2000-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『黒沢清論集』そして青山真治『シェイディー・グローブ』

一昨日入手した『黒沢清論集』に載っている『大いなる幻影』論のひとつ、小沢麗子『まず内面の粛清より着手せよ』の末尾に、全体のバランスからみてやや過剰な感じのする註がついていて、その、論旨の均衡を乱しかねないほどの怒りというか、苛立ちは一体ど…

ゴールデンウィーク初日。最近、30を過ぎて初めてデザイン会社に正社員として就職したKさんは、以前、展覧会で会った時、休日の貴重さを説き、ゴールデンウィークの到来を待ち望んでいた。『今まで、なんでみんなあんなもので騒いでるのかと思ってたけど…

《・・・こんなに凄く川の水が増えたのを見たのは、二十年ぶりのことだと興奮した声で言い、二十年という時間がどれくらいの長さなのか、むろん想像することなど出来はしないのだけど、あの降りつづいた雨は、そう滅多にあるわけではない凄い大雨だったので…

ハナミズキ

池の脇に、紅白のハナミズキの花が咲いている。 『ありゃあ、ハナミズキだろ。ヤマボウシはまだ芽も出てないんじゃねえか。あの、東の門のとこにあんだろ、生け垣んとこ、道路側に。あれがヤマボウシだぜ。あれ、まだ芽もでてないだろ。』 なるほど。 『ミツ…

雨、降ったり止んだり。折り畳みの傘、光沢のある渋い黒のやつ、結構気にいってたのに壊れてしまった。ホネがバッキリと折れる。でも、これ拾ったやつだったか。(前に壊れたのとは別のやつ。) 久々にカラオケ。透明のビニール傘さして。『モルヒネ』『本能』…

キューブリック『アイズ・ワイド・シャット』(補足)

強い光。竹薮に竹の子。竹の子を掘った穴。竹の葉が風でさらさら鳴る。まだらな光が揺れる。 《昨日の補足》 『アイズ・ワイド・シャット』について、妻の言葉によって亀裂の入った世界が、結局また、妻の言葉によって繕われてしまう、つまり、この映画は言…

キューブリック『アイズ・ワイド・シャット』

夕立。激しい雷。それが止むと、空は澄んで青く明るいのに、地上はへんに黄色っぽい、ぼうっとした光につつまれていた。どこから光がきているのか分らないような、ものたちが皆、内側から黄色っぽく発光しているような、無気味な感じ。澄んだ空には、きれい…

新芽が赤くなる生け垣の木。真っ赤になっていた。陽によく当る部分は赤が焼けた色になっている。 あたたかい日。空には薄っすらと雲がかかっている。太陽もぼやけている。ガァーッという低空飛行の米軍機の音が響くが、雲の為、姿は見えない。薄着の人が歩い…

暖かい日。暖かくなったせいか、蠅が飛んでいる。 ビデオでゴダールの『メイド・イン・USA』(1966)。ゴダールのこの時期の映画としては普通の出来。というか、特に興味深いということはない。『小さな兵隊』の延長線上にあるような映画。《やや》政治映画…

散髪。2週間以上前から、もう切らなくてはとずっと思っていたのに、めんどくさくて延び延びにしていた。もういい加減鬱陶しいので切りに行く。珍しく店長が出てきてカット。ここの美容室を紹介してくれた女の子の話では、この店長はどっかの有名な店で働い…

朝から雨。冷たくて、重たい感じの雨。 雨の為にあたりがモノトーンなせいで、大学前の工事現場のフェンスの趣味の悪いカラーリングが、やけに際立って見える。これを見ると、体調と関係なく気分が悪くなる。一体誰がこんなとを考えるのか。ぼくは、その前を…

午前4時過ぎ。まだ真っ暗で誰もいない、わずかに蛇行する道路、そこに点々とつづいているオレンジ色の街灯の灯り、の、下を、とぼとぼと歩く。10分もすると、空がすこしづつ青く、明るくなりはじめる。 いきなり、脇道から、孟スピードの車が飛び出してき…

朝、一駅だけだけど混んだ電車に乗らなければならなかった。階段を降りかけたところで電車が来たので、あわてて走って乗り込んだ。ドアが閉まったとたんに、気分が悪くなり、吐きそうになる。 混んだ電車に乗ったくらいで気分が悪いなんて、何かいかにも神経…

朝、早く目覚める。頭ぼけぼけ。午前中、洗濯。スライ&ファミリーストーン『THERE'S A RIOT GOIN'ON』 午後、だらだらホームページをいじる。『よりぬき偽日記』に《WALK MAN(日常・4)》を追加する。 目を酷使し過ぎ。また、目が悪くなったかも。頭痛。 と…

尾崎翠『第七官界彷徨』

雨はやんだけど、今日も寒い日。疲れ果てて1日寝ていた。 尾崎翠『第七官界彷徨』。タイトルがかっこいい。大正から昭和初期の、戦前・前ともいえる、経済的に豊かでモダンな時期の雰囲気が濃厚にする、という感じ。テマティックで構成主義的な小説というか…

