2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

●ぼくは、一応東京都内だけど、都心から離れたところに住んでいる。だから、都心で飲んだりしていると、ちょっと気を緩めると終電を逃し、だからといってタクシーでは帰ることも出来ないくらい遠い。若い時は、その場ではじめて会った人の部屋に泊めてもらっ…

●お知らせ。「映画芸術」No.424に、ボーダレス・クリティックという特集の一部として、ウェブ上での批評について、「映画をめぐる怠惰な日常」(http://d.hatena.ne.jp/molmot/)のモルモット吉田さんと対談した記事が載っています(対談というより、編集部によ…

●夜中までかかって、ジュンク堂のフェアの第三期「ごちゃごちゃ篇」の選書リストをつくっていた。ほんの一部、詩やエッセイがあるけど、ほぼ、小説とマンガのみ。とはいえ、ぼくは基本的にマンガをあまり読まないから、マンガはちょっとしたスパイスみたいな…

●昨日の夜遅くまで、というか朝方まで用事をしていたので、目覚めたらもう午後で、顔洗って、歯磨いて、ヒゲ剃って、すぐに部屋を出た。エミリー・ウングワレー展の最終日だったので、なんとかもう一度観たかった。4時過ぎには新国立美術館についたので、二…

●ジュンク堂新宿店で今やっているフェア、「古谷利裕の滲み出す脳」の第二期ガチガチ篇が明日からはじまる(7月28日から8月17日まで)ので、ここに、その選書リストを挙げておきます。なお、全ての本が揃うのは、一週間後くらいになるそうです。(今は、第三期…

●池袋のシアターグリーンで、弘前劇場『休憩室』。とにかく、時間と空間とをぎっしりと充実させている、という感じ。複数の系が同時に出現し、そのそれぞれが、絡まったり、途切れたり、また現れたりして、時間的展開としても、舞台全体の空間としても、濃淡…

●『ヴィレッジ』(M.ナイト・シャマラン)をDVDで。これは、シャマランのなかではかなり好きだ。シャマランは、変で、憎めない。これを積極的に「面白い」とは言えないし、シャマランの新作をわざわざ劇場まで観に行くかどうかは分からないのだけど。いや、実…

●『ヘーゲル精神現象学の研究』(樫山欽四郎)の、最初の方をちょこっと読む。樫山の描き出すヘーゲルは、ぼくがジシェクなんかを通してなんとなくイメージしていたヘーゲルとはちょっと違う感じだ。 精神はまず、素朴に実体的な生との和解と満足のなかにあり(…

●約束していたいくつかの原稿をとにかく締め切り前までに送信出来たので少しほっとして、『ビー・バップ・ハイスクール』(那須博之)をDVDで観た。風景と喧嘩のユートピア。ぼくにとってこの映画のシリーズの世界は幻想のユートピアで、ぼくは本気で、この映…

●喫茶店に行って、ニ時間半くらいで、原稿用紙六枚分の書評を一気に書く。字数はほとんどぴったり。一晩寝かせて、明日推敲して、メールでおくる予定。二階にある喫茶店の窓際の席から、しばらく、放心したように外を眺める。 ●スーパーで買い物をしていたら…

●作家論のゲラを速達で出版社に戻すために、休日でもやっている窓口のある郵便局まで歩く。ついでに、途中の自販機でスポーツドリンクのペットボトルを買って手にぶら下げて散歩。校舎があって、プールがあって、プールの近くには木があって、水の匂いがして…

●来月出る雑誌に載るはずの作家論のゲラの直しをする。三度読み返したのだが、これを書いたのはもう何ヶ月か前で、書いていた時にはその作家の作品を集中的に読み込んで、頭のなかがその作家の作品で一杯だったのだけど、今はもうそのようなテンションではな…

●都内、某ホテルにて密会。帰国中(来日中?)の樫村晴香さんと、保坂和志さんとお会いする。ホテルの会議室なんていうところははじめてで、時間よりちょっと早めに着いて先に通されたのだが、一人でそこにいて、場違いな感じで、自分がその部屋の何処にどんな…

●書評する本を、とても時間をかけて読み終わり、とんでもないものを引き受けてしまったと思う。この小説集について、あと数日のうちに、原稿用紙六枚程度の「書評」を書くということが、なにか途方もないことのように思われる。この作家は、小説においては、…

●昨日観た、photographers' gallery+IKAZUCHIの大友真志の「姉」を撮った写真(http://www.pg-web.net/home/current/current.html)について。 ●ソファーに座る女性。向かって左手に窓、後方にドアがある。同じ場所、同じ人物(おそらく)の二つの時間。一方は…

