2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ティム・バートン『チャーリーとチョコレート工場』

●ティム・バートン『チャーリーとチョコレート工場』をDVDで。現在のハリウッドで大きな予算の作品を作をつくることの困難がモロに出てしまっているように思う。どこからも文句が出ないようにいろいろと言い訳を仕掛けているうちに、一体何がやりたかったの…

ジム・ジャームッシュ『ナイト・オン・ザ・プラネット』

●ジム・ジャームッシュ『ナイト・オン・ザ・プラネット』をDVDで。かなり久しぶりに観たけど、こんなに面白かったかと驚くほどに面白かった。ジム・ジャームッシュの映画を、物語を語る形式として見ると、ミニマリズムのようにも見えてしまうかもしれないが…

●必要があって、非常につまらない(下らない)内容の講義を長時間受けなければならなかった。内容は下らないが、講師は、職業的にいつも人前で話しているだけあって、喋りはこなれていた。昨日とは逆に、講義を受ける側になって、その講師の喋りの技法というか…

東京造形大学で、レクチャー

●東京造形大学で、レクチャー。(テーマは「作品を、(観者)として外側から考えることと、(作家として)内側から考えること。(そのズレと重なり)」)人前で話をするということに全く自信がないので、ここ一週間くらいは、何をするにも頭も隅にこのことがあって、…

くりぃむナントカ

●夜、たまたま観た「くりぃむナントカ」でやっていたクイズがすごく面白かった。何と言うか、微妙な感じの顔の写真(これはおそらく、実在する人の顔ではなくて、何人かの人の顔をコンピューターなどで合成してつくった顔ではないかという気がするのだが、そ…

●(昨日も書いたけど)緑が濃くなってきた。JR中央線の三鷹の辺りは線路が高架になっていて、電車は高い所を通っているので、窓からの景色は周囲を見下ろすことになる。高い建物がほとんどないので、遠くまで見渡せる景色の所々に散らばって見えている緑が、雨…

●梅雨も半ばになり、随分と緑が濃くなってきた。四谷駅のホームで電車を待っている時に見上げた木々の緑のなかに、金柑の黄色い実がなっているのをみつけた。地元に帰ってきたら、駅や買い物の帰りにいつも通る角の家に生えている金柑の木から、実が、道にい…

●昨日書いた原稿を一晩寝かせて、少し直して、送った。妙に難解なもの(それぞれの部分は別に難しくないと思うけど、部分と部分の繋がりや関係が見えにくいもの)になってしまったかも知れない。 ●原稿を締め切りまでに送ることが出来たので、来週火曜のレクチ…

●ずっと「映画芸術」の原稿を書いていた。ツァイ・ミンリャンとアルノー・デプレシャンの新作について書いた。一年つづいた「映画芸術」でのぼくの外国映画季評も、今回で最終回。 ●何日か前から、何度か書いていたレクチャーについて。6月27日(火)、午後一…

●書きあぐねていた原稿をようやく書き始める。文章は、書く内容がだいたい頭のなかにあっても、それが書けそうな書き出しがみつからないと、なかなか書けなくて、逆に、あまり大した考えがなくても、そこから発展しそうな書き出しが見つかれば、とりあえずは…

●電車で一駅のところへ用事で出かけ、帰りは国道沿いを歩く事にした。国道のいちょう並木は濃い緑の葉を鬱陶しいほどに身に纏いつけていて、冬の間に見せていた、ごつごつしてささくれた原始的な枝振りを覆い隠していた。国道沿いを駅からやや離れると、昔か…

●東京造形大学へ、来週の火曜(27日)にやるレクチャーの使用機材の確認および打ち合わせに行く。その後、ソクーロフの『太陽』の試写を観に行く予定だったのだけど、久々の母校で、学生のアトリエを見て回ったり、恩師と話し込んだりしてしまい、試写は間に合…

●今月末に、出身大学でやるレクチャーのタイトルとその内容を早々に報告する必要があって、どうしようかといろいろ考えていたのだが、ふと、ビルの階段を駆け下りている時に、「作品を、(観者)として外側から考えることと、(作家として)内側から考えること。…

『メゾン・ド・ヒミコ』(犬童一心)をDVDで

●『メゾン・ド・ヒミコ』(犬童一心)をDVDで。柴咲コウの堂々とした不細工っぷりと、オダギリジョーの奇形的なまでの美しさの対比によって成り立っているような映画だった。こういう話はしばしば、最初はブスッとしていた女の子が次第に心を開いて「かわいく…

引用,メモ。ドゥルーズ=ガタリ「被知覚態、変様態、そして概念」

●引用,メモ。ドゥルーズ=ガタリ「被知覚態、変様態、そして概念」(『哲学とは何か』)より。 《小説はしばしば被知覚態(ペルセプト)に達している。たとえばハーディにおける、荒野の知覚ではなく、被知覚態としての荒野。メルヴィルの海洋の被知覚態。ヴァー…