金井美恵子『彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』

冷たい雨の降る、寒い日。今日は忙しいことはなにもしない。 金井美恵子『彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』を読む。電車のなかで、と、部屋でビール飲みながら。 久々の目白物、しかも『小春日和』の続編。この小説の桃子と花子は、ぼくとほ…

今日もメジロの声がやたらと響いている、あたたかな日。というか、メジロ以外にもいろんな鳥の声が聞こえるのだけど、どの声がどんな鳥なのか全然知らない。まあ、カラスはよく分るけど。それにしてもメジロの声は目立つ。声、でかい、でかい。ヌシのような…

電車の窓から。 山を強引に切り崩してつくった造成地。まだ住宅は全く建っていなくて、住宅用のやや道路から盛り上がった平らな細かく分けられた平面が幾つもずっとつづいている。その一角に、木を植えるのか、それとも元々そこにあった木を別の場所へ移すた…

松浦寿輝『花腐し』

『群像』5月号、松浦寿輝『花腐し(はなくたし)』。昨日の夜中、読み始めて、途中で眠くなったので寝て、今朝、起きてすぐまた読んで、読了。 これ、無茶苦茶好きです。ぼくは松浦氏の小説はどれも好きだけど、これは一番うまくいってるんじゃないだろうか。…

朝はまるで台風一過のような天気。べったり青い空、つよい光り。それも長くは続かず曇り空。 図書館をぶらつく。『神代辰己オリジナルシナリオ集』、武田百合子『ことばの食卓』、武田花『季節のしっぽ』を借りてくる。 ぼくは武田花の写真はとても素晴らし…

午後から雨。花ちらしの雨。 雨にうたれた桜の花びらが、ぽろり、ぽろりと、少しづつ落ちてくるのを、しばらく立ち止ってみている。こぶしの木の、反ったような形の花びらも、木の下に濡れて散らばっている。はしり去る、黒い自動車の車体に、雨に濡れた桜の…

夜中じゅう、昨日もらった『大日本樹木誌・巻の1』をペラペラと、あちこちめくっては眺める。あまりよく眠れない。 夜が明けるのがすっかり早くなった。6時前にはもう完璧に朝。ウグイスの声を聞く。歩いていたら、生け垣のなかから急に小さな鳥が飛び出し…

Oさんがどこかから拾ってきた『大日本樹木誌・巻の1』という本を見せてもらう。本の形は歪み、表紙は変色した上にぼこぼこ、紙質は黄ばんでべこべこ、染みだらけ。奥付をみると、大正拾壱年拾貳月貳拾日・発行となっている。78年前。発行所の成美堂書店…

ここ2〜3日、寝不足だったので、朝起きて食事してから2度寝したら、もう夕方だった。 今日は用事があって画廊まで行かなければいけないのだけど、今からだとギリギリ。顔洗ったり、鬚剃ったり、着替えたりと準備しながら、テレビを観ていた。木村拓哉と山…

ぼくはこの日記で一体何をしようとしているのか。ぼくにとっての住居空間(そのなかに居ざるを得ない空間)を見つづけ、その無意味で些細な点を、常に観測し、手で触り、匂いをかぎ、それを読み取り、記述しようとしているのか。しかしその記述は何処へ向かっ…

朝から雨。朝から降りつづける雨のなかで、何かとバタバタとせわしなく動き廻る。あわただしい。まるでカサヴェテスの『こわれゆく女』のオープニングみたいな感じで、雨に濡れて右往左往しながらの作業。青い雨ガッパなんか着て。 あわただしい、ということ…

朝から、洗濯、部屋の整理などを含め、いろいろと雑用。部屋の整理なんつっても、狭い部屋に本やビデオとかものが多すぎて、整理しようがない。ものをあっちからこっちへと移動するだけ。 午後5時前、雑用が一段落ついたので、腕時計の電池交換のために駅前…

午前5時過ぎ、昨日が寒かったせいか、今朝の明るくなる直前の空は、少しだけ凄みのある青だった。すぐ空は白みはじめる。カラスの第一声のあと、いろいろな鳥の声。 ふと、腕時計を見ると、電池がなくなったのか、数字が消えてしまっている。 駅前の工事現…

『また四月が来たよ/同じ日のことを思い出して』(椎名林檎『ギブス』) 花粉症、このところ小康状態だったのだけど、今朝は目が覚めたときからひどい状態。目は痒いし、ハナタレ小僧だし。天気予報の花粉情報は毎日同じように『非常に多い』ばかりなのに、反…

夜が明けるかなり前。オレンジ色の街灯と、白い街灯。それらが照らす誰もいない道路。アスファルトの冷たさ。足から冷える。靴底の感触。ガードレールの白、その金属的な冷たさ。街灯の光で浮かぶ、木の葉の緑。午前4時頃、一番しずかな時間。新聞配達のバ…