●新宿で、青土社の編集者と、男二人で超地味に打ち上げをした。その前に、ジュンク堂のフェアをのぞき、二丁目のphotographers' gallery+IKAZUCHIで大友真志の「姉」を撮った写真を観た。駅近くでメガネ屋が配っていた広告入りのうちわでパタパタと自分を扇…

●映画のレビューの原稿を書き、書評する本を読む。喫茶店で涼みながら。近所のツタヤにDVDを返しにゆくついでに、すこし歩く。蒸し暑いなかを歩くのは嫌いではない。ぼくは匂いに敏感な方ではなく、むしろ鈍感だと思うのだが、むっとする湿気と暑さのなかで…

●青土社から手紙が転送されてきて、差出人をみたら大学時代の恩師で、本を読みましたということが書かれていた。でも、恩師という言い方はあまり適当ではなくて、実技の担当の先生ではないし、ぼくはこの先生のいくつかの講義に出ていただけで(とはいえ、ぼ…

●『カツラ美容室別室』(山崎ナオコーラ)。面白かった。この作家の、ディテールの創出や物語を語る闊達さに関する希有な才能や、人に強い緊張を強いる程の、関係を追いつめて行く生真面目さには、いままで読んだ二つの作品(『長い終わりが始まる』『論理と感…

●ビルの二階にある喫茶店の窓際の席で本を読んでいて、ふっと本から目を外して、窓の外の、駅前と大通りとを結ぶ細い通りを見下ろすと、道幅いっぱいに窮屈そうにバスが通り抜けるところで、バスの屋根の上が見えた。側面や窓ガラスはピカピカに磨き上げられ…

●当初、7月いっぱいは全く何の予定もはいってなくて夏休み状態だったのだが、いくつかの予定がぽつぽつとはいってきて、来週は軽く忙しい感じにまでなった。以前に書いた長めの作家論(65枚くらい)のゲラの直しと、映画のレビュー(10枚くらい)と書評(6枚くら…

●ある映画について書く必要ができて、確か、新宿のツタヤにビデオが一本あったはずだと思って、出かけようとしたところ、ツタヤの会員カードがあるべきところにないことに気付き、あれっと思って、シャツやズボンのポケットを探ってみたり、カバンをひっくり…

パスクリンナイト ! ! !

●京橋のフィルムセンターのPFFの特集上映で、『パスクリンナイト』(香川まさひと)を、24年ぶりに観た。高校生の時に観て、半端ではないショックを受けた、八ミリでつくられた自主映画なのだが、さすがに今観ると、随分色あせてしまっているのではないかとい…

●ジュンク堂新宿店さんでやっていただける「古谷利裕フェア」のための本を選んでいたのだが、こういうことを、ああでもないこうでもないと考えていると、びっくりするくらいあっという間に時間が過ぎてしまう。だいたいの骨子は出来たのだが、自分でもゲッと…

●八丁堀で対談。実はこれは二度目で、一度目の時は、テープは回っているのに音が録音されていないという原因不明のアクシデントがあって(最初の十五分くらいは録音されていたのでテープ起こしをするまで気付かなかったらしい)、仕切り直しとなった。編集者に…

●ここ数日、すごく眠い。目を閉じれば、どこでも、いつまででも眠っていられそうなくらいに、眠い。 ●お知らせ。「文藝」2008年秋号に、『衆生の倫理』(石川忠司)の書評を書いています。 あと、ジュンク堂新宿店の7階人文書コーナーで、7月14日から8月31日ま…

●渋谷のシアター・イメージフォーラムで、『コロッサル・ユース』(ペドロ・コスタ)。ぼくは、人が言うほど『ヴァンダの部屋』がすごいとは思わないのだが、『コロッサル・ユース』はけっこう面白かった。ペドロ・コスタを観る多くの人が中上健次を想起すると…

●散歩する。途中の畑に、トマトが植えられていた。ほとんどの実がまだ青かったが、ぽつりぽつりといくつか、赤く熟しているのがあった。蒸し暑いなかずっと歩いていて喉が渇いていることもあり、その実の赤が強烈に目に入って、それがやけに美味しそうで、そ…

●『論理と感性は相反しない』。山崎ナオコーラの小説は、読んでいる間ずっと緊張させられる。出来る事なら、そこら辺はなんとなく曖昧にして済ませておきたいと思っているようなことを、どかっと胸元あたりに突きつけられている感じだ。とはいえ、小説自体は…

●渋谷のシネマ・ヴェーラで、吉田喜重『美の美』(ボッシュ編、ブリューゲル編、カラヴァッジョ編、ゴヤ編)。 吉田監督がこのシリーズで撮っているのは、美術作品(絵画)だけではなく、ヨーロッパの堅牢な石の建築物であり、そのなかでやわらかくひろがる木々…