引用、メモ。自己言及とフレーム問題。郡司ペギオ-幸夫『生命理論1/

●引用、メモ。自己言及とフレーム問題。郡司ペギオ-幸夫『生命理論1/生成する生命』より 《嘘つき文・自己言及は、両義的指し示しを根拠とするが、全体が何であるか、確定できることを前提としている。ところがまさにフレーム問題は、全体の指し示しが不可能…

●A-thingsでのドローイング展示(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/a-things.html)の初日。昨日いきおいで、展示されるドローイングの点数が六十点以上だとか書いてしまったのだけど、今日、ちゃんと数えてみたら全部で五十八点だった。 ●今月の末に…

●明日からの展覧会(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/a-things.html)の展示をするため、吉祥寺のA-things(http://www.a-things.com/index.html)へ。また、新たに描いた十数点のドローイングを持っていった。数えるのも面倒な多数のドローイングから…

ツァイ・ミンリャン『楽日』

●京橋の映画美学校第二試写室で、ツァイ・ミンリャン『楽日』。なんとも微妙な映画で、最後まで一応退屈せずには観られるという意味で、まったくつまらない映画ではないけど、では、どこか積極的に面白いと思えるところがあるかと言えば、それはない。ってい…

伊藤若冲、熊谷守一

●皇居内にある三の丸尚蔵館で伊藤若冲を観て、熊谷守一美術館で21周年展を観た。 ●皇居のなかに入ったのは初めてで、小雨のなか竹橋の駅で降りて、お堀の白鳥と並走するように堀沿いを歩いて、平川門から入ったのだけど、平川門の辺りは歴史の「霊気」が漂っ…

セザンヌが、サント・ヴィクトワール山を...

●セザンヌが、サント・ヴィクトワール山を繰り返し何度も描くことと、マティスが、同一のモデルで何枚もドローイングを描くこととは、かなり違っている。セザンヌが、その都度異なる「同じもの」としてのサント・ヴィクトワール山の絵を何枚も生むことが出来…

セザンヌは、毎回同じようなやり方で...

●セザンヌは、毎回同じようなやり方で、しかし毎回その都度はじめからやり直すように、何度もサント・ヴィクトワール山を描く。それは、どれもまぎれもなくセザンヌのサント・ヴィクトワール山以外の何ものでもないのだが、しかし、一枚一枚それぞれがはっき…

『ショートカット』(柴崎友香)再読

●昨日読んだ「その街の今は」(柴崎友香)が面白かったので、『ショートカット』を読み返してみた。以前に読んだ時は、表題作の「ショートカット」をあまり好きとは思えなかったのだが、今回は読むのが二度目だということと、収録順ではなく、最後の「ポラロイ…

柴崎友香「その街の今は」(「新潮」7月号)

●柴崎友香「その街の今は」(「新潮」7月号)。最近本がなかなか読めなくて、本を開いて5、6ページ読むとたいがい飽きてしまうような感じだったのだけど(なんと言うのか、ある「前提」を無条件に押し付けられているように感じるとしらけてしまうのだった)、こ…

●今度のドローイングの展示の案内状を、とりあず宛先を書き終えた分だけポストに入れるために部屋を出て、そのついでに駅前の喫茶店でコーヒーを飲みながら本を読んでいた。座った席が、いつも座るのとは別の道に面した窓際で、二階にあるその喫茶店の窓から…

●夜、出先からの帰り、買い物を終えてアパートの部屋に向かってゆるやかな坂道をのぼっていた。両側に住宅が建ち並ぶ人通りの無い静かな狭い道で、車庫の前にさしかかる。街灯は、車の頭の部分だけを照らしていて、車庫の奥は暗くて見えない。奥の方から、チ…

ドローイング

●ここひと月くらいで描いた最新作のドローイングから15点を選んで、それを持ってA-things(http://www.a-things.com/index.html)へ行く。作品をスタッフの林さんに観てもらい、そのままA-thingsに置いてきた。これも14日からはじまるドローイング展示(http://…

盗作

●事の善し悪しはともかく、おそらく多くの画家は、盗作ということについてかなり無頓着であると思う。それは、目の前にあるリンゴを、見えたままそっくりにキャンバスに描くことと、目の前にある誰かが描いたリンゴの絵を、そのままそっくりにキャンバスに写…

『ポロック その愛と死』

●ツタヤに、BBCが製作した『ポロック その愛と死』という番組のDVDが置いてあったので観てみた。タイトルをみて予想できる通り、この番組を観てもポロックの絵画作品については何も分からず、ただ、アメリカン・ヒーローの一人としてのポロックの栄光と悲惨…

散歩した

●散歩した。近所にあった銭湯の建物がいつの間にか解体されていて、「富士山の絵」が(斑状に塗料が剥離した状態で)外に露出していた。解体は何故か建物の一部を残したままで(富士山の絵が露出したままで)中断されていて、更地になったところには砂利が敷かれ…