠が作り変えてあるが、内容的にはほぼ、本編のダイジェスト版だった。おそらく「後編」には、外枠の変化を反映した、なにかしらの読み替えが仕掛けられ…

2022/07/21

●改めて『初恋の悪魔』の一話をTVerで観た。手数が多ければいいわけではないし、解像度が高ければいいというものではない、というのはまず前提としてあるが、それにしても、複数回観てはじめて気づくような、単位時間あたりの工夫とアイデアの量の多さに圧倒…

2022/07/20

●『カルテット』、九話、十話をU-NEXTで。最後に吉岡里帆が幸せになれてよかった。 カルテット、ドーナツホールは、カラオケボックスで四つの楽器を持った人たちが偶然出会ったことからはじまった。だが、そう思っている(思っていた)のは松たか子だけで、実…

2022/07/19

●『カルテット』、八話をU-NEXTで。それにしても、七話の、「ずっとサル探してましたよね、わたし」と言うときの吉岡里帆の顔(車の窓越しのカット)が、怖すぎて忘れられない。あと、ダムのほとりでのバック走行のカットもすごかった。 八話は、まさに「全員…

2022/07/18

●『カルテット』、六話、七話をU-NEXTで。うーん、ここまでやられると、吉岡里帆のことをもうちょっと詳しく描いてほしいという気持ちになる。というか、だんだん吉岡里帆のことばかりが気にかかるようになってくる。今後、吉岡像がこれ以上に深く堀られるこ…

2022/07/17

●『初恋の悪魔』、第一話を、とりあえずTVerで観た。阿部寛みたいな林遣都、鳥居みゆきみたいな松岡茉優、柄本明みたいな柄本佑、仲野太賀みたいな仲野太賀。これだけで楽しい。今後も期待大。 「大豆田とわ子…」は、恋愛ドラマのようにみせかけて、徹底した…

2022/07/16

●『カルテット』、五話をU-NEXTで。前半の展開を観ているときは、このドラマにしてはやや凡庸なエピソードだなあと思ってしまった。強いて言えば、ここでカルテット「ドーナッツホール」が受けた挫折と屈辱は、松田龍平が、家族との関係のなかで常に感じてい…

2022/07/15

●『カルテット』、四話をU-NEXTで。高橋一生の背景が明かされる回。 ある問題が勃発する。だが、その問題が解決しないまま、より強い問題の発生によって話が別の方向へ展開するということがある。たとえば、一話で、イッセー尾形に対する態度から生じた、四…

2022/07/14

●『カルテット』、二話、三話をU-NEXTで。『シン・エヴァンゲリオン』を観た時には、この映画が大好きな人が大勢いる国なら、それは自民党が大勝するだろうし、自分なんかの居場所はないのだなあと暗い気持ちになったが、坂元裕二の書くドラマが好きな人が一…

2022/07/13

●坂元裕二の新作は、huluでの配信なのか。ドラマ放映中だけhuluに入りなおそうかな。Huluに入れば、今なら『anone』も観られるみたいだし。 『大豆田とわ子と三人の元夫』を観ているときには、「大豆田…」に集中していたので、他の坂元脚本作品を観ようと思…

2022/07/12

●『戒厳令』(吉田喜重)をU-NEXTで。これはちょっと苦手なやつ。途中で何度も眠くなってしまう。その理由の一つに、ぼくが俳優の「怪演」によって支えられているような映画が苦手だ、ということがあるかもしれない。 『エロス+虐殺』の大杉栄=細川俊之は、…

2022/07/11

●合議というのは政治的な駆け引きの場だ。そこで問題になるのは「合意の形成」であって、(数学の証明のような)正しいか正しくないかではないだろう。だからそこでは戦略的に振る舞うことが要請される。つい、弱音がぽろっと出て、「なんか辛いんだ」とか言う…

2022/07/10

●『煉獄エロイカ』(吉田喜重)。すっかり、吉田的モンタージュにハマってしまっている。 ただ、お話し的には、というか、脚本の構成の仕方としては、当時(1969年)の日本の前衛映画のメソッドに普通に依っている感じではある。たとえば、人物のアイデンティテ…

2022/07/09

●下の記事が、VECTIONのミーティングで検討された。重要な記事だと思う。「オンライン投票はなぜ『難しい』のか」 zenn.dev VECTIONが提案しているアイデアは、「ミラーバジェット」にしろ「苦痛トークン」にしろ、オンライン投票が可能であることを前提とし…

2022/07/08

●『エロス+虐殺』(吉田喜重)。この映画は、空虚を抱えた青年と、伊藤野枝にあこがれ、売春したりしている女子大生のペアによって成り立つ現代パートと、大杉栄と三人の女たちとでもいうべき大正パートの二つが交互にあらわれる構成になっている。そして、正…

2022/07/07

●アマゾンで『俺の家の話』の一話を観た。去年、このドラマが評判だったことはなんとなく知っていたが、プロレスに興味がないので特に気にしてはいなかった(そもそも、『タイガー&ドラゴン』も観ていない)。なんとなくクリックしただけで、で、まあ、普通に…

2022/07/06

●『レイクサイドマーダーケース』(青山真治)をU-NEXTで。昨日、『告白的女優論』(吉田喜重)の岡田茉莉子の夢の分析の場面を観ているときに、なんとなく似た感触があるものとしてこの映画を思い浮かべたから観てみたのだが、ぜんぜん関係なかった(特に似た感…

2022/07/05

『告白的女優論』(吉田喜重)。久々に観たが、とても面白かった。性的なオブセッションと、そこから導かれる、人間関係のなかでの「主体の座」の取り合いをめぐる三つのコント、みたいな映画。この日記を検索したら、16年前に観た時の感想があった。 https://…

2022/07/04

●椅子に敷いてある座布団が汗で湿気た感じなので、昼間のうちに外へ干して日に当てることにした。夕方に取り込むといい感じで乾燥してふわふわしている。だが、太陽をたっぷり浴びた座布団はぽかぽかと暖かく、その上に坐ると腿や尻から汗がにじみ出て、すぐ…

2022/07/03

●『ひとりぼっちの二人だが』(舛田利雄)。去年くらいにちょっと話題になった映画がアマゾンにあったので観てみた。 話題になったのは冒頭の場面の一つのカットなのだけど、吉永小百合が着物に飾りのついた日本髪、白塗りで、舞台上で踊っている。カメラが徐…

2022/07/02

●『アクターネットワーク理論入門』(栗原亘・編著)、第12章「異種混成的な世界におけるエコロジー」(栗原亘)より、引用、メモ。 マクロ/ミクロの二項対立を前提としない 《(…)ANTは、アクターを追尾するために、グローバル/ローカル、マクロ/ミクロといった…